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研究者向けソリューションを提供するエディテージ(カクタス・コミュニケーションズ株式会社)は、10月17日に行われたRA協議会第10回年次大会にて「即時オープンアクセス義務化に対する研究者意識調査」の結果を発表しました。 本調査は、2025年度公募分から、競争的研究費による研究論文の即時オープンアクセス(以下OA)義務化が閣議決定したことを受け、研究者支援サービスブランド、エディテージの利用者を中心に、論文出版経験がある研究者1,012名を対象に実施されました。 広報発表用の要約版はこちらからご覧いただけます 調査の結果、即時OA義務化の方針を研究者の71%が知らないことが明らかになりました。研究者はOA化に関心が強く、研究を社会に還元する理念には賛同する声が多い一方で、方針を支持する人は35%、積極的にOA化を推進したいと考えている人も51%に留まりました。研究予算が限られる中、高騰する論
英語の壁を超える責任は、あなた一人で負わなくていい【前編】〜クイーンズランド大学 生物多様性・保全科学センター副所長、天野達也氏インタビュー 2023 8/23 7月18日にPLOS Biologyに発表された「非英語ネイティブの科学者が直面する英語の壁」を可視化した研究が話題です。The manifold costs of being a non-native English speaker in scienceと題されたこの論文では、8カ国、908名の環境科学に携わる非英語ネイティブとネイティブ研究者へのアンケート調査から、英語が科学の共通語となっている環境で、英語を母語としない研究者のキャリア形成において、論文の読み書きや出版にかかる時間とコスト、国際学会での研究発表での心理的障害などの様々な不利益が生じている現状を可視化しています。その結果を元に、個人、研究機関、ジャーナル、資金提
研究は一筋縄ではいかないものです。研究者は、マルチタスクを抱え、締め切りに追われながら、管理業務もこなしています。こうした状況と向き合いながら成功を収めるには、どうすればよいのでしょうか?この記事では、研究生活をスムーズに進め、成果を上げられる研究者になるための習慣を紹介します。 目標を設定する 現実的で明確な目標を設定することは、成功を収めるために大いに役立ちます。目標を設定することで、日々の取り組みと長期的な行動に方向性が生まれます。目指すべき目標があれば、モチベーションの維持にもつながるでしょう。 以下は、目標の設定と達成のための指針です: 目標設定はSMARTに。設定する目標は、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Attainable)、妥当(Relevant)、期限付き(Time-bound)でなければなりません。設定した目標が適切かどうかを確
この9年間、私は二足の草鞋生活を送っています。 私はフィリピン人研究者であると同時に、講師、非常勤教授、教師、タイのウォンチャワリッタクン大学でEFL(English as a Foreign Language)を教える「Ajarn」(教授、教師を意味するタイ語)でもあります。また、St. Robert’s Global and Transnational Education(バンコク)ではライティングの指導を行なっています。大学の講師として、私たちは、高名な学術誌(スコーパスにインデックスされているジャーナルか、TCI(Thai Citation Index)のジャーナルが望ましい)で少なくとも1本の研究論文を発表し、国内外の公認国際会議で研究発表することを義務付けられています。 私は2011年に、より良い環境を求めたフィリピン人約1000万人によるディアスポラ(海外移住)に参加しました
Written by Brooke Morriswood; and illustrated by Oliver Hoeller この記事では、よくいる査読者を9つのタイプにまとめたインフォグラフィックを紹介します。どうぞ、気楽にお読みください! 1. しゃくし定規型 「各緩衝剤、トリス塩酸、PIPES-NaOHなどの対イオンを含めるのを忘れないようにしましょう」 (+) どんな些細なミスも見逃さない、間違い探しのプロ。 (-) 木を見て森を見ず。重大な科学的誤りを見落とすことがある。 このタイプは間違いなく有能ですが、あらゆるミスを指摘した1000ワード超の査読報告書を提出してくるため、著者のみならず編集者にとっても手強い存在です。ただ、ときに、論文の査読ではなく、校正に終わってしまうことがあります。また、些細なミスに執着するあまり、対照群の抜けや解釈の誤りなど、より大きな問題を見落として
