2012年から甲府を率い、J1昇格、そして2度の残留を果たした城福浩が、昨年限りで監督を退任した。はたして彼は「プロヴィンチャ(地方クラブ)」の指導者として何を目撃し、何を体得したのか。一人のサッカー人として、この3年間をどう総括し、再び未来に向けて歩み出そうとしているのか。 ――3年に及ぶ甲府での監督生活が終わりました。今、どんな気持ちが胸に去来しますか? 「ちょうど先日、かかりつけの眼科や内科の先生に挨拶回りを済ませてきたところで。甲府は予算的に厳しい分、地元の様々な方々に薄く広くサポートしていただいているんです。僕自身、定期的に地元の医師の方々に診ていただいていたんですが、挨拶を終えて帰る時に、待合室にいた20人くらいの患者さんが全員で立ち上がって拍手をして下さった。サッカーに関心のないようなおじいさんやおばあさんたちも含めてです。 ADVERTISEMENT 大都会のビッグクラブの