稚魚の減少などにより、卵からの養殖技術の開発が進められているウナギについて、一度に大量に育てることができる新たな手法が見つかり、将来、ウナギの安定供給につながるのではないかと期待が寄せられています。 日本食に欠かせないウナギは、稚魚であるシラスウナギを捕獲し、それを育てることで生産されていますが、近年は乱獲などから漁獲量が大幅に減少し、日本では去年、絶滅危惧種に指定されています。 このため、国内ではウナギを卵から養殖する技術の開発が進められていますが、これまでは水をきれいに保たないと死んでしまうため、20リットルほどの小さな水槽でないと育てることができませんでした。 こうしたなか、独立行政法人の水産総合研究センターのグループは、水の入れ替え方法を工夫することにより、これまでの50倍の1000リットルの水槽で、卵からふ化したものをシラスウナギにまで育てることに成功したということです。 水産総
10月16 塩味のペプチド カテゴリ:有機化学 某所で、味のある有機化合物の話を書いておりました。味があるといっても、目立たないがいいところで渋い働きをしてくれる化合物とかではなく、甘いとか酸っぱいとかの話です。 甘い化合物の話は、今までにも何度か書いております(こちらなど)。アミノ酸2つがつながったアスパルテームがその代表選手ですが、グリシンやセリンも甘いし、D-6-クロロトリプトファンなどは砂糖の約1300倍という驚くほどの甘さを示します。 アスパルテーム。砂糖の180倍ほどの甘さ。 これらが注目されるのは、やはり甘味という味が特別だからです。他の味はとめどなく食うということはありませんが、甘味だけは誰もが好む味です。しかし砂糖の摂り過ぎは、肥満や糖尿病など恐ろしい病気の原因となりますから、これに代わりうる化合物を創れば、大いに商売になるのです。このへん、「炭素文明論」というとても面白
発表者 神谷隆史 (東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻修士課程;当時) 甲斐渉 (東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻博士課程;当時) 田角聡志 (東京大学大学院農学生命科学研究科附属水産実験所 特任助教) 岡あゆみ (東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻修士課程;当時) 松永貴芳 (東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻修士課程;当時) 水野直樹 (東京大学大学院農学生命科学研究科附属水産実験所 技術官) 藤田真志 (東京大学大学院農学生命科学研究科附属水産実験所 技術官) 末武弘章 (福井県立大学海洋資源学部 准教授) 鈴木重則 (水産総合研究センター増養殖研究所) 細谷将 (東京大学大学院農学生命科学研究科附属水産実験所 特任研究員) Sumanty Tohari (Institute of Molecular and Cellular
千葉大学は2月29日、高級な鉢物として知られるコチョウランにおいて、遺伝子組換えにより、従来存在しなかった青色の花色をもつ品種の作出に成功したと発表した。成果は、千葉大学大学院園芸学研究科植物細胞工学研究グループの三位正洋教授および陳東波特任講師と石原産業の共同研究グループによるものだ。 コチョウランは、交配によって白、赤、黄色など多種多彩な花色の品種が作り出されているが、バラと同様に青い花は交配された品種としては存在しておらず、育種家や生産者の長年の夢とされてきた。青い花がない理由は、コチョウランには花弁に青色色素「デルフィニジン」を作り出す遺伝子がないためである。 研究グループでは、石原産業が単離したツユクサ由来の遺伝子を、千葉大園芸学研究科植物細胞工学研究室においてコチョウランの培養細胞に導入し、個体再生および開花に至ったものだ。4年の歳月をかけて植物体を作り出し、2月15日に初
10年ほど前に、ヒトの精子が嗅覚レセプタータンパク質を持っていて、その働きで匂いをかぐことができるばかりではなく、花の匂いによく似たブルゲオナール(bourgeonal)という分子に誘引されることから、ヒトの卵は花のような香りを出して精子をひきつけているのではないかという論文がScience誌に出て、大ニュースになったことを覚えていらっしゃいますでしょうか(Science 299, 2054, 2003)。 欧米ではこの実験結果をバルザックの小説をもじって「『谷間のゆり』現象」とまで呼んで大騒ぎしたようです。 確かに卵が「谷間のゆり(翻訳の時に「スズラン」を誤訳したようです)」つまりスズランのような香りを出していて精子をひきつけているのだとしたら、これは限りなくロマンチックな現象に思われるということなのでしょう。 ところがいくら調べても、卵やそれをとりまく濾胞細胞から「スズラン」のような香
