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Deep Sky Memories

横浜の空で撮影した星たちの思い出

近況 / WinJUPOS を自動操作したい

仕事が少し落ち着いたこともあって11月30日と12月1日は久々にDSOを撮影しました。ターゲットは M33, M74, IC443 くらげ星雲。画像処理はまだ途中で、おいおいブログに上げていこうと思います。

10月12日深夜の木星の画像処理も着手していますがなかなか終わりそうにありません。タイムラプスを作ってベストショットを選んで、と思っていたのですが、手作業では時間がかかりすぎるので WinJUPOS を自動操作する方向で色々試しているところです。

4時間40分あるのでタイムラプス用のフレームを0.1分単位でフレームを生成すると2840フレーム、それがLとRGBで倍になります。de-rotation は手作業だと10分間に35フレームくらいかかる(途中の確認処理等含む)ので、LとRGB合わせて延べ27時間、毎日2時間半作業しても11日かかる計算です。

とりあえずLだけ約1000フレーム手作業で処理したところなかなかよさげな感じだったので最後まで作りたいのですが…

木星タイムラプス (2024-10-12 15:14.8 - 16:50.0 UT) (Lのみ)
木星タイムラプス (2024-10-12 15:14.8 - 16:50.0 UT) (Lのみ)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F41.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L:ZWO ASI290MM (Gain 340), SharpCap 4.1.11817.0 / 各フレームの露出 8ms x 1500/3000 コマをスタック処理 x 42 を スタック画像 3 枚ずつ de-rotation / AutoStakkert!4 4.0.11, WinJUPOS 12.3.11, RegiStax 6.1.0.8, ffmpeg

WinJUPOS にはマクロ機能があって、de-rotation の場合、.icm ファイルを作ってあればマクロに全部登録して自動で de-rotation を実行できるのですが、問題は .icm ファイルを作るところであって… .ims ファイルを選択して reference time を 0.1 分ずつずらして大量の .icm ファイルを作るのが手間なわけです。

.icm ファイルをプログラム的に生成できればいいのですが、.icm はバイナリ形式のファイルで、フォーマットも公開されていないようです。なので、いわゆる RPA ツール*1 で WinJUPOS を操作する方向で考えていました。

Microsoft 謹製の無料ツール Power Automate for Desktop (PAD)を使って WinJUPOS を操作して de-rotation を実行するところまではできて、あとは設定パラメータをファイルから読み出して繰り返し操作するところと、設定パラメータを自動生成するツールの作成をすればいいというところまでは来たのですが、PAD はフロー(自動操作手順)を OneDrive にのみ保存できてエクスポートやインポートができないことがわかりました。

自分一人で使うならそれでも構わないといえばそうなのですが、せっかく作っても公開できないのはちょっと… 一応裏技的にやる方法はあるのですが、これで保存したデータがいつまでも読み込めるとは限らないし、最悪読み込む方法自体がなくなるかもしれません。というのは PAD は有償版 Power Automate のお試し版的な位置付けで、フローのエクスポート/インポート機能は有償版のみの機能になっているからです。

そんなわけでやはり .icm ファイルを生成する方向でなんとかならないかと思い始めています。WinJUPOS の作者に相談するしかないかなぁ…

*1:Robotic Process Automation: デスクトップアプリケーションやWebサイト等を自動操作して定型業務を自動化するためのツール。

M33 さんかく座銀河 (2024/11/27)

11月27日、横浜は前夜の大雨が嘘のように快晴が夜まで続き、せっかくなのでなにか撮ろうと思って M33 さんかく座銀河を撮りました。

M33 は、赤道儀を SX2 にしてからは、ベランダからだとベランダの天井が邪魔でギリギリ撮れないと思っていたのですが、最近は高度の高い木星を撮るのにベランダの縁石に乗り上げる形で三脚を立てて赤道儀を設置していたので、ひょっとして M33 もイケるか?と思って試してみました。

