日本の将来の方向性を考えるにあたっては、これまでの日本が辿ってきた道、さらに具体的にいえば満州国、あるいは日本の植民地であった朝鮮や台湾での経験や営み、日本人の叡智を振り返ることが重要な仕事になります。我々はともすると、現在の日本は日本国内でのみ発展してきたかのように錯覚してしまいます。しかし過去の歴史を遡り、将来への正しい解を見いだすには、日本のみならずアジア地域にまで視野を広げることが不可欠です。 経済システムについても同様です。東アジアの連鎖の枠で問題を捉えなければ、正しい解は得られません。そこで近年高い注目を集めるようになっているのが、先にも述べた1932~1945年の満州国です。なぜ満州国なのか。1950~1980年代の日本の経済成長を牽引し、推進したシステムを「日本株式会社」と呼ぶとすれば、その原型は満州国にあったからです。そしてその原型にいたるアイデアを生み出したのが、世界で