あちこち閉まっている中でようやく見かけた開いてる書店。子供に何か買っていこうと絵本を何冊か手にとった。その1冊、『はらぺこあおむし』。しかし作者の名前にまるで見覚えがない。エリック・カール。そんな人が書いてたのだっけ? 成長してから読んだほかの本なんかよりも愛着のある本なのに。繰り返し繰り返し飽きもせず読んだ本。作品名は覚えているのに、表紙に添えられていた作者の名前を私は知らなかった。 絵本だから? 児童文学だから? でも覚えてる作者もいる。どこでその違いは生まれたのだろう? たとえば松谷みよ子。たとえば五味太郎。『ぐりとぐら』のなかがわりえこも、『だるまちゃん』のかこさとしも、『うさこちゃん』のブルーナも覚えてる。あと知恵じゃなく、その頃からその名前だと認識していた。 でも『はらぺこあおむし』の作者を私は知らなかった。『バーバパパ』の人も『ウォーリーをさがせ』の人も知らない。『モチモチの