大分大は27日、狂犬病ウイルスを破壊する「スーパー抗体酵素」の開発に成功したと発表した。同大によると、人から取り出した抗体を持つ遺伝子を使ったケースは世界初で、昨年12月に米国の生命科学専門誌「FASEBジャーナル」電子版に掲載された。狂犬病に有効な治療法はないが、人への応用が可能になれば、狂犬病が不治の病でなくなる可能性があるという。 工学部の宇田泰三教授(生物工学)らによるマウスを使った共同研究。同大によると、スーパー抗体酵素は特定のウイルスや細菌を狙い撃ちして無害化する酵素で、宇田教授が98年に発見した。 今回の研究では、狂犬病ワクチンを接種した人の白血球から、抗体を持つ遺伝子を取り出し、遺伝子を分離するなどして5年間かけて狂犬病ウイルスだけを破壊するスーパー抗体酵素の製作に成功した。この酵素を狂犬病ウイルスに感染した10匹のマウスに接種したところ、5匹が世界基準である14日間の
口臭の主な成分である硫化水素を使って、人間の歯の組織から肝臓の細胞を効率よく作ることに、日本歯科大の八重垣健教授(口腔(こうくう)衛生学)らの研究チームが成功した。 虫歯の治療で抜いた歯を使って、肝細胞を作製することにつながる成果で、英医学誌に27日発表した。 硫化水素は、卵の腐ったような臭いがする有害物質。研究チームは、歯の細胞に対する硫化水素の有害性を調べるなかで、細胞の変化を促す働きを発見した。 研究チームは、歯髄と呼ばれる歯の内部組織から、様々な細胞に変化できる幹細胞を取り出し、化学物質などを添加することで肝細胞の作製に成功。さらに微量の硫化水素を加えたところ、2~4倍効率よく肝細胞に変化した。硫化水素を加えた方が、細胞の形や肝機能も良かった。 硫化水素が肝細胞に効率よく変化させるメカニズムは、詳しく分かっておらず、今後調べるとしている。 八重垣教授は「ライフワークの口臭研究が、今
ニューヨーク(New York)セントラル・パーク(Central Park)で芝生に寝転ぶカップル(2009年10月21日撮影、資料写真)。(c)AFP/TIMOTHY A. CLARY 【2月23日 AFP】男性という性を決定づけるY染色体が小さくなり続けているため、やがて男性は絶滅するという説があるが、この説は誤っていると結論付けた遺伝子研究が、22日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。 「男性絶滅説」は、男性染色体(Y染色体)が劇的に縮小したという事実を科学者らが発見した約10年前に注目を集めるようになった。数億年前のY染色体は1400個以上の遺伝子が乗る巨大サイズだったが、今や遺伝子が数十個程度しか乗らない極小サイズになってしまったという。そのため、Y染色体はいずれ消滅すると一部で叫ばれるようになった。 男性絶滅説を唱える学者は、Y染色体を失った人類は、げっ歯類のキ
フィリピンの首都マニラ(Manila)近郊の墓地で凧あげをする子どもたち(2010年4月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/NOEL CELIS 【2月22日 AFP】生物学の世界では、人類を「競争好き、攻撃的、野蛮」とする見方が誤りであることが証明されつつある――。カナダ・バンクーバー(Vancouver)で開催中の米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science、AAAS)のカンファレンスで20日、霊長類行動学の第一人者がこのような研究発表を行った。 米エモリー大(Emory University)のオランダ人生物学者で著書『The Age of Empathy: Nature's Lessons for a Kinder Society(共感の時代:親切な社会に向けた人間性のレッスン)』でもおなじみのフラン・デ・
しまや斑点など動物のさまざまな模様の形成には、2色の色素細胞が互いの位置を関知して移動することが重要な役割を果たしていると、大阪大大学院生命機能研究科の院生稲葉真史さんらの研究グループが発表した。論文は10日付の米科学誌サイエンスに掲載された。 研究グループは、黒と黄色のしま模様を持つ熱帯魚ゼブラフィッシュから2種類の色素細胞を取り出し、培養器具で観察。しま模様がはっきりした個体の黄色の色素細胞が、黒色の色素細胞に接触すると、黒い方は細胞膜の電気的な性質を関知して反対側に逃げるように移動した。しま模様が不鮮明な変異体の色素細胞では、この反応が起こらなかった。 しま模様を作るため2種類の色素細胞の動きが関連していることは知られていたが、メカニズムはほとんど分かっていなかった。 研究を指導した近藤滋教授は「動物の模様は同じ原理でできていると考えられる。今後、模様形成の一般的な原理が見えて
