スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の午後7時前に記者会見し、ことしの化学賞に、アメリカ、ワシントン大学のデイビッド・ベイカー教授と、アメリカのIT企業、グーグルのグループ会社で、ロンドンに本社のある「DeepMind」(ディープマインド)社の▼デミス・ハサビスCEO、それに、研究チームの▼ジョン・ジャンパー氏の合わせて3人を選んだと発表しました。
ことしのノーベル物理学賞の受賞者に、現在のAI=人工知能の技術の中核を担う、「機械学習」の基礎となる手法を開発した、アメリカの大学の研究者など2人が選ばれました。 スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の8日午後7時前、ことしのノーベル物理学賞の受賞者にアメリカのプリンストン大学のジョン・ホップフィールド教授と、カナダのトロント大学のジェフリー・ヒントン教授の2人を選んだと発表しました。 ホップフィールド教授は人間の神経回路を模倣した「人工ニューラルネットワーク」を使って、物理学の理論から画像やパターンなどのデータを保存し、再構成できる「連想記憶」と呼ばれる手法を開発しました。この手法によって、不完全なデータから元のデータを再現できるようになりました。 ヒントン教授はこの手法を統計物理学の理論などを使って発展させ、学習した画像などの大量のデータをもとに可能性の
宇宙は加速度的に膨張を続けており、そのことはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測でも裏付けられています。宇宙の膨張を加速させている力の候補として、ダークエネルギーの存在が示唆されていますが、新しく「別の宇宙を吸収して膨らんでいるから」とする説が提唱されました。 Is the present acceleration of the Universe caused by merging with other universes? - IOPscience https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1475-7516/2023/12/011 Our universe is merging with 'baby universes', causing it to expand, new theoretical study suggests | Liv
東北大学は2月5日、独自に導いた着火と火炎(デフラグレーション)の等価性に関する理論を適用することで、反応波を「自着火反応波」として拡張し、火炎と「爆轟(ばくごう)」(デトネーション)を理論的につなぐことに成功したことにより、自動車エンジンの高効率化の阻害要因であるノッキングの発生条件や、安全工学として重要な爆轟遷移条件を明確にできるようにしたことを発表した。 同成果は、東北大 流体科学研究所の森井雄飛助教らの研究チームによるもの。詳細は、米国物理学協会が刊行する気体・液体および複雑または多相流体の力学に関する全般を扱う学術誌「Physics of Fluids」に掲載された。 自動車や航空機など、人類は移動手段の多くに動力源として内燃機関を採用しているため、そのさらなる燃焼器の効率化を進めれば進めるほど、二酸化炭素(CO2)の排出量の削減につながる。 たとえば自動車のエンジンは長い時間を
みなさんこんにちは! サイエンスライターな妖精の彩恵りりだよ! 今回の解説は、宇宙の全ての物質を網羅したチャートについて詳しく解説するよ! 普段解説しているニュースと違って、この論文は何か新しい科学的発見とかそういう話じゃないけど、全てを網羅した結果、宇宙そのものに関して中々面白い事実が分かってきた、というユニークな研究でもあるよ! 宇宙の全ての物質を語れる理論は存在しない 私たちの宇宙には素粒子、原子、ウイルス、生物、惑星、恒星、銀河、ブラックホールなど、実に多種多様な物質が存在するよね?物質はどのように誕生したのか?というのは物理学の究極の課題の1つだよ。 また、それと関連する話題として、宇宙を正確に記述する物理学の理論が未完成だという問題もあるよ。現在の物理学は、「一般相対性理論」と「量子力学」の2本柱で構築されているけど、課題も存在するよ。 例えば、一般相対性理論は宇宙や銀河くらい
ブラックホールだけでなく、宇宙で星の残骸のような大きな物体は全て最終的に消滅するという新たな理論研究が発表された。この研究はオランダのラドバウド大学によるもので、2023年6月2日付で『Physical Review Letters』に掲載された。 イギリスの物理学者Stephen Hawking氏は、「ホーキング放射」というプロセスを経てブラックホールは最終的に消滅すると予測した。Hawking氏は量子物理学とアインシュタインの重力理論を組み合わせ、粒子と反粒子のペアの自然発生的な生成と消滅は、光や物質がブラックホールの重力から逃れられなくなる領域である事象の地平線(事象の地平面)の近くで起こるはずだと主張した。 粒子と反粒子は量子場からごく短時間で生成され、その後、すぐに消滅する。しかし、時には一方の粒子がブラックホールへと流れ込み、もう一方の粒子はエネルギーを持ったままブラックホール
