元日本テレビアナウンサーで同志社大学助教の桝太一さん。肩書きは変わるかもしれないがアナウンサーとしての能力がなくなるわけではないと、日本テレビから退職を決めたときのことを語る。撮影:伊藤圭「『アナウンサーを辞めることにためらいはなかったか』と言われると、NOです。ためらいはありませんでした。ただ、『大企業を辞めることにためらいはなかったか?』と言われると、それは確かに考えました」 2022年春に日本テレビを退職したアナウンサーの桝太一さん(43)は、自身の転身について笑いながらそう話す。 桝さんは今、同志社大学・ハリス理化学研究所の助教として、科学の面白さや科学技術をめぐる課題にまつわる専門家と非専門家間の双方向的なコミュニケーション、いわゆる「科学コミュニケーション」の研究に携わっている。 社会における科学技術の重要性は増している一方で、桝さん自身 「テレビ局に入社して衝撃だったのが、科