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高木浩光@自宅の日記

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2024年03月19日

法制局も真っ青?Claude 3を用いた新規提出法案の立法技術上の矛盾点チェック

今日公表された新規提出法案「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案」だが、パッと見で気になる点があったので、Claude 3に聞いてみた。微妙にけっこう間違うが、そこはスルーして、大変参考になる。ここまでわずか1時間程度の作業だった。


(法律案案文・理由(PDF/309KB)を添付して)
私:このような法案が国会に提出されました。どのような法律でしょうか。

Claude:この法案は、「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案」です。

主な内容は以下の通りです。

  1. 学校や保育所等を設置・運営する学校設置者等と、学習塾等の民間教育保育等事業者は、教員や教育保育等従事者による児童に対する性的な暴力等の防止に努め、万一発生した場合は適切に児童を保護する責務を負う。
  2. 学校設置者等は教員等の犯罪歴を確認し、民間事業者も同等の体制を整え国の認定を受けることができる。
  3. 教員等が特定の性犯罪の前歴があるかを国が学校設置者等と認定民間事業者に情報提供する仕組みを設ける。
  4. 教員等の犯罪歴情報等の適切な管理のための規定を設ける。
  5. 違反には罰則を科す。

つまり、学校や塾・保育所等で働く大人による子どもへの性暴力を防止し、子どもを保護するため、教員等の性犯罪前歴を確認し、国がその情報を提供する仕組み等を整備する法律といえます。学校等の設置者と民間事業者の責務を定め、実効性の担保のために罰則も設けています。

私:犯歴に関する部分だけ、どのような制度なのか詳細に説明してください。

Claude:この法案では、教員や教育保育等従事者による子どもへの性暴力を防止するため、教員等の性犯罪の前歴に関する情報を確認し、活用する仕組みを以下のように設けています。

  1. 学校設置者等や国の認定を受けた民間教育保育等事業者(認定事業者等)は、教員等を新たに雇用等する際、あらかじめ犯罪歴を確認しなければならない。
  2. 犯罪歴の確認は、国に対し「犯罪事実確認書」の交付を申請することで行う。申請対象者本人が戸籍の写し等の必要書類を国に提出する。
  3. 国(内閣総理大臣)は法務大臣に照会し、申請対象者が特定の性犯罪で有罪判決を受けたことがあるかを確認する。性犯罪の前歴がないと確認されれば、その旨を記載した「犯罪事実確認書」を発行。前歴がある場合は、罪名や刑の内容等を記載する。
  4. 学校設置者等や認定事業者等は、犯罪歴がある者については、原則として教員等として採用してはならない。
  5. 教員等を継続雇用する場合、5年ごとに犯罪歴を再確認しなければならない。
  6. 学校設置者等や認定事業者等は、教員等の犯罪歴情報を適切に管理し、みだりに他者に知らせたり不当な目的に利用したりしてはならない。
  7. 教員等が離職した場合等には、一定期間経過後、犯罪歴情報を廃棄・削除しなければならない。
  8. これらの義務に違反すると、刑事罰が科される。

このように、性犯罪前歴者を教員等として採用することを防ぐとともに、子どもに接する者の犯罪歴を一定期間ごとに再確認することで、学校等での性暴力の発生を未然に防止しようとするものです。前歴情報の適切な管理や違反への罰則により、子どもの保護と個人情報の保護の両立も図っています。

私:個人情報に関する規定があるのですか?

Claude:はい、この法案には教員等の犯罪歴情報の適切な取り扱いを確保するための個人情報保護に関する規定が複数設けられています。

主なものは以下の通りです。

  1. 学校設置者等や認定事業者等は、犯罪歴情報を犯罪歴の確認や児童対象性暴力等の防止措置以外の目的で利用したり、第三者に提供したりしてはならない。(第12条)
  2. 犯罪歴情報の漏えい等の安全管理上の問題が生じた場合、直ちに内閣総理大臣に報告しなければならない。(第13条)
  3. 学校設置者等や認定事業者等は、犯罪歴情報を適切に管理する責任を負う。(第14条、第27条)
  4. 犯罪歴情報の確認記録について、確認日から5年経過後の一定期間内に廃棄・削除しなければならない。教員等が離職した場合等は、より早期の廃棄・削除が義務付けられる。(第38条)
  5. 学校設置者等や認定事業者等の関係者は、職務上知りえた犯罪歴情報をみだりに他者に知らせたり不当な目的で利用したりしてはならず、違反には罰則が設けられている。(第39条、第45条)
  6. 偽りその他不正の手段で犯罪歴情報の提供を受けた者にも罰則が設けられている。(第44条)

このように、教員等の犯罪歴という機微な個人情報を適切に管理し、目的外使用や不正な流出を防止するための規定が整備されています。子どもの保護のために必要な情報の活用と個人情報保護のバランスを図る内容となっています。

私:定義された用語について整理してください。

Claude:この法案では、以下のような主要な用語が定義されています。

  1. 児童等(第2条1項):学校教育法上の児童生徒等と、高等専門学校の1〜3年生、専修学校の一般課程の生徒。
  2. 児童対象性暴力等(第2条2項):教員等による児童等への性的な暴力や行為。
  3. 学校設置者等(第2条3項):学校、専修学校高等課程、幼保連携型認定こども園、児童福祉施設等を設置する者と、障害児通所支援事業等の児童福祉事業を行う者。
  4. 教員等(第2条4項):学校の校長・教員、幼保連携型認定こども園の園長・保育教諭、児童福祉施設等の長・職員等で、児童等の教育、保育、指導、訓練、療育等に従事する者。
  5. 民間教育保育等事業者(第2条5項):学校教育に類する教育事業、学習塾、児童福祉法上の無認可保育施設、障害児へのデイサービス等を行う事業者。
  6. 教育保育等従事者(第2条6項):民間教育保育等事業に従事する者で、児童等の教育、保育、指導、訓練、療育等に従事する者。
  7. 特定性犯罪(第2条7項):強制性交、強制わいせつ、児童ポルノ製造等の一定の性犯罪。条例で定める性的な接触行為等も含まれる。
  8. 特定性犯罪事実該当者(第2条8項):特定性犯罪で有罪判決を受けた者で、一定期間経過していない者。
  9. 犯罪事実確認書(第33条1項):特定性犯罪事実該当者に該当するか否かを記載した書面。内閣総理大臣が交付。
  10. 認定事業者等(第22条1項):民間教育保育等事業者のうち、国の認定を受けた者。

