史上最年少で棋士となり、最多連勝記録や10代初の5冠達成など数々の新記録を打ち立ててきた将棋の藤井聡太王将(20)が、ついに名人獲得の最年少記録更新を懸けた大舞台に臨む。現在、最年少名人記録(21歳2カ月)を持つ谷川浩司十七世名人(60)は「藤井王将がA級入りした時は複雑な気持ちでしたが、これだけの成長ぶりを見れば『記録を破られても光栄なこと』と気持ちが変わってきました」と明かした。 藤井王将は進行中の王将戦と棋王戦以外に、これまで11のタイトル戦を戦い、全てを制してきた。「持ち時間が長いタイトル戦で、序盤でも1時間以上じっくり腰を据えて考えることで力を付け、成長している。対戦相手が負けまいと懸命に研究をぶつけるほど、藤井王将は対局後にその戦法を研究して、より強くなった」と分析する。