■産経新聞アーカイブ(1999年10月17日 大阪府下版に掲載) 常勝“東軍”を初めて“西軍”が倒した 大阪のメーンストリート御堂筋に紙吹雪と紙テープが舞う中、選手たちを乗せたオープンカーがゆっくりと進む。周りを握手を求めて大勢の市民が取り囲み、沿道のオフィスの窓から鈴なりの人が手を振った。 一九五九年(昭和三十四年)十月三十一日。南海ホークスが宿敵の巨人を無傷の四連勝で下し、悲願の日本一に輝いた翌々日、伝説の「御堂筋パレード」が行われた。日本シリーズでは、立教大学から入団二年目の杉浦忠=現在(六四)=の四連投四連勝という活躍があった。ファンらの興奮は頂点に達していた。 敵地の後楽園で優勝を決めたナインは夜行列車で大阪に凱旋した。パレードは午前十一時に大阪球場を出発し、大阪府庁、国鉄大阪駅、大阪市役所と回った。大阪府警はこの日の人出を約二十万人と発表。車上の杉浦らは「大阪にこんなに人がおっ