3月11日の大津波で壊滅的被害を受けた岩手県陸前高田市。この町で85年間、和菓子を製造してきた御菓子司木村屋も、店舗と工場を波にさらわれた。生活基盤のすべてを失い、絶望の淵に立たされた代表の木村昌之さんの体験は、11月14付のウォール・ストリート・ジャーナル日本版が詳細に報じている。 震災から8カ月余りを経た11月30日、木村さんは東京・丸の内のオフィス街にいた。ここで自慢の品である和菓子の「雁月」と「気仙ゆべし」、さらに試作品のピレネータイプ・バウムクーヘンを大勢に振舞った。 木村さんがこの日参加したのはベンチャー企業のミュージックセキュリティーズが運用する「セキュリテ被災地応援ファンド」の投資家説明会。1口1万0500円(出資金5000円、出資取扱手数料500円、応援金5000円)で、個人投資家が被災地の事業者を直接支援する小口ファンドだ。事業者ごとにファンドが存在しており、投資家が支