ラノベ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を全巻、読み返した。アニメは5周くらいしているので、さすがに、読みながら、アニメがよく想起される。ということは、違う点や、脚本上の演出の違いなど。細かくチェックもした。 一日一冊ペースくらいで読んだ。読み応えがある。というか、読書のそれ自体の快感がある。 個人的にはあたためて、すごい作品だなと思う。文学的に優れているかというと、優れているだろうとは思うが、アカデミックな批評対象にはなりにくいかも知れない。ラノベ的要素が勝りすぎている。ということは、そこを削ってスタイリッシュに書き直せば、純文学かというと、それだとこの作品の面白みはないだろう。 いろいろ発見もあった。 文学の関連でいうと、漱石の『こころ』は当然、直接的な影響が強くあるのが確認できた。太宰治『人間失格』の影響もある。宮沢賢治なども。 ストーリーが非常に緻密で、特殊な叙述トリック