左は、大嘗宮を形成する建物などの跡ではなかったと訂正された遺構。右は、利用状況から宮の造営過程が明らかになった広場跡=18日午前、奈良県橿原市(門井聡撮影) 奈良文化財研究所は18日、奈良県橿原市の藤原宮(694〜710年)跡から今年7月、天皇が即位儀礼を行う大嘗宮(だいじょうきゅう)の可能性がある建物跡などが見つかったとの発表内容が「全面的に誤り」とする異例の訂正発表を行った。入所2年目の若手研究員を中心とする3人が作業にあたったが、誤認したといい、考古学の信頼性に疑問が投げかけられる事態となりそうだ。 奈文研によると、研究員の1人は「『現時点ではこう考える』という試案段階で発表してしまった」と話しているという。 7月の発表では建物跡や四方を囲う塀跡、門跡を確認したとし、「平城宮(奈良市)の大嘗宮跡と類似した構造」と説明。建物や塀を構成する柱穴が42基あるとしたが、藤原宮があった時代の柱