エルゼビアは現在、引用文献を意図的に操作した可能性のある査読者について調査を進めています。同社の各種ジャーナルで査読を行なっている約5万5000人の研究者のうち、500人近くが、査読を担当した論文に自分の論文を常習的に引用させていたことが判明したためです。この事実は、エルゼビアの分析官ジェローン・バース( Jeroen Baas)氏とカトリオーナ・フェネル(Catriona Fennel)氏が、社会科学・人文科学のリポジトリ、SSRN(Social Science Research Network)で2019年9月上旬に発表した、引用傾向に関する論文によって明らかになりました。 この研究によると、査読者の約99%については、担当論文で自分の論文が引用されていた割合は10%以下でした。他方、約1%(500人)の査読者については、自分の論文が引用されているケースがきわめて多いことが明らかになり
事例:ある著者が、ジャーナルに論文を投稿する前に、剽窃チェックサービスを利用することにしました。論文が自分で書いたものであることに間違いはなく、剽窃チェックを受ける必要性も低かったのですが、念には念を入れて受けることにしたのです。彼女は、あるオンラインの剽窃チェックサービスを見つけましたが、費用が高額でした。しかし、オンラインのマーケットプレイスを通した同様のサービスを使えば、費用を半分に抑えることができました、さらに、論文をカスタマーサービス業者に送れば、さらに費用を削減できることが分かりました。なるべく費用を抑えたかった著者は、論文をその業者に送ることにしました。 剽窃チェックの結果は、類似度 38%という予想外に高いものでした。著者は、論文を自分自身の手で書き、ほかのいかなるソースからのコピーにもならないよう注意を払っていたため、この結果は誤りだと確信しました。レポートを細かく見てい
「プランS(Plan S)」をご存知ですか?プランSはここ最近、学術界のホットな話題となっています。そのため、すでにご存じの方も多いかと思いますが、知らないという方には、この記事がうってつけです。この記事では、プランSの基本情報とともに、世界の研究と研究者にとってのプランSの意味合いについて説明します。 出版論文へのアクセシビリティの問題 科学技術の発展にとって、最新の研究へのアクセシビリティはきわめて重要です。しかし、有料ジャーナルの購読料の支払いに苦労する機関が、ここ数年、世界で増加の一途をたどっています。たとえば、この1年では、ドイツ、台湾、スウェーデンの研究者たちが、エルゼビアなどの大手出版社による購読型ジャーナルへのアクセス権を失いました。ドイツやスウェーデンなどの研究機関、大学、図書館は、購読型ジャーナルへのアクセシビリティの改善を目指し、機関と出版社間の契約の見直し交渉を行う
米国立医学図書館(NLM)の国立生物工学情報センター(NCBI)が運営する、生物医学系論文のアブストラクトや参考文献のリポジトリであるPubMedは、研究者にとって信頼できる文献ソースです。しかし、デジタルリポジトリ内のハゲタカジャーナルの論文の存在に、研究コミュニティで懸念が芽生え始めています。 著者から論文掲載料を受け取る代わりに論文出版を保証するハゲタカジャーナルは、出版プロセスに不可欠な査読プロセスを無視し、質の低い論文を世に送り出しています。科学コミュニティが懸念を深めているのは、PubMed内で疑わしいジャーナルの論文が何度も発見されているからです。 ナイジェリアの大学で研究者として活動しているスサンタ・パハリ(Susanta Pahari)氏は、PubMedで、ハゲタカの疑いのある4誌のジャーナルの論文を見つけました。DOAJ(オープンアクセス学術誌要覧)と、ハゲタカの疑いが
質的(定性的)研究は、非数値データを収集するための、調査における科学的な観察手法です。数値や量を測定する量的(定量的)研究とは異なり、質的研究では、物事や関連する特性および意味合い、そして基本的観察事項や解釈の説明が必要です。質的研究の一般的な手法には、インタビュー、被験者観察、グループディスカッションなどがあります。これらのアプローチは、政治学、教育、社会福祉の分野で幅広く採用されており、市場調査、ビジネス、ジャーナリズムの分野で利用されることもあります。 科学的・学術的研究は客観的に行わなければなりませんが、質的研究に伴う主観性は、データを完全に切り離して考えることを困難にする場合があります。つまり、質的研究では、客観性の維持やバイアスの排除が難しいということです。バイアスとは、「個人や集団による、または個人や集団に対する、不公平と考えられる性向および先入観」を指します。バイアスは、研
