女性の社会進出が叫ばれて久しいが、図書館員は数ある職業の中でも女性比率の高い職業の一つであると言える。その理由には、静かな環境の中で落ち着いて仕事に取り組める、真理の探究に携わる知的な仕事である、安定した職種であるというイメージがあるためと考えられる。 女性の雇用に関しては、1979年に国連総会で女子差別撤廃条約が採択され、わが国でも 1985年の批准を経て、1986年に 「男女雇用機会均等法」が施行された。この間、図書館界でも女性図書館員を取り巻く現状や問題点が幾度となく取り上げられてきた。以下では、こうした状況を踏まえて、女性図書館員の雇用のあり方を考えてみたい。 『図書館雑誌』では、これまで、定期的に女性図書館員に関する特集が組まれ、時宜に応じた問題が明らかにされてきた。初めて女性図書館員に関する記事が特集の中で取り上げられたのは、1966年の「特集・図書館員とは何か」であった。記事