生成AIの主戦場は「出力品質」から「推論強化」へ移行 GPT-4、Gemini、Claudeといった主要モデルの性能が飛躍的に向上した2024年の生成AI競争について、松本さんは次のように振り返る。 「この1年間で、生成AIのモデルごとの性能差は急速に縮まりました。もはや“どのモデルが最も優れているのか”という問いには、単純な性能比較では答えが出せなくなっています。1回の出力品質を向上させる競争は、そろそろ限界に達しつつある。今後は『推論強化型モデル』の開発が主戦場になっていくと考えています」 言い換えると「論理的思考を強化するモデル」とも呼べるそのモデルの代表例が、24年9月にOpenAIがリリースした大規模言語モデル(LLM)「o1」だ。 「従来の生成AIは、ユーザーからの指示に対して即座に回答を生成する方式でした。より高度な推論が必要な場合は、会話を重ねながら少しずつ考えを深めるとい