神戸大学はじめ、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)、東京大学宇宙線研究所、名古屋大学素粒子宇宙起源研究所 (KMI)、名古屋大学宇宙地球環境研究所、が参加する、米国・欧州・日本を中心とした国際共同実験XENONコラボレーション (*注1) は、現在稼働している暗黒物質探索実験であるXENONnT実験において、暗黒物質 Weakly Interacting Massive Particle (WIMP)(*注2) 探索の最初の結果を発表し、2018年に前身実験のXENON1T実験が報告した制限を大きく更新する結果を得た、という報告を行いました。 本結果は、XENONコラボレーションが、日本時間3月22日22時30分に、イタリア国立物理学研究所グラン・サッソ研究所で開催した特別セミナーで報告されました。 credit: XENON Collaborati
宇宙はブラックホールに見つめられているのかもしれません。 米国のシカゴ大学(University of Chicag)で行われた研究によって、ブラックホールそのものに、量子世界の不思議な現象である「重ね合わせ」を破壊する効果がある可能性が示されました。 量子は「シュレーディンガーの猫」に代表されるような観測するまで状態が確定しない、複数の可能性の「重ね合わせ」状態となっています。 重ね合わせが破壊された量子は「どこにでもいる」状態から「ここにしかない」状態に変化し、人間の直感に反しない「現実的」な動きをとるようになります。 研究者たちは、宇宙がブラックホールを目のように使って、自分の内側を観測している可能性があると述べています。 宇宙に意識があるかはさておき、宇宙現象そのものが観測者の役割を果たすという考えは非常に先進的なものといえます。 しかし、重力の化け物であるブラックホールのどこに、
同じ物体でも視点が違えば、全く異なる形にみえることがあります。 米国のハーバード大学で行われた研究によれば、これまで別物だと考えられていた「通過可能なワームホール」と「量子テレポーテーション」が、実は同じ現象に対して異なる解釈をしていたに過ぎないことが実験的に示されました。 現在物理学者たちの大きな悩みのタネの1つが、非常に小な世界を説明するための量子理論と、星が発する重力など非常に大きな世界を説明する一般相対性理論に、全く互換性がないということです。 しかし新たに行われた研究では量子プロセッサーに通過可能なワームホールの特性を疑似的に組み込むことで、量子力学と相対性理論の結び付けに成功します。 さらに「量子もつれ」の状態にある量子をワームホールの端と端に配置することで、量子の情報がワームホールの内部を一瞬で通過する「ワームホールを用いた量子テレポーテーション」つまり「ワームホールテレポー
私たちが頼りにしてきた“ある法則”がなくなりました。それは、選考過程が「絶対秘密」とされるノーベル賞の受賞者を予想する法則です。いったいどういうことなのか、悩める担当記者が解説します。(ノーベル物理学賞担当 記者 吉田明人) ※当初、この記事の画像や動画の中で使用していた“ウロボロスの蛇”の模式図で、基準単位を「1cm」とすべきところ、「1m」になっていました。訂正して再掲します。 法則が消えた 私たちノーベル賞を取材する記者は、発表結果をいち早く伝えるための準備を進めるため、あらかじめ受賞者を予想し、リストアップしています。 その際、物理学賞の受賞者にはある法則があるとされてきました。 物理学賞は日本人がもっとも多く受賞していて、期待も高い賞です。 2000年以降の受賞分野(JSTの資料より作成 / 右端の回数はこの期間の受賞回数) 法則というのは近年の受賞者の研究分野に関するものです。
京都大学(京大)は、3次元重力を用いたホログラフィー(ホログラフィック原理)を開発し、それを用いて初期宇宙における密度揺らぎの相関を計算することに成功したと発表した。 同成果は、京大 基礎物理学研究所の疋田泰章 特定准教授、国立台湾大学 物理学系の陳恒楡教授の2名によるもの。詳細は、米国物理学会が刊行する機関学術誌「Physical Review Letters」に掲載された。 現時点で量子効果まで含んだ重力を扱う「量子重力理論」は未完成である。マクロな世界で重力を扱う一般相対性理論と、ミクロな世界で量子の振る舞いなどを扱う量子力学は相性が悪く、なかなか融合させることができないためである。 ただし、期待されている理論もある。その1つが有名な「超弦理論(超ひも理論)」だが、同理論特有の効果は超高温状態でしか現れないため、現在の人類が持つ技術では実験的に検証するのが困難とされている。しかし、初
地球に住む私たちは、太陽が発する光エネルギーの恩恵を受けています。 植物が光合成をしたり太陽光パネルで発電できるのは、光エネルギーを利用しているからです。 そして光のエネルギーが消費されれば、光は消えてしまいます。 一方、光はエネルギーだけでなく運動量も持っていることが知られています。 そのためソーラーセイルのような光から運動量を受け取って徐々に加速していくシステムも考案されています。 ではこの光の運動量を0にしたら何が起こるのでしょうか? 米国ハーバード大学(Harvard University)で行われた研究によれば、光を全く屈折しない材料に入れると、運動量が0になり、存在確率が材料内部全体に拡散して、どこにあるか全く不明になる、とのこと。 また運動量が0になった光を二重スリット実験に使用すると、理論上、光の波長が無限になって「しま模様」がなくなってしまうことが示されました。 運動量が
