Ruby言語をとりまく最近の動きとして、「mruby」がある。組み込み用途などリソースが限られる環境を想定した、軽量なRuby言語処理系である。そして、まつもとゆきひろはmrubyを自ら実装した。 Ruby言語には、「本家」のCRubyの他にも、Java仮想マシン上に実装したJRubyなど複数の代替実装がある。普通の考え方なら、こうした代替実装に負けないようCRubyの改良に集中するところだ。だが、まつもとゆきひろは、自ら進んで別の実装を手がけた。 「mrubyに取り組んだ一つの理由は、本音で言うと予算と締め切りがあったから」と明かす。mruby誕生のきっかけとなった「軽量Ruby」の開発プロジェクトは、経済産業省の平成22年度「地域イノベーション創出研究開発事業」として2年間プロジェクトとして採択されており、締め切りが設定されていた。「以前から組み込み向けRubyはやりたかったんですが、
