【北京=関泰晴】中国の胡錦濤政権は、中国漁船衝突事件を撮影したとみられるビデオ映像によって反日機運が盛り上がり、収まりつつある反日デモが再燃することを警戒している。 今月中旬、横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席を予定している胡国家主席の首脳外交に影響を与えかねないからだ。 10月下旬の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の際、日中首脳会談に踏み切れなかった胡政権は、最近、各地方都市の大学に対し、学生の外出禁止で反日デモを抑え込むよう厳命した。失敗が許されない胡主席のAPEC外交に向けた環境整備とみられる。 広州アジア大会開幕を控えた今月8日には、サッカーの日中戦も予定され、混乱は絶対に避けたいという事情もある。 崔天凱外務次官は5日、香港のフェニックステレビなどと会見、ビデオ流出に関連し、「日本に誠意があるなら、(関係修復を)妨害する事態が起きないよう最大