亡くなった井出安優香さんの写真を持って大阪高裁に向かう父の努さん(中央)=大阪市北区で2025年1月20日午後1時43分、井手千夏撮影 生まれつき聴覚障害がある女児(当時11歳)が7年前、重機にはねられ死亡した事故を巡り、将来得られたはずの収入「逸失利益」の算定が争われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は20日、健常者と同額の支払いを認めた。健常者の85%とした1審判決を変更し、徳岡由美子裁判長は「女児は障害の有無にかかわらず、健常者と同じ職場、条件で働くことが可能だった」と判断した。 弁護団によると、障害がある子供の逸失利益について、健常者と同じ水準とする司法判断は初めてという。両親が減額すべきではないとして控訴していた。 女児は井出安優香(あゆか)さん。2018年2月、大阪府立生野聴覚支援学校からの下校中、事故に巻き込まれた。両親らは重機の運転手側に約6100万円を請求。23年の1審・大阪