経営再建中の半導体大手・ルネサスエレクトロニクスは、同社の早期退職優遇制度に7511人の応募があったと発表した。会社側が想定していた5千数百人を大きく上回る結果となった。一部では整理解雇に踏み切るのではと噂されていたが、杞憂に終わったようだ。 ただ、人材の地盤沈下は予想以上に深刻だ。早期退職の対象にならない若い優秀な人材までもが、新天地を求めて辞めているケースが目立つからだ。一方、かつて韓国メーカーから引き抜きにあって海を渡った技術者たちも、「クビ」になり国内に職を求めるケースが増えている。半導体関連の人材市場が、「再就職」をめぐり、かつてないほど賑わっている。 ●買い手市場の半導体技術者 「人材の質が3ランクくらい一気に上がった」。都内ベンチャー企業の社長はこう語る。同社はソフト開発が主力だが、ここ数年、半導体関連ビジネスの事業を拡大している。「昨年まではなかなか人が採れなかった」が、年