塩田千春展訪問。
孤独や過去のつながりとの付き合い方を考えずにはいられず涙ぐんでしまった。
ホームページには「存在とは何か」とは何かを問うとか、コロナで否応なしに意識した他者との「つながり」に向き合っていると説明されている。
紹介ビデオで作品名の中の「在」登場率にそのことを実感した。
想像以上に良かった。
人に対する私個の感情が残っていると実感する。
放っておいたそれらとの付き合い方を考えるきっかけになる。
泣きそうになるのはポスターにも使われる一番メインの作品。
半年前中ノ島美術館に行った時、展示に使うとしてA4の記入紙とアンケート回収箱があったことを思い出す。紙に書いてあるのはコントロール済みの意図だけでなく生活している人たちの素朴な思いであることを思い出して心との距離が近くなる。
彼女が言うように、作品で表現するように世界は赤い糸であふれているのだろうか。
作品では赤い糸の中に白い紙が終わりの無い円環となって表れている。
過去とどう付き合っていけばいいかわからない。心機一転忘れるのも大事だし、過去のことに感謝すること受け入れることあるいは辛かったと認めることも大事らしい。
過去によりどころとしていてぷっつりと切れてしまった物事を思うと本当にわからない。
他にもhomeをテーマにした作品群。一本一本がこんなに太く、かつその空洞部分がはきりとしている点がhomeについて示唆的。
実は前日にGUCCI COSMOS展にも行った。
red thread
これはグッチのライフスタイル中のつながりだったと振り返っている。馬術~ゴルフ~ピクニック。
ウェルカムビデオから瞬間瞬間はスタイリッシュだけど、その歴史のつながりと縁の概念をつなげることには取ってつけた感があり、興ざめを抑えていた。リアルの空間演出は流石世界トップレベルで赤~ROSSO ANCORA~に包まれた空間に素直に歓んだ。
赤に染まると言えばこの前行った磯崎新建築のcastのエントランス。曼荼羅着想という。空間全体が朱色に染まっており、それが廊下から分かるほど包まれていた。