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2012.11.28
滋賀県の嘉田由紀子知事が新党「日本未来の党」結成を表明 脱原発勢力の本命か
朝日新聞デジタル - 嘉田知事新党は「日本未来の党」 卒原発掲げ結成を表明(2012年11月27日16時19分)
http://www.asahi.com/politics/update2/1127/OSK201211270043.html


写真:琵琶湖を望む会見場で、党名を発表する嘉田由紀子代表=27日午後、大津市、水野義則撮影

<滋賀県の嘉田由紀子知事(62)は27日午後3時過ぎから大津市内のホテルで記者会見し、新党「日本(にっぽん)未来の党」を結成する、と表明した。原発を段階的に削減する「卒原発」など六つの主要政策を掲げ、「未来をつくる政治の結集軸」を目指すとした>。

<嘉田氏は知事のまま代表に就く。任意団体としてスタートし、政党を含む幅広い層に賛同者を募る。代表代行には脱原発を訴える環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長が就任する>。

<「卒原発」以外の政策の柱は、「活女性、子ども」誰もが居場所のある社会を実現▽「守暮らし」生活に対する不安を取り除く▽「脱増税」消費増税の前に、徹底してムダを削除▽「脱官僚」国民・地域の立場に立った行政・司法に改める▽「誇外交」食品の安全、医療制度を守り、品格ある外交を展開、とした>。

滋賀県の嘉田由紀子知事が動いた。新党「日本未来の党」を結成するとのこと。

嘉田氏は学者から知事になった人で、政治家臭さがない。女性なのもあって、フレッシュな印象がある。以前から脱原発のオピニオンを発していて、筋も通っている。これは、脱原発勢力の本命になるかもしれない。

<嘉田氏は「びわこ宣言」も発表。東日本大震災後初の国政選挙であるにもかかわらず、原発のない社会に向けての議論は不透明なままだ、と指摘。「自民党はこれまで原発の安全神話をつくり、事故への備えを怠り福島事故に対する反省は一切なく、原発推進ともとれるマニフェストを発表した」と批判した>。

これは私もその通りだと思う。日本の原発体制は自民党政権が作ってきたもので、民主党政権はその尻拭いをさせられた。自民党は原発の総括をしておらず、福島の事故を無視しているようにしか見えない。

朝日新聞デジタル - 「脱原発」河村・山田両氏、日本未来の党に参加の意向(2012年11月27日17時40分)
http://www.asahi.com/politics/update/1127/TKY201211270606.html

<「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」の山田正彦共同代表は27日、嘉田由紀子・滋賀県知事が結党する「日本未来の党」について「我々も手を挙げたい。考え方は一致している」と参加を表明した。朝日新聞の取材に答えた。河村たかし共同代表も名古屋市内で記者団に「同じような人たちが集まって、大日本庶民連合でええじゃないか」と語り、参加する意向を示した>。

河村氏の「減税日本」と山田氏・亀井氏の「反TPP」が合体した「脱原発」も、合流の意向を発表。この腰の軽さにはあきれるが、政局的には正しい判断だろう。

朝日新聞デジタル - 国民の生活が第一、解党へ 日本未来の党に合流決定(2012年11月27日18時17分)
http://www.asahi.com/politics/update2/1127/TKY201211270668.html

<国民の生活が第一(小沢一郎代表)は27日夕、常任幹事会を開き、滋賀県の嘉田由紀子知事が結成する「日本未来の党」に合流する方針を決めた。常任幹事会後、生活の山岡賢次代表代行が記者団に「一緒にやろうということになった。解党して合流することになる」と明らかにした>。

そして、小沢氏も合流を表明。小沢氏はいずれ動くだろうと思っていたが、この嘉田新党への参加は、私もベストなタイミングだと思う。小沢氏は国民に不人気であることをみずから自覚しているだろうし、嘉田氏なら脱原発勢力の中心になれる、と見込んでのことだろう。

朝日新聞デジタル - 脱原発、第三極を二分 滋賀知事が新党、維新と一線(2012年11月27日8時0分)
http://www.asahi.com/politics/update/1127/TKY201211270352.html


二分化された第三極の構図

<12月の総選挙に向け、第三極の二分化の動きが鮮明になってきた。滋賀県の嘉田由紀子知事は27日、「脱原発」を旗印に新党結成を表明する見通しで、小沢一郎代表率いる国民の生活が第一などとの連携に乗り出す。先行する日本維新の会(石原慎太郎代表)と一線を画す勢力結集を目指しており、総選挙全体の構図に影響する可能性がある>。

これは嘉田新党の正式発表前の記事だが、「二分化された第三極の構図」の図がわかりやすい。

第三極では、原発維持なのは日本維新の会だけで、他の党は脱原発。TPPはみんなの党が積極派で、維新は保留つき、他の党は慎重派。

ノーラン・チャートで言えば、日本維新の会が「愛国的保守主義・右翼」、みんなの党は「リバタリアニズム・自由主義」、他の党は「リベラリズム・左翼」というポジションになるだろう。この「二分化された第三極の構図」とあわせて見ると、理解が深まると思う。ノーラン・チャート的には、原発は国家主義の象徴で、TPPは自由主義の象徴、と言えるかもしれない。

私も脱原発派だし、脱原発の動きが大きくなることは重要だと思う。特に、原発維持派である自民と維新が勝ちそうな今の情勢では、なおさらだろう。しかし同時に、原発というシングルイシューだけで政治を選んでしまうことにも、危険な一面がある。今回、この嘉田新党が脱原発派の中心になってくれば、原発というシングルイシュー以外の面では、てんでバラバラな集団ということにもなりやすい。原発は大きな争点のひとつではあるが、国政政党の選択は、より総合的な視点から判断する必要があるだろう。


関連:
ウィキペディア - 嘉田由紀子
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%98%89..

関連エントリ:
減税日本と反TPPが合流、新党「脱原発」結成
http://mojix.org/2012/11/23/datsugenpatu
小沢新党の名前は「国民の生活が第一」に 「みんなの党」「たちあがれ日本」を超えるインパクト
http://mojix.org/2012/07/12/ozawa-party
右翼(国家主義)と左翼(社会主義)は反対概念ではなく、独立概念である
http://mojix.org/2010/10/14/left-and-right