群馬県渋川市の金井東裏遺跡(6世紀初め)で出土したよろいを着けた人骨について、九州大の田中良之教授(骨考古学)が23日、榛名山の噴火から集団で避難中に火砕流に襲われたとする説を同県高崎市で発表した。 これまでは「山の神の怒りを鎮める儀式をしていたのではないか」との可能性が示されていた。 田中教授は、左足を半歩踏み出した状態であることや、よろいのひもを緩めて前をはだけていること、近くで発掘された女性の骨が体をひねるような姿勢をしていることなどから、状況を推測。斜面を登っている最中に火砕流に襲われた可能性が高いと指摘した。 周辺からは乳児とみられる頭骨など計4体の骨や多数の足跡などが見つかっており、噴火が小康状態の間に集団で移動しようとした可能性があるという。