世界最大の研究組織の1つであるマックス・プランク学術振興協会(ドイツ)は、オープンアクセス支持の表明として、エルゼビアとの購読契約を更新しないことを発表しました。契約は2018年12月31日で満了を迎え、その後、協会員はエルゼビア誌へのアクセスを失うことになります。 ドイツは、高額な購読料やオープンアクセス化を巡るエルゼビアとの交渉を、最前線に立って進めてきました。マックス・プランク学術振興協会は、Alliance of Science Organizationsが中心になって大手出版社との新たなライセンス契約の締結を目指して活動するコンソーシアム、「Project DEAL」の一員です。エルゼビアの編集者や編集委員を務めていた同協会の一部の研究者は、エルゼビアとのコンソーシアムの交渉が膠着状態だった2017年に、その職を辞しています。 マックス・プランク学術振興協会のマーティン・ストラッ
トップジャーナル英文校正サービス (投稿前査読付き)シニア英文校正者による英文校正と、ジャーナル査読者による投稿前査読で、投稿前に論文の完成度を引き上げるサポートを行います。 ジャーナル査読コメント対策支援も付き、査読コメントに対して適切な修正ができているかの確認および返答文の英文校正を行います。より上位のジャーナルを目指す方、自信を持ってジャーナル投稿に臨みたい方におすすめです。 無料見積もりはこちら トップジャーナル英文校正の特長最高峰の英文校正サービスと、現役査読者による投稿前査読サービス、投稿後の再投稿やリジェクトへの 無制限のサポートが、追加料金なしで全て含まれるオールインワン投稿支援英文校正サービスです。
統計学は、2つ以上の変数の関係性を見極め、研究上の問いを評価するためのツールです。また、生物統計学は、統計学、確率、数学、コンピューティングを組み合わせたもので、生物医学の問題解決に使われます。生物統計学を用いることで、新薬に効果があるかどうかや、疾病の原因因子、患者の平均余命、全体の死亡率・罹患率などを分析することができます。 生物医学の研究において、統計学はもっとも重要なツールの1つであるにも関わらず、意識的か無意識かによらず、誤用や乱用が蔓延しています。実際、統計学の誤用が論文のリジェクトの主な要因になるケースが急速に増えています。 この記事では、生物医学分野で統計学が誤用される理由と、蔓延するこの問題の解決手段について考えます。まずは、統計エラーの背後にあるものを見ていきましょう。 1. 統計データを示すための明確さ不足:論文では、統計的手法とその手法による分析データを示します。し
中国は、国内のすべての研究者に対し、国のリポジトリでのデータ共有を義務付ける方策を新たに導入すると発表しました。これに伴い、研究データ管理のシステム化と標準化を目指す中国国務院総務局は、「研究データの管理方法」と題した通知を公表しました。 この通知には、対象範囲の概要とその実行に責任を持つべき当事者が規定されています。詳細は通知に記載されている通りですが、主として以下の点を目的としています: 研究データの安全性の確保 オープンシェアリング水準の引き上げ国内科学技術のイノベーション支援経済的・社会的発展の促進国家安全保障の保護 データセンターの設置や、リポジトリに登録されたデータの管理は、中国科学技術部が先導することになります。通知によると、データセンターが「研究データのパブリックシェアリングにおける重要なツール」としての役割を果たし、「国内外における研究データの交換に関する協力関係の強化」
研究や学術出版界の状況は、世界中で変化を見せています。競争が激化する学術界において、科学者はより短期間で論文を出版しなければならないというプレッシャーに晒されています。その一方で、ジャーナルの出版プロセスは遅いため、研究者たちはライバルに先を越されまいと必死です。研究者が果たすべき役割は今や、研究の実施と論文の執筆・発表だけに留まりません。現代の研究者には、グローバル規模での共同研究、査読者やジャーナル編集者としての研究コミュニティへの貢献、学会参加による同業者とのネットワーク構築、科学コミュニティおよび一般コミュニティへの研究の発信、最新技術やイノベーションに関する情報のアップデートなどが求められています。加えて、ハゲタカ出版社をはじめとする、学術出版界にはびこる数々の罠にかからないよう細心の注意を払う必要もあります。現代の研究者には、実に多くのタスクが課されているといえるでしょう。 多
