ソフトウェア開発におけるコードレビューの位置づけは、曖昧にされがちだ。欠陥を見つけるためにやっているのだろうか。コード品質を高めたいのだろうか。いずれにしても、チームやプロジェクトで統一された目的がないこともめずらしくない。レビュアーはただ、眼の前にあるコードの中で気になった箇所にコメントしているだけになってはいないだろうか。 また、チームのバージョン管理ツールを観察すると、コードレビュー待ちの開発ブランチが多いこともめずらしくない。実装することにばかりに時間が割かれ、コードレビューは後回しになっているのだ。しかし、レビューを終えなければ、それらは統合ブランチにマージされない。そうして生存期間が長いブランチが多くなるほど、マージコンフリクトが起こりやすくなる。その対処に支払うコストもばかにはならないだろう。 本稿は、コードレビューに関する2つの論文を中心に、機能的なコードレビューのあり方に