19:00前からベランダに機材を出して19:30頃から撮影を開始しました。

ピント合わせはハマルを導入して先日購入したWilliam Optics バーティノフフォーカシングマスク:75-110mm (透明タイプ)を使いました。固定ピンは外側いっぱいに取り付けてギリギリ FSQ-85EDP のフードに固定できました。奥まではめ込もうとするとフード歪みそう。もうひと回り大きいやつの方がよかったかもしれません。

M33 を導入してプレビューを見ると、とりあえずベランダの天井は見えません。M33 そのものは中心部がうっすらとしか見えず、こんなので写るのか?という感じですがとりあえず撮りました。

しかし、この日は風が強くて時折窓がガタガタ揺れるくらいの風が吹き、そのたびにガイドが乱れてしまいます。2分露出でしたが2分間の間に2〜3回は赤経方向に±4秒ぐらいの揺れが発生して、RMSエラーも赤経赤緯の倍以上ありました。あまりに揺れがひどい時は撮影を中断したりもしました。

そんなわけであまり結果に期待できない状況でしたが、とりあえずベランダの天井が写野に入るまで撮り続けました。20:30頃から写野の端にベランダの天井が映り込むようになったのでそこで終了。総露出時間は48分でした。

結果はこんな感じでした。

M33 (2024/11/27 19:35)
M33 (2024/11/27 19:35)
高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3), フラットナー1.01× (合成F5.4) / IDAS LPS-D1 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.13 による自動ガイド / ZWO ASI294MC Pro (Gain 200, -10℃), SharpCap 4.1.11817.0 / 120秒 x 24コマ, 総露出時間 48分 / PixInsight 1.8.9-2, Lightroom Classic で画像処理

端っこにベランダの天井が映り込んでいたので少しトリミングしています。やはり星像が肥大かつ少し伸びていてイマイチですね… でも7年前に撮ったのに比べたらマシかな?

これは BLANCA-80EDT + 0.6x レデューサー(D80mm f288mm F3.6)で撮ったもので、フィルターも露出時間も今回と同じ。等倍で見るとさすがに今回の方がいいのですが、縮小画像でパッと見だとあんまり変わらないかも…

前回は M33 の中にある星雲・星団を紹介したりしていました。

今回もあちらの銀河の赤い散光星雲 NGC604 や NGC595 が写っていますが、このへんはちゃんとHαで撮りたいですねぇ…

強風がなければもう少し色々撮りたかったのですが、今回はこれで撤収しました。

とりあえずベランダから M33 が撮れるのはわかったのですが、南中する頃にはベランダの天井が邪魔になりますし、高度50度くらいまでは北天にいてベランダからは見えません。撮れるのはがんばって2時間くらいでしょうか。シーズンを過ぎているのでもうあまりチャンスはなさそうですが、また撮ってみたいです。

かんむり座T星(T CrB)が増光したと聞いて… (2024/11/8)

11月8日の朝、Twitter にこんなツイートが流れてきました。

マジで!?かんむり座T星(T CrB)は「再帰新星(recurrent nova)」と呼ばれ、普段は10等級の地味な星ですが、80年に1度ぐらいの周期で急激に増光して2等〜3等まで明るくなる星です。

その実体は白色矮星赤色巨星の連星系で、赤色巨星のガスが白色矮星に溜まって限界まで溜まると核爆発(新星爆発)を起こして急激に輝き、速やかにその輝きを失っていきます。おっかないですね。爆発から1週間くらいで元の暗さに戻ってしまうそうです。

詳しくは倉敷科学センターの解説記事をどうぞ。

というわけで日没後に撮ってみました。かんむり座は冬には太陽の反対側に行ってしまって見えない星座です。11月にもなると日没後の短い時間しか見れません。時間が惜しいので固定撮影で撮りました。

その結果がこちら…

かんむり座 (2024/11/8 18:00)
かんむり座 (2024/11/8 18:00)
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 75mm F1.8 (F2.0) / ミザール K型微動マウント / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO400, RAW), 露出: 2秒 x 18コマ, 総露出時間 36秒 / PixInsight 1.8.9-2, Lightroom Classic で画像処理

かんむり座 (2024/11/8 18:00) (アノテーション付き)
かんむり座 (2024/11/8 18:00) (アノテーション付き)
撮影データは上に同じ。