研究に関するコミュニケーションでのソーシャルメディアの重要性については、博士課程に進学する前から認識していました。しかし、博士課程の学生や若手研究者のほとんどがそうであるように、私もまた、研究と論文の執筆にほとんどの時間が取られてしまっています。 時間がない中で、ソーシャルメディアを使って効果的に研究を宣伝するにはどうすればよいのでしょうか。答えはシンプルです。学会発表に関するツイートをすればいいのです。Twitterは、あらゆるソーシャルメディア・プラットフォームの中で、研究をオンラインで宣伝するためのもっとも効果的なプラットフォームです。Twitterを使えば、学術コミュニティだけでなく、その他関係者や専門家、一般の人にも情報を届けることができます。 学会発表に関する実況ツイートを行うことで、効果的な研究コミュニケーションが可能になり、ネットワークの構築や共同研究の機会をつかむきっかけ
レックス・ブーテ教授は、アムステルダム自由大学で方法論と公正性の教育と研究に取り組んでいます。本インタビューの前半では、オランダ研究公正ネットワーク(Netherlands Research Integrity Network、NRIN)について、そして倫理ガイドラインに関する教育を強化する必要性について伺いました。 後半では、研究公正というテーマをより深く掘り下げ、ブーテ教授の個人的見解も含めて、再現不可能性の危機の根本にある問題についてお話を伺いました。「ずさんな科学(sloppy science)」という怪物と闘うために、学術出版の関係各者(科学者、ジャーナル、出版社、図書館、学術機関)が何をすべきか、というトピックは、本インタビューのハイライトとなりました。 ブーテ教授の詳しいプロフィールは、インタビュー前半の記事とこちらのページでご覧頂けます。 好ましくない研究行為(questi
研究プロジェクトに着手してから、別の研究者が似たようなアイデアをすでに実践していることに気付くことは珍しくありません。調査の方法、疾病の経過、化合物の構造、何らかのプロセス等が、改良の余地がない状態ですでに明解に説明されていた場合、研究者はその説明をそのまま利用したい気持ちに駆られるかもしれません。 論文を書く際は、すべてのソースを明確かつ完全に把握することがきわめて重要です。別の人がすでに発表しているアイデア、発言、成果物をクレジットなしで利用することは、きわめて非倫理的な行いで、剽窃行為とみなされます。 剽窃の種類 1. 故意の剽窃行為とみなされるケース 先行研究のクレジットを表示せずに、アイデアを自分のものとして発表する。研究で利用した技術について、技術の開発者のクレジットを表示しない。ほかの研究者の意見やアイデアを自分のものとして発表する。 時間管理を怠ったり時間的余裕をなくしたり
論文出版点数や新たな発見の数、研究者の人数は増加傾向にあり、科学研究の世界は盛況を博しています。しかし、科学のすそ野が広がりを見せる一方で、研究者が、出版倫理の超えてはならない一線を越えてしまうことがあります。とくに、査読プロセスに関する不正行為はかなりの頻度で見られます。査読の不正操作が明らかになったTumor Biology誌の掲載論文107本の撤回劇は大きく報道され、この事件をきっかけに、査読の透明性に注目が集まるようになりました。 査読は、科学コミュニケーションにおける究極の判断基準ですが、研究者、ときには編集者までもが、このシステムの弱点を悪用するケースがあります。専門家の承認を受けた出版物は信頼性が高いものと見なされるため、研究者たちは、自分の業績のために査読済み論文の出版に励みます。論文を出版するためには、査読で良い評価を受ける必要があります。したがって、出版に必死になるあま
