保護する責任には、「予防する責任」を筆頭に、「対応する責任」と「再建する責任」の3つの要素が包含されている。このうち、最も重要なのが「予防する責任」である。あらゆる干渉行動は、その実施に先行して予防的手段が尽くされなければならない。 予防する責任(Responsibility to Prevent) - 紛争の原因に対する取り組み 対応する責任(Responsibility to React) - 状況に対する強制措置(軍事干渉も含む)を含む手段による対応 再建する責任(Responsibility to Rebuild) - 復興、和解などへの十全な支援の提供 保護する責任の概念は、国連安全保障理事会(以下、安保理)決議1674号(2006年)[1]や国連首脳会合成果文書(2005年)に先だって主題化され、幾つかの国連文書(決議・報告等)においてその基本理念を認められてきた経緯を持つ。