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2012.11.27
シュールリアリズム小説「みんな、維新やめるってよ」
「みんな、維新やめるってよ」生活が言った。

「たちあがれが、太陽になった。太陽は、減税とくっついた。しかし、1日で別れてしまった。太陽は、維新を選んだんだ」

「そして維新も、太陽を選んだ。維新は、みんなとうまくやっていたのに、いきなり太陽とくっついたんだ」

生活は、こういうことに詳しい。みどりは、生活が話すのをただ聞いている。

「維新が太陽とくっついて、みんなは怒った。そりゃ、みんなは怒るよね。みんなと太陽は、古くからの敵どうしなんだ。維新はそれを知りながら、太陽を選んだんだから」

「維新はそれでも、まだみんなとくっつこうとしている。この軽薄さに、みんなはウンザリしてしまったんだ。みんなはなかなか、芯の強いやつだからね」

「太陽と1日で別れた減税は、太陽を追って、維新に入ろうとした。しかし、維新は減税を拒絶したんだ。維新は軽薄だが、誰とでもくっつくわけではないんだな」

「それで減税は、傷ついて、途方にくれた。そこにあらわれたのが、反TPPだ」

「減税は、さびしくてたまらなかったので、すぐに反TPPとくっついた。そして、いっしょに脱原発になった」

「でも反TPPは、ほんとうは、君のことを気にかけていたんだ。脱原発になったいまも、まだ気にかけているよ」

みどりは、そのことを知っていた。しかし、何も言わなかった。

「僕は、脱原発はなかなかいいと思っているんだ。みどり、君もいっしょにどう?」

みどりは、何も言わなかった。

みどりは、迷っていた。生活のことは、嫌いではない。しかし、そんなふうに、かんたんにくっついたりしていいのだろうか。それも、たくさんの人と。みどりは、自分をたいせつにしたかった。

「未来もいっしょにやりたい、と言っているよ。みどり、まだ決められないのかい?」

生活が、いきなり未来の名を口にして、みどりは驚いた。未来は、みどりの親友なのだ。

未来が生活と知り合いであることを、みどりは知らなかった。それも、未来は生活といっしょにやりたい、と言っているなんて。

あなたたち、軽薄すぎるんじゃない? みどりは、そう思った。もう、誰も信じられない。

(おわり)

(本作品はフィクションです)


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