ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈したハミッド・ダバシ(試訳=早尾貴紀) 2024年1月18日 もしイラン、シリア、レバノン、トルコが、ロシアと中国に全面的に支援され、武装し、外交的に保護されながら、テルアビブを現在のガザと同じように、3カ月間昼夜を問わず爆撃し、何万人ものイスラエル人を殺害し、数え切れないほどの負傷者を出し、何百万人もの家を失い、この都市を人が住めない瓦礫の山と化す、そのような意志とその実現手段があったとしたら、と想像してみてほしい。それから、イランとその同盟国が、テルアビブの人口の多い地域、病院、シナゴーグ、学校、大学、図書館、あるいは実際に住民のいるどんな場所であれ、そこを意図的に標的にし、民間人の犠牲者を確実に最大化するということがあり、そしてイランと同盟国が、「イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と彼の戦時内閣を探していただけだ」と世界に言ったとした
イスラエル・ガザ国境での抗議活動で、有刺鉄線を外そうとするパレスチナ人の障害者男性(2018年10月19日撮影)。(ロイター) 15年前の今月に始まったイスラエルのガザ地区封鎖が今なお続いているばかりか一層厳しくなっているとは、誰が想像し得ただろうか?それこそが今や約230万人の人口を擁するこの小さな帯状の地域に起こっていることなのだ。 ガザ地区に住む約80万人のパレスチナの子どもたちは、封鎖のこと以外は何も知らない。彼らはこの人工的に作られた地獄の外に出たことがない。彼らは電車を見たことがない。飛行機はイスラエルの軍用機しか目にしたことがない。電気は限られている。水は動物にさえ適さない。彼らは生まれながらにして死刑囚のような扱いを受けている。 では、世界最大の野外刑務所と言われるガザ地区での生活は、この15年間でどう変わったのだろうか。規模は大きくなっていないが収容者数は増えている。実際
厳しい著作権法が日本のITをダメにした 前回の記事(20年前なら日本のIT技術は世界一だった…天才プログラマーの7年半を奪った「著作権法」という闇)において、2004年にファイル共有交換ソフト「Winny」を開発した東京大学大学院特任教授(当時)の金子勇氏が著作権法違反幇助罪で逮捕、起訴されたことで、日本が世界のIT革命に乗り遅れた件を取り上げた。 その一方で、動画配信システム「YouTube」が生まれたアメリカでは、1998年に制定されたデジタル・ミレニアム著作権法で、検索エンジンや動画サービスなどのサービス・プロバイダーは、法律に定める要件を満たしていれば著作権侵害の責任を負う必要がなく、そのおかげでYouTubeが世界を席巻するようになったこともお伝えした。
Photo by Astemir Almov on Unsplash「しあわせに暮らせる場所は,この世に2つだけ.我が家と,パリだ.」――アーネスト・ヘミングウェイ 地上で最高の都市はどこだろう? 「ニューヨーク市」って答える人がいても,笑い飛ばしたりはしない.いまなお名目上は世界最大の経済大国で金融ハブの役回りをしているニューヨーク市は,他のどこの都市でもかなわないほどの経済力を有しているし,地球上の名もなき数百万もの人々にとって,いまでもあそこは夢の都市だ.「上海」って答えが返ってきたら,ぼくとしては懐疑的になってちょっと口を「へ」の字に曲げてしまうかもしれない.とはいえ,富と権力の中心としていずれ中国が先進諸国を圧倒する定めにあると思ってる人にとっては,上海はなるほど論理的な選択だろうね. でも,実のところ,最高の都市といったら東京だ. かくいうぼくは,またまた東京にいくべく支度を調
Five years ago I was sitting around drinking a beer with my college buddy Dayv. I was scrolling through Twitter and watching people get mad at Donald Trump’s latest outrage, and I said “You know…fifteen years ago, the internet was an escape from the real world. Now the real world is an escape from the internet.” “Tweet that!”, Dayv said, so I did. That banal observation became my most popular twee
2010年代のアイドルシーンを複数の記事で多角的に掘り下げていく本連載。この記事では前回に引き続き、2010年代においてBABYMETALを筆頭に日本のアイドルと海外のリスナーの距離が縮まったことを背景に、「日本のアイドルは海外からどのように見られているのか?」というテーマを掘り下げる。前編では海外のアイドルファンおよび関係者に日本のアイドルに魅了された理由を話してもらったが、後編では世界的に活躍するギタリストであり、日本のアイドル楽曲について造詣の深いマーティ・フリードマンにインタビュー。K-POPなどと比べると、まだ世界的にガラパゴス状態とも言える日本のアイドル文化の特殊性について語ってもらった。 取材・文 / 小野田衛 なぜ日本のアイドルはK-POPのように世界的なブームにならないのか?日本のアイドルは音楽的にどのような特徴があるのか──このテーマを語るうえで、もっとも適任なのはマー