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物質を構成する基本的な粒子である素粒子の1つについて、実験から解析された質量が予測より大きいという結果が得られたことを筑波大学などの国際的な研究グループが発表し、素粒子物理学の柱となっている「標準理論」の修正を迫る可能性があるとしてさらなる検証が必要だとしています。 「標準理論」は現在の素粒子物理学の柱となっている理論で、素粒子の種類や質量などの特性を説明できるとされています。 筑波大学の受川史彦教授などの国際的な研究グループは、力を伝えるWボソンと呼ばれる素粒子についてアメリカの研究機関で行った実験データを解析したところ、質量が標準理論の予測より0.09%ほど大きいという結果が得られたということです。 誤差は0.01%とこれまでで最も高い精度で解析しているため、「標準理論」の修正を迫る可能性があり、さらなる検証が必要だとしています。 今回の結果について、一部の研究者から新たな素粒子が存在
素粒子「Wボソン」質量 標準理論との顕著な「ずれ」最新研究 2022年04月18日08時40分 【AFP=時事】素粒子の一種「Wボソン」が、理論値を著しく上回る質量を持つとする研究論文が7日、発表された。約10年に及ぶ精密な測定に基づくもので、宇宙の仕組みに関する理解の根幹を揺るがす研究結果だ。(写真は米イリノイ州バタビア郊外にある、周長6.4キロのテバトロン粒子加速器。資料写真) 宇宙を理解する際の基礎となっているのは、素粒子物理学の「標準理論」だ。標準理論は、宇宙の最も基本的な構成要素とそれらをどのような力が支配しているかを最もよく説明する科学的理論とされる。 自然界に存在する基本的な四つの力(相互作用)の一つ、「弱い力」を媒介するボース粒子(ボソン)のうち電荷を持つのがWボソンで、標準理論の柱の一つとなっている。 だが、米科学誌サイエンスに掲載された最新の論文によると、これまでで最も
リンク note(ノート) 『凝縮系物理学』§3:金属における磁気秩序|yukishiomi|note §3.1 磁性を示すのはなぜか? 磁性を示すのは、原子の磁気モーメント同士の間にそろえようとする相互作用があるからである。この「そろえようとする相互作用」を交換相互作用と呼ぶ。 基礎となる電子のハミルトニアンは、運動エネルギー(電子の運動)+ポテンシャルエネルギー(クーロン相互作用)である。クーロン相互作用は電子と電子が反発しあう力で、電気の話であり、直接は磁気モーメントと関係なさそうに見える。これらの項が磁気モーメントとどう関係するかをまず理解する必要がある。 一番簡単な例は、水素分子である。1つの電子 1 user
軟体動物多様性学会【公式】 @SocStudMollDiv 先ほど社寺林さん@Amphidromusと微小陸貝の肉抜きの情報交換をしていて、また飯島元会長の下記ツイートなど拝見しつつ、貝人にとって肉抜きは必須キーワードと再認識しました。因みに「貝人」とは、貝類に強い愛着と継続的な執着を併せ持つ研究者+愛好者の総称で、茶人・歌人・俳人等に似た響き.. twitter.com/a_iijimaa1/sta… 飯島明子 💉×5 😷 @a_iijimaa1 イモガイ類の軟体部は、巻物みたいになって収まっている…。当たり前といえば当たり前なんだけれど、こうやって肉抜きされたところを見ると、ちょっとびっくり。(綺麗な肉抜きは日本の貝屋さんたちのお家芸なのだとか) twitter.com/sitokairui/sta… 軟体動物多様性学会【公式】 @SocStudMollDiv の雅語です。「貝屋」
米Alphabet傘下の英DeepMindが、遺伝子配列情報からタンパク質の立体構造を解析するAI「AlphaFold v2.0」(以下、AlphaFold2)をGitHub上で無償公開し、ネット上で注目を集めている。Twitterを利用する生物系の研究者からは「革命的な成果だ」「これからの研究の前提が変わっていく」など、AlphaFold2の予測精度に対して驚きの声が相次いだ。 なぜAlphaFold2はこれほどの驚きや賞賛をもって迎えられているのか。タンパク質構造解析の難しさをひも解く。 未知の部分が多いタンパク質の構造 タンパク質は数十種類のアミノ酸からできており、配列によってさまざまな性質に変化する。例えば筋肉、消化酵素、髪の毛はそれぞれ役割が異なるが、いずれもタンパク質で作られている。タンパク質の構造が分かれば、生体内の化学反応の理解が進む。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病
1982年に日本の天文学者が予測した理論上の「電子捕獲型超新星」の存在が観測によって裏付けられた。太陽の8~10倍の質量を持つ恒星に起きる現象で、これまでシミュレーションでは確認されていたものの、その特徴を示す超新星は観測されていなかった。カリフォルニア大学サンタバーバラ校博士課程学生の平松大地氏ら国際研究グループは、2018年に日本の超新星ハンターが発見した「SN 2018zd」の観測結果からその特徴を確認した。成果は英国の国際学術誌『Nature Astronomy』にオンライン掲載された。 棒渦巻銀河「NGC2146」(中央)と超新星2018zd(右側白い円)。ハッブル宇宙望遠鏡とラスクンブレス天文台の観測からの合成画像。Credit: Joseph Depasquale, STScI 恒星の終焉の際、太陽の8倍程度までの質量の小さな恒星は白色矮星となって静かにその生涯を終え、太陽の
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