ディラックのデルタ関数 一瞬にはたらく衝撃力やインパルス応答と呼ばれる瞬間的な反応を表すために、 特殊な関数が考案された。それが、イギリスの物理学者ディラック (Paul Adrien Maurice Dirac) の考案したデルタ関数である。 デルタ関数 δ(x) の特徴は、簡単に言うと次のようになる。 • ある 1 点(例えば x = 0)で無限大の値をとり、それ以外の点では 0 である。 • [−∞, ∞] の範囲で積分すると 1 になる。 つまりデルタ関数は、図 1 のように書くことができる。 図 1: デルタ関数 −∞ から ∞ まで積分すると 1 になるというの実に巧妙である。つまり、ほとん どいたるところ 0 なのだが、一箇所だけ非常に値が大きい場所があり、その面積 が 1 になるようにしてあるのである。 もちろん、デルタ関数は通常の意味での関数ではない。このような関数は超関