来年閉館予定で、建物の保存を求める声が出ていた神奈川県立近代美術館鎌倉館(鎌倉市雪ノ下)について、県は10日、本館棟を保存する意向を明らかにした。本館棟を保存した上で、県と敷地を共有する鶴岡八幡宮に引き継ぐ方向で調整しているという。 同館は、モダニズム建築の巨匠、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三氏が設計し、1951年に開館。戦後日本のモダニズム建築の傑作とされる。県は八幡宮との借地契約が切れる来年3月末までに閉館し、更地にして土地を返還することになっていた。県民から保存を求める声が多数寄せられたことなどを受け、保存を決めたという。 県によると、八幡宮側は文化的な施設としての活用を検討。ただ、耐震工事は必要で、県と八幡宮側で経費負担などを協議していく。 新館棟と学芸員棟は、老朽化が進んでいることなどから、取り壊す予定だ。