坂本九が最初で最後の人だった。1963年、東京が夏季オリンピックを開催する前年のこと。真珠のように輝く歯をしたクルーナーが、陽気な歌『上を向いて歩こう』(欧米では『スキヤキ』という曲名で知られている)を引っさげて、全米ランキング100のトップに躍り出た。今日にいたるまで、アメリカで1位を記録した唯一の日本人アーティストだ。故に、今年の初めに日本人の女子高生トリオがビルボード200のアルバムチャートで187位になったときも、それほど大した偉業とは見受けられなかっただろう。だが、いやいやどうして、BABYMETALの近頃の成功ぶりは尋常ではない。考えてみてほしい。過去30年間、ビルボード200にチャート入りを果たした日本のアーティストはたった5組。そしてそのうちのひとりは、あのおぞましいニューエイジ野郎の喜多郎だ。とはいえ、ほかの日本人ミュージシャンがまったく無名というわけではない。スパイナル
CDの売上減少が続き、ヒットチャートはAKBと嵐ばかり。そして、J-Popは-K-Popに負けていく──。日本のポピュラー音楽が危機的状況にあると、いろんな所で指摘されています。そこで、昨年12月に『ポピュラー音楽の社会経済学』(ナカニシヤ出版)を上梓した高増明教授(関西大学)に、日本のポピュラー音楽の問題点について聞いてみました。 高増明氏(関西大学教授) ──高増教授は経済学者で、以前にTPPや日中関係についてご意見を伺ったこともあるのですが、なぜ、ポピュラー音楽の本を書こうと思ったのですか? もともとロックやジャズが好きで、10数年前にインディーズのレコード会社を学生と設立しました。そこで音楽の制作・販売を経験したこともあって、8年前に経済学部から社会学部に移ったのをきっかけに、ポピュラー音楽についての講義を始めました。そこで気付いたのは「教科書がない」ということでした。そのときから
著書『すべてのJ-POPはパクリである』も好評のマキタスポーツさんが、ヴィジュアル系バンド『Fly or Die』でデビュー。「ヴィジュアル系はビジネスモデルである」と公言するマキタさんに、V系の魅力や特異性、金爆ブレイクの理由まで縦横無尽に語っていただきました。 ――ゴールデンボンバーはヴィジュアル系シーンを飛び越えてお茶の間にまで浸透したのは何故だと思います? マキタ:彼らはヴィジュアル系というシーンに埋もれたくない、従属したくないところがあったんじゃないのかな。そもそもヴィジュアル系のシーンの真ん中みたいなものがあるとしたら、彼らは明らかにそこにはいないでしょ。ゴリゴリのヴィジュアル系っていうわけじゃない。キリショーはNSC(※吉本興業のお笑いタレント養成所)に通ってたわけだし。 キリショーのラジオに出演した時に「なんでヴィジュアル系だったの?」と聞いた時、「だってヴィジュアル系って
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