かんむり座T星(T CrB)付近 (2024/11/8 18:00)
かんむり座T星(T CrB)付近 (2024/11/8 18:00)
撮影データは上に同じ。

低空で背景光のムラも強くてあまり強調していません。軽くABEして、PCCして、軽くストレッチした感じです。

肝心の T CrB ですが、周りの星と比較した感じでは10.0等前後ではないかと。普通ですね…

まあ、昼のうちに既に増光が止まったって話はあったのですが…

そして日本での8日の観測データが集まった結果は…

(´・ω・`)

まあ、増光前の姿も撮っておきたかったので、よしとしますか…

ちなみに今回初めて使った M.ZUIKO DIGITAL 75mm F1.8 ですが、今回は固定撮影で若干長過ぎる露出で星が少し流れているので星像の評価は保留です。軽くて扱いやすいので、写りがいいなら被写体によっては 35-100mm F2.0 の代役も任せたいなと思っているのですが…

太陽に黒点がいっぱい (2024/10/31)

10月31日の朝、ついカッとなって太陽を撮りました。前日黒点がいっぱい出てると聞いて試しに日食グラスで見てみたのですが、一つ一つの黒点はそこまで大きくないようで、全く視認できず、ちょっとそれがモヤモヤしてたので、つい…

仕事がずっと忙しくて、それがまだしばらく続く予定で、体力を温存しないといけないので、時間はあっても(長丁場なので残業は少なめにしています)ガッツリ天体撮影とか無理な感じで、この件もパスかなーと思っていたのですが、朝の天気が妙に良かったので…

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

3877, 3873, 3872, 3869, 3876, 3868黒点群 (2024/10/31 9:14)
3877, 3873, 3872, 3869, 3876, 3868黒点群 (2024/10/31 9:14)
高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー(合成F15.1)*1, バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルターフィルム, ZWO UV/IR Cut Filter / Vixen SX2 / ZWO ASI290MM (Gain 129), SharpCap 4.1.11817.0, 露出 1/2000s x 750/2000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

概ね天の北極が上の構図で太陽の北極の方向は画像の左上方向に傾いています。太陽の南半球の赤道寄りの(天球の方向で)西側には大小合わせて6つの黒点群が出ていました。ただ、一つひとつはそこまでデカいわけでもなく、かといってそこまで密集しているわけでもなく、肉眼で見えるほどではないわけです。

これらの黒点は地球から見て裏側へと回っていくのですが、反対側からは新しい黒点が出てきています。

3879, 3878黒点群 (2024/10/31 9:16)
3879, 3878黒点群 (2024/10/31 9:16)
撮影データは上に同じ。

3879黒点群(左側の大きな丸い黒点)がなかなか厳つくて今後が楽しみ(?)です。

太陽の北半球にもちょっと黒点が出ていました。

3875, 3874黒点群 (2024/10/31 9:17)
3875, 3874黒点群 (2024/10/31 9:17)
撮影データは上に同じ。

あんまりパッとしませんが…

太陽の高度が低いこともあって、シーイングはあまり安定せず、ベストショットでも少しブレた感じに写ってしまって、少し不満ですが、太陽黒点も一期一会なので…

ちなみに始業前に慌てて撮ったせいか、赤道儀をハーフピラーに固定するネジを締め忘れたまま撮っていたのに撤収時になって気づいて震えてました。ていうか、赤道儀側の出っ張りがハーフピラーの窪みにちゃんと嵌ってなくて少し傾いた状態になっていて、危うく大惨事になるところでした… やっぱり疲れてる時に無理しない方がいいですね…

タイトルはもちろんアラン・ドロン主演の映画『太陽がいっぱい』をもじったものですが、この映画ちゃんと見たことないんですよね。WOWOW シネマで11月8日に放送するそうで、せっかくなのでスカパー!で契約しちゃいました。太陽もいいけど、濃ゆいイケメンが見たい。そんな日もありますよね…?

