つくば市の一軒家でスマホアプリ開発のミニ企業が動き出した。一人を除いて全員が高専卒業生。全国の後輩たちに夢と刺激を与えながら、自らも世界を目指す。いま跳び出す高専系ベンチャー「FULLER」の仲間たちを紹介しよう。 「ハードからソフトまで工学全般、ものづくりの基本をひと通り学べるというのがいいところですね。情報系学科の学生でもプログラミングだけじゃなく、ハンダゴテを握ったり、ガス溶接やNC旋盤をいじったりしますし。高専の5年間で培った“ものづくり×IT”の素養が僕らの武器になっていると思うんです」 と長岡高専時代を振り返るのは、渋谷修太氏(24歳)だ。2011年11月に高専やその後の大学時代の仲間を集めて、スマートフォンアプリ開発のベンチャー企業「FULLER」(フラー)を創業し、社長に就任した。 社員10人のうち一人を除いて全員が、高専でエンジニア人生をスタートさせた。ものづくりの面白さ