財源も含めた地方分権は間違い ――地方自治体も政府の緊縮財政の被害をこうむっている? 島倉 こうむっていますね。緊縮財政によって、交付税などを削られています。税収の再分配の仕組みをもとに戻さないと、東京一極集中の流れは止まらず、大都市圏以外の地域は衰退していく一方だと思います。 『MMT入門』のなかにも、地方分権の話は出てきます。それぞれの地域に合った政策を地域に根ざした人々が主導的に行うことは必要なのですが、それとお金の話は別なんです。JGPでも、中央政府はお金を出すだけで、どんな仕事をするかは地方自治体に任せるという仕組みが提唱されています。 地方分権というと、財源も含めてすべて地方自治体に任せるという流れになっていますが、中央政府に通貨発行権があることを考えると、それは間違いです。同じ政府でも、地方自治体は、企業や家計と同様、通貨の利用者に過ぎません。中央政府とはまったく立場が違うの