天王星とその衛星 (2024/10/12)

10月12日の深夜に木星を撮ったのですが、その前菜として天王星を撮りました。

この日は夕方に紫金山・アトラス彗星の撮影にチャレンジしたものの、低空の雲に阻まれて空の明るい時間帯にしかチャンスがなく、微かな「シミ」の姿でしか写りませんでした。

天気はいいのに西の空だけ何故… それにしても週末にこの天気で何も撮らないのはもったいないな、と思ってしまい、調べてみると木星に大赤斑が見えるタイミングがありそうなのでそれを狙うことにしました。

木星がベランダから撮れる位置に昇ってくるまで時間があったので、ふと思い立って先行して昇っていた天王星を撮りました。

天王星と衛星 (2024/10/12 23:22)
天王星と衛星 (2024/10/12 23:22)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F41.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / Vixen SX2 / L:ZWO ASI290MM (Gain 375) RGB:ZWO ASI290MC (Gain 485), SharpCap 4.1.11817.0 / 露出 天王星:1/15s x 1000/3000 をスタック処理(L:1, RGB:1) を LRGB 合成, 衛星: 1/4s x 500/1000 をスタック処理(L:1, RGB:1) を LRGB 合成 / AutoStakkert!4 4.0.11, WinJUPOS 12.3.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic

相変わらずいい色です。衛星はオベロン、チタニア、アリエル、ウンブリエルが写っています。画像の向きは天王星の北極が上で、これは天球上ではほぼ西の方向になります。

天王星と衛星 (2024/10/12 23:22) (アノテーション付き)
天王星と衛星 (2024/10/12 23:22) (アノテーション付き)
撮影データは上に同じ。

衛星は強力な wavelet 処理であぶり出して合成していますが、ミランダはどうしてもあぶり出せませんでした。以前は撮れたのですけど月がまだ出ていたし条件が悪かったのでしょうか…

2年前に撮った時は de-rotation してもっとスタックしてギリギリだったので総露光時間が足りなかっただけかも。

この日は気温のせいなのか写りがかなりノイジーでダークを引いても輝点ノイズが結構残ってしまい衛星と恒星の位置の除いたマスクを使って強引に処理しています。

今回は衛星よりも天王星の北半球が白っぽいのを写せたらなと思って撮っていたのですが、そこは写っているように見えないというか、表面のグラデーションが不自然ですね…

これは星像の滲みというかゴーストらしきものが画像左下方向に少しズレた形でカブっていて、そのせいのようです。ADC の調整が甘かった?なのでパッと見で感じる立体感はまやかしです。うーん…

ということでイマイチでした。もう少し時間をかければなんとかなったのかもしれませんが、本命は木星だったのでこのくらいで…

木星の方はその後夜明け前まで撮り続けて撮影データは1.9TBに… まだ処理半ばですがシーイングの良いタイミングが結構あったので楽しみです。なお大赤斑は Sky & Telescope のアプリ Jupiter Moons の予報より50分ほど遅れて登場。いい位置に来る頃には条件が悪化してベストの写りにはなりませんでした…

でもイオの食(木星の影に隠れる)、ガニメデの影、木星面通過が見れたので楽しかったです。後日処理が終わったらエントリを上げたいと思います。

速報: ビーム キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 紫金山・アトラス彗星のアレが撮れました! (2024/10/15)

今日10月15日の夕方、またまた紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)を横浜市内の自宅付近から撮りました。14日も撮ったので12日から連日撮っています。

今日は空が暗くなってからも高度が割と高いので長時間露光狙いでしたが、薄雲越しになってしまい余り期待できないかと思っていたのですが…

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) (2024/10/15 17:59)
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) (2024/10/15 17:59)
ZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0 (100mm) / Sky-Watcher Star Adventurer GTi / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO200, RAW) / 露出 4秒 x 63 コマ, 総露出時間 4分12秒 / PixInsight 1.8.9-2, Lightroom Classic で画像処理

構図はほぼ水平です(画像の上が天頂方向)。地上に向かって背景が激しく明るくなるのでグラデーションマスクで背景の輝度差を抑えています。スタックは普通に恒星で位置合わせしているので実は彗星は少しブレていますが速報なのでご容赦ください。

