重度の障害があり、全介助が必要な20代女性に対し、淫らな行為をした罪などに問われている元介護職員の男の初公判が2月17日に新潟地裁で開かれた。男は起訴内容を認めた一方で、被害者の母親と被告人の母親が証言台に立ち、今の思いについて語った。

全介助の女性を送迎中に…6つの罪に問われた元介護職員

準強制わいせつ、準強制性交等未遂、準強制性交等、不同意性交等、性的姿態等撮影、不同意性交等致傷の6つの罪に問われているのは、新潟市南区に住む元介護職員の細海敏也被告(44)だ。

送検される細海被告
送検される細海被告
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起訴状などによると、細海被告は2019年から約4年半の間、重度の障害があり、全介助が必要で抵抗ができない20代女性に対して、デイサービスの送迎時に自家用車を三条市内のパチンコ店の駐車場に止め、その車内でわいせつな行為や淫らな行為を繰り返し、また怪我を負わせ、その行為を動画撮影した罪などに問われている。

2月17日の初公判で起訴内容についての認否を問われ「間違いありません」と答えた細海被告。

今回の裁判では、細海被告が警察に自首した2023年12月14日の事件以外の事実について、自首が成立するか否かと量刑が焦点になっている。

被害者の母親が涙ながらに訴え

細海被告は2012年8月から障害者支援などを行うNPO法人に勤めていて、事務仕事のほか、利用者が介護施設等と自宅を行き来する際の送迎を担当。被害女性もその時から担当することがあった。また、自宅で母と二人で暮らしていて、家族には知的障害で施設に入所している弟がいた。

一方、被害者の女性は生まれてから身体的、知的障害があり、座ることができるが、自立歩行や手足を自由に動かすことができない全介助が必要な状態で、意味のある発語がなく、視線があわないなどの状態だった。

被害者の母親によると、女性は感情がないわけではなく、楽しい時やつまらない時は、笑ったり、泣いたりするという。

証人尋問では被害者の母親が証言台に立ち、一番伝えたいことを問われると…

被害者の母親:
「私は娘が被害にあっていることを気づいてあげられませんでした。被告を絶対許すことはできません。死ぬまで刑務所に入っていてほしい」

被害者女性の生い立ちや今回の事件を知った経緯なども裁判で語った。

被害者の母親:
「送迎を利用していた木曜日の後、急に泣き出したりすることが何度かあった。送迎サービスを使うまでそんなことなかったが、急に泣き出したり、夜眠れない時があった。私が気づいてあげられなかったことや施設に預けてしまった後悔があった」

後悔の思いを語る母は、夜も眠れないほどの症状も出てカウンセリングを受けたことも明かした。

「娘は長い期間助けを求められなくて一生涙を流して生きていきます。娘にそんな思いをさせてしまったことを考えながら生きていかなければならない」

涙を流しながら、細海被告に対して家族全員の総意で「厳罰を望みます」と話した。

細海被告の母親も証言台に

続いて証言台に立ったのは、細海被告の母親だ。

細海被告の生い立ちや普段の関係性などについてや事件を知った時のことなどを話した。家族に被害者と同じ障害のある息子(弟)を育ててきた母親として息子(弟)が同じような目に合ったらどう思うかと問われ…

細海被告の母親:
「言葉が出てこない、怒ると思います、悲しくなります。すみませんでした。本当に申し訳ありませんでしたしか言えない」

翌日に行われた被告人質問で細海被告が語ったこととは…判決は2月21日に言い渡される。

(NST新潟総合テレビ)

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