前半部「【戦争の暗号から生活の暗号へ】漏れた日本外電と20世紀のスノーデン」より。日露戦争前やワシントン軍縮会議で他国に解読されていた日本の暗号電文。ポーランドの技術協力によって、日本の暗号理論は発展を遂げましたが、それはどのような影響を後の世に残したのでしょうか。 米英情報協力と巨大情報共同体の誕生 日本の暗号が世界史に大きな影響を及ぼし、その影響が現在もなお続いている例がある。 太平洋戦争勃発前の1940年。日本の外務省は在外公館との電文に九七式欧文印字機を使用し始めていた。この暗号装置は、米陸軍のコードネーム「パープル」の方がよく知られている。 米国立暗号博物館に展示されている九七式欧文印字機(パープル)(パブリックドメイン画像) この新しいパープル暗号の導入により、イギリスは日本の外交電文を解読できなくなった。当時、ドイツと戦争下にあったイギリスは、エニグマ暗号の解読には成功してい