5人の命を救うために、迫りくる電車の前に1人の人間を突き飛ばすことができますか?研究では、コミュニケーションが母国語ではなく外国語で行われているとき、人は感情的に抵抗感のある行動を取りやすいという結果が示されています。 これまでの研究で、人は外国語でコミュニケーションを取っているときの方が他者の命を犠牲にしやすいという結論が出ていましたが、シカゴ大学が行なった新たな研究で、この理由についての調査が行われました。Psychological Science誌で発表された論文では、外国語でのコミュニケーションによって、意思決定から感情がどのように取り除かれるかが検討されています。 研究では、冒頭のジレンマを使った数種類の実験を使って、言語が人の思考のプロセスに与える影響を調査しました。すると、外国語でコミュニケーションをとることによって被験者の感情的嫌悪感が軽減され、誰かを殺すという絶対的タブー
知識を絶え間なく発展させ、普及させている研究のハブと聞いて、ほとんどの人が思い浮かべるのが、大学でしょう。大学という学術機関は、高等教育をほどこし、研究を支えるインフラを持ち、学術界で特別な位置を占めています。各分野のブレイクスルーを先導する立場にあることから、大学は、学術界で強い影響力を持つとされています。研究に力を入れる大学は、産業界で大きな存在感を示しており、研究者・学部・一般市民の包括的な学びと、その関わり合いを深めるよう促しています。したがって、高等教育機関である大学が、昔から研究志向の取り組みを進んで受け入れてきたのは、当然のことと言えるでしょう。しかしながら、毎年250 万本以上の研究論文が新たに出版される中では、研究結果を際立たせる方法を見つけることの重要性がますます高まっています。大学はこの重要性を認識しており、研究者たちに、自分の業績をさまざまなオーディエンスに積極的に
英語は汎用性の高い言語ですが、時制の使い分けに苦労する人も多いのではないでしょうか。とくに科学論文を執筆するときは、どの時制で書くべきかに頭を悩ませることでしょう。科学論文で使うべき時制は、IMRaD形式の各セクションによって異なり、それぞれのセクションにふさわしい時制があります。主題となっている研究プロセスの側面に応じて、使用すべき時制は、より細かく複雑になっていきます。以下の図は、研究論文を書くときに選択すべき正しい時制を、セクションごとにまとめたものです。この図を参考にして、論文出版というゴールに一歩近付いて頂ければ幸いです! ※こちらの図は PDF版のダウンロードが可能です。プリントするなどして参考資料としてお気軽にご利用ください。 【科学論文における時制の使い分け】 1. イントロダクション 以下の内容は単純現在形で書く: ・研究の背景と目的 ・テーマに関する先行研究 ・普遍的な
外界と関わることなく研究室にこもっている人、というのが、研究者に対する一般的なイメージでしょう。しかしここ数年で、研究者、政治家、一般社会の関係に大きな変化が見られるようになりました。世界中の研究者たちは、科学の置かれた状況に関する不快感を社会に表明するようになり、新聞の見出しを飾るようなケースも珍しくなくなっています。 このような変化の引き金となったのは、権力者が必ずしも科学に関して最良の判断を下せるわけではないという認識が広まったことでしょう。科学研究の重要性に関する意識が高まり、政策決定プロセスへの参加の流れが強まってきたことで、科学コミュニティが一般コミュニティに関わりはじめたのです。ドナルド・トランプ氏が米大統領に選出されたこと は、間違いなくこの変化の大きな要因であり、研究者たちに自ら立ち上がることを促しました。科学補佐官の任命に対するトランプ大統領の消極的な姿勢は、公的医療、
研究テーマが決まってリサーチクエスチョンを練り上げたら、次にやるべきことは文献レビューです。文献レビューとは、テーマに関するあらゆる著作物を評価しながらまとめることです。包括的な文献レビューは、研究と論文出版において欠かせないステップです。文献レビューをしっかり行うことで、多くのメリットが得られます。科学者へのキャリア情報提供サイト「Science Careers」が「文献(先行研究)の把握はなぜ重要か」 と科学者たちに問いかけたところ、数々の興味深い回答が得られました。とくに印象的だったのは、「文献情報をいつでも最新の状態にアップデートしておくことは、研究者としてのキャリアを通じて常に重要なスキルと言えます。現状の知識の隙間を把握しておかなければ、時代遅れの研究や的外れな研究を行なってしまうことになります」というデニス・バウアー(Denis Bauer)博士の回答でした。文献レビューを徹
