もう2ヶ月近くもご無沙汰してしまったが、久しぶりにVC投資論を復活してみたい。今回は日本と海外(特にアメリカ)のVC環境の違いについて書いてみたいと思う。このブログの中でもしばしば取り扱ってきたテーマだが、今日はこれを総括してみたいと思う。 参考: 関連する過去のエントリー 日米VCの違い:普通株と優先株 日米VCの違い:バリュエーション 日米VCの違い:EXIT 融資のご利用は計画的に ベンチャー企業の赤字は悪か 日米のVCを取り巻く状況を比較すると下記のように整理できる。話を単純にするため、ステレオタイプ的に大胆に簡素化しているので、これにそぐわない例も多々あることをご承知の上で見て頂きたい。
事業スタートに必要な資金が小額になるにつれ、新しいタイプの直接金融が勃興している。Y CombinatorやTechStarsは、技術力と野心を持つ若者達に小額の投資と豊富なアドバイスを提供し、スピーディーに新サービスのプロトタイプ(原型)を完成させる新しいタイプのシードキャピタル(事業化のための資金拠出者)だ。 Paul Graham率いるY Combinatorは、将来性のある革新的なサービスのインキュベーターとして昨今注目されている。ブートキャンプよろしく、起業家予備軍をサンフランシスコ・ベイエリアなどに集め、プロトタイプを集中して開発するための機会を提供する。応募者はシンプルなフォームから応募して選考を受け、着の身着のまま3ヶ月間の集中合宿に入る。そこでは、先輩起業家達からのアドバイスや、投資家へのプレゼン、トップクラスの弁護士やエンジニアやインベストメントバンカーとの食事機会など
以前、一般投資家保護の観点から東証が子会社上場を奨めない方針のようだ、というコラム(「子会社上場への風当たり強まる――IT・ネット系企業に与える影響」)を書きましたが、むしろオーナーの持分比率が高い企業の上場こそ問題ではないかと思ったりします。特にインターネット系企業では、社長が過半数の株式を保有したまま上場するケースも多く、そのような企業では会社の最高意思決定機関である株主総会も、オーナー社長の一存により決議することができるので、一般株主がないがしろにされる可能性は高くなります。 オーナー持分は高く保つべし? 日本のベンチャー界では、一般的には上場前に経営陣の持分が過半数を切るのはよろしくない、と言われています。証券取引所がそのように求めているという話もあれば、安定株主の確保という観点もあるでしょうが、合理的説明があるわけではなく通説です。 一方、オーナー社長は、とにかく持分は高く維持し
企業が成長する過程では、決して経営者1人の努力だけでは無理だろう。資金はもとより、経営に関するアドバイスなどさまざまな支援が必要になる。こうした役割を担うひとつがベンチャーキャピタル(VC)だが、経営者とVCはどのようにして出会い、具体的にどういう関係を構築していくのか、そして人物像は。 IBM Venture Capital Group日本担当の勝屋久氏が紹介する形式で、VCと経営者の両者に対談してリアルにお伝えします。アイシーピー取締役の石部将生氏と、カカクコム取締役相談役の穐田誉輝氏の登場です。 勝屋:以前、このシリーズに登場して頂いたインキュベート・キャピタル・パートナーの赤浦さんから、ジャフコ時代の同僚ということでご紹介頂いたんですが、まずはお2人の出会いから伺えますか。 石部:僕の方が先輩なんですが、僕が1989年にジャフコに入社しまして、2年下が赤浦さん、4年下が穐田さんです
最近、ベンチャー経営者の友人や知り合いから「ベンチャーキャピタルのA社とB社の違いを教えて欲しい」「銀行系VCと独立系VC、どちらがいいのだろう」というような相談を受けることが増えてきました。 ベンチャーキャピタルは略してVCと呼ばれることも多いので、むしろその響きの方が聞き慣れている人も多いかもしれませんが、先に結論的なことを言ってしまうと、どのVCもさほど変わらないでしょう。経営者にとっては、ひとたび出資を受け入れてしまえば、そのお金を活用していかに事業を拡大していくかの方が圧倒的に重要なので、そのお金の出所うんぬんはほどんど関係なくなるでしょう。端的には、お金には色がない、ということになります。 しかし、VCとの付き合い方にはいくつか注意すべき点があります。今回から何度かに分けてそのあたりを触れてみたいと思います。初回は銀行系VCに対する間違った幻想です。 銀行系VCに対する間違った
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