Appleのキャズムの越え方は「局所展開」 しかし、iPhoneブームに地域ごとの「温度差」があるのもまた事実だ。筆者は今年の夏商戦期間中、九州、四国、中国、中部、東北エリアなどを回り、各地の販売会社やキャリア支社関係者の話を聞いたが、そこでは「iPhoneの影響はそれほど大きくない。店頭競争への影響は限定的」という声が大半だった。iPhoneの販売状況は昨年同期に比べて上向いているが、都市部のようにF1層が飛びつくような事態にはなっていないという。地方では、もともとドコモとKDDI(au)が強く、ソフトバンクモバイルが弱いという傾向はあるものの、iPhoneの地域格差は際だって大きい。 実はこうした地域差の存在は、Appleにとって経験のないものではない。iPodと同じ普及・展開シナリオであり、同社にとっては“織り込みずみ”と言ってもいいだろう。 「例えば、iPodは2004年以降、携帯