尾がはみ出さないようにと彗星の頭をセンターからだいぶズラしたのですがまだはみ出しています。彗星の上の方に見えるぼやっとした天体は球状星団 M5 です。

それはともかく彗星の頭から前方にうっすら光の筋が伸びているように見えるのですが…

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) (2024/10/15 17:59) (強調処理・強)
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) (2024/10/15 17:59) (強調処理・強)
撮影データは上に同じ。

キツい強調処理をかけてみました。彗星の頭から前方にビームのように細い光の筋が伸びているのがはっきりわかります。これは…

そう、ここ数日天文家の間でビームみたいな極細のアンチテイルが出ていると話題になっていたやつです。実はこれ、正確にはアンチテイルとは別物で「ネックライン構造」というものだそうです。

ダストテイル(尾)は太陽輻射圧で吹き飛ばされる小さなダスト(μm単位)でできていますが、ネックライン構造はもっと大きなダスト(mm以上)の雲が彗星軌道上を運動しているうちに集まってできる構造で、視線方向が彗星の軌道平面のなす角が小さい場合に鋭く細い尾のような構造として見えるものだそうです。ダストトレイルの一種ってことでいいんですかね?

夕方の部になってから極細のアンチテイルか?と、ちらほら報告があったのですが、13日、14日に撮った時には全然写らなかったので横浜の空では無理なのかなと思っていたのですが、まさか写るとは…

明日から週末にかけて天気は悪くなるようでおそらく今日がラストチャンスでした。平日に頑張って撮った甲斐がありました!

速報: 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) 撮れました!見えました! (2024/10/13)

10月13日の日没後、紫金山・アトラス彗星を撮影しました!

今回は地上風景と一緒に撮りたかったので望遠レンズ(フルサイズ換算200mm)で固定撮影です。

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) (2024/10/13 18:13)
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) (2024/10/13 18:13)
ZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0 (100mm) / 固定撮影 / OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II (ISO320, RAW) / 露出 1.3秒 / Lightroom Classic で画像処理

縦横比を 2:3 にして傾き補正をしていますが、ほぼフルサイズ換算200mmの画角で、縦が10度弱あります。尾はほぼ端まで伸びているので5度以上ありそうです。

日没後からスタンバイして17:25頃に金星でピント合わせ。今日は彗星が金星と同じ高度と聞いていたので金星に向けた双眼鏡を西に振って彗星を探してみましたがこの時点ではまだ見えず。

17:35頃にデジカメのライブビューで彗星のコマを確認。17:50双眼鏡でも彗星を確認。まだ青空ですが尾の明るい部分ははっきり視認できて彗星らしい姿がはっきりわかりました。

18:00を過ぎると肉眼でも「逸し目」すると彗星が見えるようになりました。尾を伸ばした姿、というかコマの部分はクッキリとは見えず淡く尾が伸びた何かが見える、といった感じでした。

iPhone でもよく写りました。

iPhone 15 で撮った紫金山・アトラス彗星 (C/2023 A3) (2024/10/13 18:02)
iPhone 15 で撮った紫金山・アトラス彗星 (C/2023 A3) (2024/10/13 18:02)
iPhone 15 Pro 3倍望遠 (F2.8) / ISO800, 1/2s / iPhone 標準の写真編集機能で画像処理・トリミング。

iPhone 15 Pro の3倍望遠で撮ったものを倍くらいに拡大したものです。ここまで尾がクッキリ写るとは…

しかし、初めて肉眼で彗星を見ました。横浜の空ではそこにあると知らないと気づかないくらい微かな見え方で、一般人が街で空を見上げてびっくりするというレベルではありませんが、街なかから尾が見えるというだけでもすごい。

2013年のパンスターズ彗星ぐらいになれば御の字と思っていたので、良い意味で期待を裏切られました。

パンスターズ彗星は山の向こうに彗星が沈むまで撮りましたが、今回もギリギリまで撮れました。低空が霞んでいたのかカメラのプレビューでは18:20頃にはコマが見えなくなっていましたが、尾だけはまだ見えていました。

明日以降はチャンスがあれば赤道儀で追尾撮影してみたいと思います。