BBCの視聴者への向き合い方を象徴する番組がある。毎週金曜日夜9時半(再放送土曜日朝7時45分)から放送される『Newswatch』で、BBCニュースに対する視聴者の苦情をもとに制作される15分間の番組だ。その週に寄せられた主な苦情を紹介し、BBCの担当者が説明し、時に反論する。 この番組は2004年、イラク戦争をきっかけに始まった。当時ブレア首相が開戦の理由として上げた「サダム・フセインは45分以内に大量破壊兵器を配備できる」との主張について、BBCの記者がラジオ番組で「誇張(Sexed up)されていた」とコメントした。これに対しブレア首相が反発し、BBCに訂正を求める中、情報源とみられた科学者が自殺。その後BBCの会長と経営委員長が辞任に追い込まれた。失墜したBBCニュースの信頼を取り戻すために、報道内容について説明責任を果たす目的で始まったのが『Newswatch』である。 またB