Y Combinator 創始者 Paul Graham は、ときどき自分のウェブサイトに長文エッセイを発表します。2016年1月に公開された The Refragmentation に感銘を受け、大好きで時々読み返していました。誰か日本語に訳してくれたら、友達に紹介できるのに。そう思っていたのですが、2年近くたってもこのエッセイだけ翻訳されないようなので、試してみました。 まずは前半を公開します。以下、翻訳です。 年をとっているほうが有利なことがある。世の中の大きな変化を人生の中で実際に経験できたことだ。私が見てきた大きな変化は、分断だ。アメリカ政治では、2つの政党が過去よりずっと乖離している。社会を覆う価値観の面でも、これほど共通項が見えなくなった時代はない。クリエイティブ・クラスは他を見捨てて、数少ない幸せな都市に集まっている。経済格差が広がっているということは、富裕層と貧困層の距離
1965年生まれ。大阪府立大学教授。 専攻は社会思想、都市史。 著書に『通天閣─新・日本資本主義発達史』 『完全版 自由論:現在性の系譜学』、 『暴力の哲学』(ともに河出文庫)など。 デヴィッド・グレーバー氏の著作は 『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』 (岩波書店) 『官僚制のユートピア』 『負債論─貨幣と暴力の5000年』(以上、以文社) の翻訳をおこなう(共訳・監訳を含む)。 訳書としてはほかに、マイク・デイヴィス 『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』 (共訳、明石書店)など。 酒井 ありがとうございます。 ── ただ普段からこういった本を 読み慣れているわけではなかったので、 自分が正しく内容を理解できているかどうか、 やや自信がなかったんですね。 また周りに「興味はあるけど読めてない」 という人も何人かいて。 それでこの本について、詳しい方による 初心者向けの解
通っている教会では毎週何人かは失神するのを筆頭に、カルチャーショックの連続。(Photo by Gen Karaki) 脱サラ留学ののち、あてどないドサ回りに明け暮れる元編集者の中年ミュージシャンがつづる、アメリカ東海岸の身も蓋もない現場レポート。国産シティ・ポップが世界で人気とか喧伝される昨今ですが、さて実際のところは……。 ※この記事は2019年発売の『Rolling Stone JAPAN vol.9』内、「フロム・ジェントラル・パーク」に掲載されたものです。 縁あってこの夏から、とあるペンテコスタル派の教会で演奏の機会をもらっています。ブルックリン奥地の、それはもうガチでローカルな、身も蓋もない信仰の現場に直面しているので、ゴスペルミュージック的にも宗教人類学的にも、マジかよって事態が毎週発生していて、とてもじゃないけど自分のなかで処理が追いつかないような状態。 なのでチャーチの話
本物のジョブ型社会ではキャリアアップは難しい 前回、日本型の「無限定な働き方」とは、「易しい仕事から始めて、慣れたらだんだん難しくする」というものであることを説明しました。その結果、知らない間に習熟を重ね、給与も職位も上がっていくことになります。まさに無限階段が作られているわけです。 一方、欧米のジョブ型労働は、ジョブとジョブの間の敷居が高く、企業主導で無限階段を容易には作れません。キャリアアップの方法は、原則として ①やる気のある人がジョブとジョブの間の敷居をガッツで乗り越える ②一部のエリートが自分たちのために用意されたテニュアコースを超スピードで駆け上る の2つだけ。その他多くの一般人は、生涯に渡って職務内容も給与もあまり変わりません。 その結果、日本と欧米(とりわけ欧州)では、労働観が大きく変わってしまいます。日本では「誰でも階段を上って当たり前」という考え方が、働く人にも使用者に
ゲーム実況者のImane“Pokimane”Anys氏は11月3日、実況用ツール提供会社Streamlabsと協力し、自身の配信における“投げ銭”上限額を5ドル(日本円にして約520円)に設定したと発表した。ファンに感謝を述べつつ「気前の良い人は成長中のチャンネルや募金、自分自身に使ってあげてください」と語っている。この行動が反響を呼んでいるようだ。 worked with @streamlabs to create a donation cap of $5 for my channel! Thank you for supporting me to the point where I consider anything more than that unnecessary. To anyone that was more generous- please support growing
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