【カイロ=加藤賢治】新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の影響で、サウジアラビアのイスラム教の聖地メッカへの巡礼(ハッジ)を自粛、制限する動きが広がっている。 イスラム諸国の中には、巡礼中の感染拡大を警戒し、巡礼規制に踏み出す国も出るなど、異例の対応を迫られている。 「今年の巡礼希望者は大幅減だ。給料がもらえるか、心配だよ」 カイロの大手旅行社「エジトラブ」のハッジ担当者は困り果てていた。同社は昨年、約250人のハッジ参加者を取り扱ったが、今年の参加確定者はわずか5人。予約は100人いるものの、キャンセルが相次いでいるというのだ。 豚を不浄と見なすイスラム教徒には感染への嫌悪感が強く、ハッジを見合わせる人が続出している。「エジプト観光連盟」によると、旅行社の収入の約6割はハッジ関連のため、巡礼者の大幅な減少は大きな打撃だ。 昨年はハッジに約240万人が参加、今年は11月下旬に行われる。サ