島崎邦彦「葬られた津波対策をたどって――3・11大津波と長期評価」目次 島崎邦彦 しまざき・くにひこ 東京大学名誉教授,地震調査委員会長期評価部会部会長(1996 〜 2012年),原子力規制委員会委員長代理(2012 〜 2014年) 連載「葬られた津波対策をたどって」(2019年1月号〜2020年6月号)を著者加筆の上,副題として「3・11大津波と長期評価」を加えて,公開いたします。 政府機関として地震調査研究推進本部は「地震発生可能性の長期評価」(「長期評価」)をとりまとめており,2002年7月に「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」が公表されました。そのとりまとめにあたった島崎邦彦氏が長期評価に対する圧力を振り返ります。政府と東京電力の責任を問う裁判で論点の一つともなってしまっている長期評価とはそもそも何か。とりわけ東京電力福島第一原子力発電所にとって不都合であっ