arXiv(アーカイブ)は、物理学、数学、コンピューターサイエンス、量的生物学、計量ファイナンス、統計学、電子工学、システム科学、経済学などの分野の研究論文の電子ファイルを受け付けているリポジトリです。arXivは学術誌ではないので、ここで公開された論文は出版論文とはみなされません。リポジトリに登録した論文は、プレプリント版として扱われるのが一般的で、同じ論文が学術誌で出版されれば、arXivのプレプリント版にDOIを追加することができます。また、arXivにアップロードされたファイルの著作権の状態は、それぞれ異なっている場合があります。 arXivに論文を投稿するには、アカウントを作成してファイルをアップロードします。アップロードが完了すると、論文の科学的信憑性を確かめる簡単な審査があります。問題がなければ、1~2日でオンライン上に無料公開されます(査読はありません)。 通常、プレプリン
中国の研究機関は、インパクトファクターが高い有名な査読付きジャーナルで論文を出版した研究者への賞与システムがあることで知られていますが、その他の国にも同様のインセンティブ制度があることが明らかになりました。一流ジャーナルに論文が掲載された研究者にボーナスを授与することが流行している現状について、Science誌が報告しています。 論文を出版した研究者への賞与システムがある国のうち、金額面でトップに位置するのは中国で、最高額は16万5,000ドルに上ります。同国の大学は、Nature誌などの一流ジャーナルに掲載された論文の筆頭著者に4万3,000ドルを授与しています。中国に続くのはサウジアラビアとカタールの中東2ヶ国で、両国の研究機関は、一論文当たり最高1万3,700ドルの賞金を著者らに授与しており(筆頭著者のシェアが最大)、インパクトファクターが1未満のジャーナルに論文が掲載された場合でも
現代の若者世代の世界には、バズワードやキャッチフレーズ、略語、絵文字が溢れています。テクノロジーに精通している1980年以降に生まれた世代が「デジタルネイティブ」と命名されたときは、誰もが納得したものです。1980年以降生まれの世代がデジタルネイティブなら、1980年よりも前に生まれた世代は「デジタル移民」と呼ばれています。しかし、最近発表された研究は、デジタルネイティブという観念は幻想で、世代によって情報の取り入れ方が異なることを示す証拠は何もないと主張しています。 デジタルネイティブ世代は、新しいサービスや製品を早い段階で導入する「アーリー・アダプター」であり、情報強者とみなされています。社会学者は、彼らの学習方法は上の世代と異なるので、各種マルチメディアを含む教育戦略の改編が必要であると考えてきました。しかしながら、Teaching and Teacher Education誌に発表
東京大学は、同大学所属の著名な研究者である渡邊嘉典教授の研究不正疑惑について、1年近く調査を続けてきました。同大学の調査委員会は、細胞生物学者の渡邊教授と丹野悠司元助教が5つの論文で研究不正を行なっていたことを認定しました。両氏への処分は検討中とのことですが、渡邊氏は細胞学の権威として知られており、同分野の研究者の間には動揺が広がっています。 2016年 9月、6つの著名研究グループが発表した22本の論文にデータの改ざんや画像の加工などの研究不正の疑いがあるとの匿名の告発がありました。この告発を受け、東京大学は1年近くに渡る調査に乗り出しました。その結果、5つの研究グループが潔白と結論付けられ、渡邊氏のみが罪を問われました。同氏は、調査委員会による調査結果(2017年5月に公表)を受けて発表した公開状の中で、「これらの過失の最終責任は私にあり、深くお詫び申し上げる」と述べ、論文に問題があっ
スティーブン・スピルバーグの映画「ジュラシック・パーク」で、手負いのジェフ・ゴールドブラムが俊敏なティラノサウルスに追いかけられるシーンは、映画史上もっとも印象的な場面の1つでしょう。このシーンのおかげで、ティラノサウルスの暴君としてのイメージが、恐怖感とともに私たちの脳裏に焼き付けられました。しかし最新の研究によると、ティラノサウルスは、車どころか人間よりも足が遅かった可能性が高いことが明らかになりました。 ティラノサウルスは、古生物学者だけでなく一般の人々からも人気の高い恐竜で、歩行特性が分析されたのは今回が初めてではありません。しかし、マンチェスター大学がPeerJ誌で発表した最新の論文では、その体長と体重を考慮すると、ティラノサウルスが走ることはまず不可能であり、万が一走れたとしても、骨が自重に耐えきれずに折れてしまうはずだと述べられています。 この研究では、最新の高性能コンピュー
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