ここは、水産卸売場棟南西に位置する「活魚荷捌(にさば)きスペース」だが、その壁が大きくズレて、下部には約30㎝もの溝があるのが見て取れる。溝にたまった発泡スチロールや木材のカスを見ると、亀裂が生じてからかなり時間が経っているようにもうかがえる。 市場内で働く東京魚市場卸協同組合(通称・東卸)理事の三浦進氏が言う。 「ズレが発見されたのは今年1月の中旬頃でした。最初はフォークリフトが壁にぶつかったのかなと思いましたが、現場を見てみると衝突した跡がどこにもない。フォークリフトは約1トンありますから、ぶつかれば必ず跡が残る。というか、間違いなく壁に穴が空きますよ。豊洲は埋め立て地でしょう。地盤が弱いのは移転前からわかっていたことですから、業者はみんな『なんかイヤな予感がする』と不安がっています」 衝突が原因ではないとすれば、なぜこんなに大きくズレているのか。可能性は一つしかない。豊洲市場の構造に
