話は昨年12月に遡る。10名の大学院生(哲学及び教育学専攻)がクリスマスをボイコットせよという共同声明を発表した*1。その主旨をZHANG Liuhao “Petition stirs online vote to boycott Xmas” Shanghai Daily 23-24 December 2006の要約から引用すると、声明は多くの中国人がクリスマスの意味やシンボリズムに無知であることを指摘し、また中国の伝統的節日への注視を呼びかけるものだが、さらに、
であると。
The petition also said that many Chinese people just follow the trends to celebrate Christmas, even if they don’t understand or recognize the reigion. Their behavior, however, is helping to popularize Christian culture in the country, and accomplish what missionaries failed to achieve, it said.
さらに同じ記事によれば、43000人以上が参加したネット投票ではクリスマス・ボイコットに53%の支持が集まったという。
12月26日付けには”Youths welcome Christmas cheer”という新華社の記事が掲載されているが、中国の若者はクリスマスを歓迎しているとしつつ、北京のZHANG Tialuというカトリック司祭のコメントを載せている。彼は”We Catholics respect traditional Chinese culture.”としながら、”they are narrow-minded. Like a frog at the bottom of a well, they can only see a limited world”と述べている。また民俗を擁護している文筆家のFeng Jicai氏――”youngsters are interested in new things. Christmas means a happy time to Chinese youngsters instead of a religious holiday”. Feng氏によれば、90%以上の若い中国人はクリスマスの意味について知らず、そして気にしていないという。
John Kennedy “Down with Western Holidays”( Cityweekend January 4-17, 2007, pp.9-10)が今回の「共同声明」のネット界での反応を纏めているが、その中に日本や韓国、或いは台湾や香港では中国大陸よりも西洋化が進んでいるにも拘わらず中国大陸よりも伝統文化が保持されているではないかというのがあった。また、中国の(春節を除く)二大祝日である国際労働節と国慶節はどちらも西洋起源のものである。メイ・デイは直接的には米国起源であり、さらに基督教以前的なヨーロッパの異教文化に遡る。また、建国記念日を祝うという発想も国民国家以降の西洋起源。
ところで、世界中のクリスマス・ギフトの80%はMade in Chinaである*2
*1:Cf. http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/school/2006-12/21/content_5515927.htm http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/edu/2006-12/26/content_5531047.htm
*2:Cf. 馬紅漫「“聖誕老人”為何不賜富“中国製造”」『東方早報』2006年12月26日