【桜井紀雄の劇的半島、熱烈大陸】 韓国による安倍晋三政権への難癖はやまず、日韓関係のこじれは続いているが、終戦の日の8月15日、一歩違えば、修復困難な外交危機を招く難題を抱えていた。韓国議員が靖国神社で「政権の軍国主義化」を非難する声明を発表するとぶち上げたからだ。暴挙を許し、衝突でけが人が出ればいうに及ばず、入国拒否など強行阻止しても韓国世論に格好の日本非難の口実を与えかねなかった。だが、ついぞ危機は訪れなかった。そこには、ニュースになることはない「何も起きない」ことを当然とするプロの仕事があった。 ■「朝鮮のマスコミは出ていけ!」静寂に響いた怒号 「朝鮮のマスコミは出ていけ!」。8月15日午前8時前の靖国神社の大鳥居前。最も静寂であるはずの日に最も厳粛であるはずの場所で怒号が響いた。 韓国の左派系野党、民主党の李鍾杰(イ・ジョンゴル)議員ら4人が8時から神社前で声明読み上げを予