イスラエル兵、ガザで拘束したパレスチナ人への虐待で禁錮7カ月 軍事裁判所

イスラエル南部にある同国軍のスデ・テイマン拘束施設

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画像説明, イスラエル南部にある同国軍のスデ・テイマン拘束施設。ここで兵士による虐待行為があったと認定された

イスラエルのベイト・リド軍事裁判所は、同国軍の拘束施設におけるパレスチナ・ガザ地区出身のパレスチナ人らへの加重虐待を認めたイスラエル兵に、禁固7カ月を言い渡した。同国軍が6日、明らかにした。

イスラエル国防軍(IDF)によると、氏名が明らかにされていないこの予備役兵は、スデ・テイマン軍拘束施設で何回かにわたり、「手錠をかけられ目隠しされた状態で拘束されている人々を拳で殴り、武器を使用した」として有罪とされた。

IDFは、「これらの行為は他の兵士らがいるところで行われ、そのうちの何人かはやめるよう言った。被告の携帯電話にも、これらの行為は記録されていた」と付け加えた。

イスラエル紙ハアレツによると、この被告は、イスラム組織ハマスとの戦争で拘束したガザ住民に対する虐待で有罪とされた最初のイスラエル兵だという。

被告は拘束したパレスチナ人らに、屈辱的な言葉を言わせたり、動物の鳴き声をまねさせたりしたという。縛られて目隠しをされた状態のパレスチナ人らを殴ったこともあったいう。

同紙はまた、軍事裁判所の説明を引用して、この被告が検察との司法取引で加重虐待3件と不適切な行為1件を認めたと報じた。

同紙によると、それらの事件は、拘束した人々を移送する大型車両の警備を被告が担当していた昨年1~6月にあった、別々の四つの出来事だという。

また、軍事裁判所は、不特定数の覆面兵士も虐待に加担していたと認定したという。それらの兵士の身元も明らかになっていない。

IDFによると、有罪となった兵士は実刑に加え、執行猶予つきの刑と、二等兵への降格が言い渡された。

IDFは、「兵士は常に、特に戦時下においては、自分たちに託された武力を、IDFの価値観と命令に従って行使する義務がある」とコメントした。