福井は暮らしやすい、幸福度が高い、そんな言葉を耳にするたびに、居心地が悪くなる。それを感じられないお前は、贅沢で、身の丈を知らなくて、都会に対して軽薄に憧れを持っているだけだろう、と言われている気分になるからだ。私は福井を暮らしやすいとも感じないし、幸せそうな人がたくさんいると感じたこともない。だからいつも、都合のいいところばかり見やがって、と行政のキャッチコピーに過剰に反応してしまう。私は福井、全然いいと思わないし、むしろ嫌いですけどね、という具合に。 福井の魅力として、人のあたたかさや人の良さをあげられることも多いように思うが、私が感じていたのは逆だ。閉鎖的で封建的で、人の肩書で人格まで判断するような人ばかりだと思いながら、福井で過ごしていた。どこどこの娘さん、といろんな人がなぜが知っていて、あの日はあそこにいましたね、と親に報告される窮屈さ。進学先まで気にされて、評価される。どこで誰