海上保安庁などの研究チームは、米グアム島沖にあるマリアナ海溝の海底(水深5620メートル)で、二枚貝の一種である「シロウリガイ」の大規模集団を世界で初めて発見した。 米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。 一帯には地球内部のマントルを起源とする岩石が広がっており、この貝はここで発生した硫化水素を栄養源にしているとみられる。約40億年前に誕生した原始生命も、マントル起源の物質を栄養源にしていたと考えられており、今回の発見は生命誕生の謎を探る手がかりとなりそうだ。 チームは2010年9月、有人潜水調査船「しんかい6500」を使ってマリアナ海溝を探査し、この貝の大規模集団を発見した。大きさは12~13センチで、新種とみられる。
フェロモンと聞くと真っ先に思いつくのはどんなイメージでしょうか?なんとなくいかがわしい感じとか、お色気とか一般的には少しアングラな感じで捉えられているかと思います。フェロモン(pheromone)とは、ギリシア語で運ぶという意味の’pherein’と興奮を表す’horman’から作られた造語です。 理化学事典によるとフェロモンとは、“微量で動物の特定行動を誘起する物質” として定義されていますがこれでは少し説明不足であり、“同一種の個体に作用する”という定義も忘れてはいけません。同一種の異性を惹きつけたり、仲間を呼んだりするのに用いられる物質と考えるならば、リア充生活を営むための必須アイテムであると言えます。 さてフェロモンを使ってリア充生活を始める前に、少しフェロモンについて概観しておきたいと思います。焦ることなくお付き合い下さい。 ファーブル昆虫記にも蛾の雄と雌が交信するという観察の記
豪シドニー(Sydney)で収穫された世界一辛い唐辛子「トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー(Trinidad Scorpion Butch Taylor)」(2011年3月撮影、7月26日公開、資料写真)。(c)AFP/The Chilli Factory/Alex de WIT 【12月22日 AFP】野生のトウガラシで、辛い実を付ける株と付けない株がある謎を解く鍵は水分にあったという研究結果が、21日の学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に発表された。 トウガラシに含まれる辛味成分カプサイシノイドは、トウガラシの「天敵」といえる菌類フサリウムから実を守るためにトウガラシが発散しているものだ。フサリウムは水分を好む。 米インディアナ大(Indiana University)のデービッド・ハーク(David Haa
科学近年、獲得形質の遺伝の事例がいくつか報告されているのですけれども、その影響はせいぜい数世代(もしくは次世代しか確認してない)だったと思います。最近のNatureハイライト:長寿のエピジェネティックな遺伝(要会員登録かも)では3世代だそうです。クロマチンの変化が初期化しきれないというのは、なんかiPS細胞に元の細胞のエピジェネな痕跡が見つかるようなもので、凄いんだか凄くないんだかはお話の作り方次第じゃないかなとも思うのですが、まあそれは置いといて。 今回紹介する論文は少なくとも100世代は遺伝する獲得形質についてです。筆者らもOur results therefore support the Lamarckian concept of the inheritance of an acquired trait.と言ってます。一体どういうことなのでしょうか、詳細は続きを読むから。 線虫とRN
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(CNN) 木星の衛星「エウロパ」には大きな海だけでなく、地表を覆う厚い氷の下に巨大な湖があることが分かったとして、米国の研究チームが16日の科学誌「ネイチャー」に研究結果を発表した。エウロパの海に生命が存在する可能性も高まったと解説している。 米航空宇宙局(NASA)の科学者によると、エウロパに海があることは10年ほど前から確実視されていた。しかしこの海は厚い氷に覆われていることから、地表と接触して生命の維持に必要な養分を摂取することができないと見られ、生命存在説の妨げになっていた。 テキサス大学などの研究チームは1989年に打ち上げられた木星探査機「ガリレオ」が撮影した木星と衛星の画像を解析。その結果、エウロパの海の上部に湖が存在し、揺れ動いている形跡があることが判明した。研究者は「氷はその厚さにもかかわらず活発に混じり合っている可能性があり、エウロパとその海に生命が存在する可能性が高
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