2010-12-27

12/17にEMobileから発売になったAndroid2.2端末「HTC Aria」を店頭で触ってきました。

→プレスリリース｜イー・モバイル初、Android™2.2搭載コンパクトスマートフォン「HTC Aria™（S31HT）」を2010年12月17日より発売｜イー・モバイル株式会社

　来年発売されるPocket Wifi S同様テザリングが解放されてるので、ポータブルWifiAPとしても使えるのが便利そうです。
　Androidアプリの検証用に実機が１台欲しいとおもっていたのでちょうどいいかな。

　koyhoge氏のレポートみてるうちに欲しくなってきました。
Togetter - 「イーモバからHTC Ariaを数日間借りたkoyhogeのつぶやき」

　もっとも、いくつか不安要因・不満点はありますが…

【不安要因】
・CPUが600MHzと少し非力
・画面サイズがHVGA
・Wifiルータとしての稼働時間は4時間くらいらしい(現在使用している光ポータブルは6時間。かつスタンバイ30時間)
・FlashはFlashLite4までの対応で10.1対応ではない。（処理能力を考えるとフルのFlashは不要か）
・4万円近い価格（Xperia mini proなら25800円）
・２点矩形のマルチタッチしか対応しない

● 触ってきた
　実機を使ってみるのが一番ということで、店頭で触ってきました。
【サイズ】
　サイズはiPhone4より一回り小さい。厚さは同じくらい。サブ機にはちょうどいいサイズ。
　重さは115g。（光ポータブルは105g。iPhone4は137g）

【処理能力】
　スペック的には非力なはずだけで結構サクサク動く。ホーム画面のスクロールもスムース。
　カメラの起動も速い（写りもそこそこ）。
　ブラウザも結構ちゃんと動く。iPhone4に比べるとレンダリングに時間かかってる感はあるけど、スクロールもスムース。
　3D GPUが効いているのかも。

【画面解像度】
　画面解像度の制限を感じるのはやっぱりブラウザで、ページを全体表示すると文字が潰れて、やっぱHVGAだしなあ…という気分になる。
　でも現実的に文字を読めるサイズに拡大した際には充分な解像度だと思った。
　1世代前のiPhone/touchではそれで普通に使ってたわけだし。

【マルチタッチ】
　マルチタッチが限定的。日本指操作はピンチ（拡大縮小）しかできない。
　ソフトキーも同時に１本指しか認識しない。でも他機種も似たようなものだった。
　タッチパネル方式は静電容量方式なので軽いタッチで操作できる。

【テザリング】
　テザリングは、ホーム上に専用のアイコンがあった。
　このアイコンをタッチすると約6秒後に接続完了の表示。その2秒後にはiPhone上からも見えた。（パスワード保護されているので接続は試していない）
　充分高速で快適。
（ON/OFFはトグルなので、状態がわかりずらいこともあって慣れるまで誤操作あるかも）　
　ただ4時間しか持たないのが光ポータブル(６時間使用可能）の置き換えだと不安。
　光ポータブルではWifiクライアントからの接続が途切れたら自動でスタンバイになって最大30時間待ち受け出来た。
　あるといいけど、どうなんだろう。ちょっと使ってみた限りでは、明示的にON/OFF操作をしないとならないように見えた。
　USBケーブルでも充電できるので、ケーブルも持ち歩けばいいのかな（大抵クライアントはノートPCなので）

　山田祥平氏の記事によると、別機種だけど同時期に出るIDEOS(=Pocket Wifi S)では、テザリングモードにしっぱなして９時間くらい待機できるということらしい（通信頻度低い場合）。意外と持つ印象。
→【山田祥平のRe:config.sys】手のひらの中で電波が見えてメールが読める、そしてつぶやけるルーター

● 感想
　実際さわってみると、なかなか快適で処理能力などの不安はかなり解消されました。
　GPS、加速度センサー、AF付きカメラ、光学式トラックバックなどひと通りの機能が搭載され、メモリーもそこそこ、Androidも2.2とバランスがとれたよい機種なのかも。
　余計なアプリがはいってないのもいいですね。
　来月でEMobileの２年契約が終了するので、その際に対抗機種がでてなかったら購入してみようと思います。

● Androidのマルチタッチ対応がまだいまいちな件

　HTC Ariaが、２点矩形のマルチタッチしか対応しないというのは上で書いたとおりです。
　２本目の指の位置を独立して判定できるわけではなく、２本指で囲まれた矩形としてしか認識できません。
　これではこれからどんどんリリースされるはずのマルチタッチアプリへの対応に不安が…と思っていましたが、以下の記事をみて考えがかわりました。

→『仙石浩明の日記 Nexus One で Android 2.2 froyo のマルチタッチを試してみる』

　どうやら、Nexus Oneもマルチタッチは限定的なようで。
　（Glaxy Sは５本指独立して認識するそうです）
　Xperiaがマルチタッチ未対応で残念がられてたところがありますが、Nexus Oneもそうなのか。
　ちなにみに、Xperiaはソフトウェアアップデートで限定的なマルチタッチに対応するようになりました。

→Xperia ( エクスペリア ) マルチタッチに対応。来年アップデート予定

　で、実際に店頭で各社のAndroid2.1 / 2.2機を触ってみたところちゃんとマルチタッチ出来る機種がほとんどない！
　ピンチ操作での拡大縮小はできるのですが…
　デモ機でマルチタッチが出来ると判断できたのは、Galaxy Tabだけでした(Galaxy Sもたぶん対応してる）。
　判断基準として、ソフトウェアキーボードでキーの同時押しができるか。
　ほとんどの機種(Softbankの2.2機も含め）では１本指しか認識しませんでした。
　あらら…

　まだアップルの特許について解決していないか、ちゃんとマルチタッチできるパネルを共有しているメーカーが少ないか…どうなんでしょうね。
　OS自体はちゃんと対応してるんので、タッチパネルのハードウェアかドライバーの問題だと思いますが。
　Nexus Sなどではどうなのか気になるところです。サムスン製だからGalaxy S同様に対応してるのかな。

　ちなみにマルチタッチできないと…
・楽器ソフトの鍵盤の同時押しができない
・ゲームのバーチャルジョイパッドの同時押しができない（方向キーとボタンなど）
・ソフトウェアキーボードで同時押しができないので、SHIFT+キー　といったコンビネーションや一時的に同時押しになるような高速入力ができない
・iPhoneのツール類でよくある押してる指の数でのショートカット、ジェスチャーが実現できない
・ゲームなどでのマルチタッチを活用した特殊な操作が出来ない

　現状の対応状況だとAndroid向けソフトは、マルチタッチは使えない前提でソフト開発するしかないかなあ。