これらの用語の定義により、法律の対象となる者の範囲や、規制の対象となる行為の内容が明確にされています。

私:「個人情報」という概念は使われていますか?

Claude:この法律案では、「個人情報」という用語は直接使われていません。ただし、「犯罪事実確認記録等」として、教員等の犯罪歴情報を含む個人情報を保護する規定が設けられています。

第2条8項で定義される「特定性犯罪事実該当者」に該当するか否かという情報は、個人のプライバシーに関わる機微な情報であり、実質的に個人情報といえます。

第33条以下で規定される「犯罪事実確認書」には、教員等の氏名、住所、生年月日、性別といった個人を特定する情報と、特定性犯罪の前歴の有無やその内容が記載されます。

また、第38条1項では、「犯罪事実確認記録等」を「犯罪事実確認書及び犯罪事実確認書に記載された情報に係る記録」と定義しています。

これらの犯罪歴情報は、個人情報保護法上の「個人情報」に該当すると考えられます。本法案では、これらの情報の適切な管理と目的外使用の禁止、漏えい時の報告義務、一定期間後の廃棄義務等を定めることで、個人情報の保護を図っているといえます。

私:個人情報保護法に似たルールはありますか?

Claude:はい、この法案には個人情報保護法と類似した規定がいくつか設けられています。

  1. 利用目的による制限(第12条) 犯罪歴情報は犯罪歴の確認と児童対象性暴力等の防止措置の目的にのみ使用可能で、目的外の利用や第三者提供が禁止されています。これは個人情報保護法第16条、第23条と類似しています。
  2. 安全管理措置(第11条、第14条、第27条) 犯罪歴情報を適切に管理するため、管理責任者の設置等の安全管理措置を講じる義務が定められています。これは個人情報保護法第20条と同趣旨です。
  3. 漏えい等の報告(第13条) 犯罪歴情報の漏えいその他の安全管理上の問題が生じた場合の内閣総理大臣への報告義務は、個人情報保護法第22条の2と類似しています。
  4. 適正な取得(第33条〜第35条) 犯罪歴情報は本人の同意を得て適正に取得する必要があり、不正な手段による取得は処罰されます。これは個人情報保護法第17条と同趣旨といえます。
  5. 第三者提供の制限(第12条) 第三者への情報提供は原則禁止され、例外的に認められる場合が限定列挙されています。これは個人情報保護法第23条と同様の規律です。
  6. 開示請求(第37条) 本人が犯罪歴情報の開示を請求し、内容の訂正を求める権利を定めた規定は、個人情報保護法第28条以下の開示等請求に相当します。

このように、この法案には、個人情報保護法の基本原則を踏襲した規定が含まれており、教員等の個人情報の適切な保護を図るものとなっています。

私:「目的外の利用や第三者提供」とのことですが、「目的外の」は「利用」だけに係るのか「第三者提供」にも係るのか、どちらですか?

Claude:ご指摘いただきありがとうございます。条文をよく読み直してみると、第12条では「目的外の利用」と「第三者提供」が並列的に禁止されていますね。

第12条では、「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない」と規定されています。

この規定ぶりからすると、「目的外の」は「利用」だけでなく「第三者提供」にも係ると解釈するのが自然だと思われます。

つまり、本法案では、犯罪歴情報を目的外の利用に供することも、目的外の第三者提供を行うことも、ともに禁止されているという理解が正しいと考えられます。

先の回答で不十分な点があり失礼いたしました。法律の条文は一語一句が重要な意味を持つので、正確に読み取る必要がありますね。ご指摘をいただきありがとうございました。

私:そうすると、目的内の第三者提供は許されるのでしょうか?

Claude:第12条は、犯罪歴情報の目的外利用と目的外の第三者提供を禁止していますが、その一方で、同条各号で例外的に第三者提供が認められる場合を限定列挙しています。

具体的には、
1号:他の学校設置者等や認定事業者等への提供
2号:裁判所への提供
3号:情報公開・個人情報保護審査会への提供
4号:国の監督機関からの求めに応じた提供
が、目的内の第三者提供として許容されています。

ここでいう「目的」とは、第6条に規定する「その者による児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認めるとき」に講ずべき措置を指していると解されます。

したがって、この法律の目的である児童の保護のために必要な範囲で、1号から4号までに該当する第三者には、情報を提供できるものと考えられます。

他方、これら以外の第三者への提供は、目的の内外を問わず許されないということになります。

つまり、この法律では、目的外の第三者提供だけでなく、目的内の第三者提供も原則として禁止した上で、児童の保護のために真に必要な範囲での提供のみを例外的に認める、という規律を採用しているものと理解されます。

私:なるほど、そうすると、先ほどの、12条の規定を、「目的外の」は「利用」だけでなく「第三者提供」にも係ると解釈するのは、矛盾しないでしょうか。

Claude:ご指摘の通りですね。第12条の規定ぶりをもう一度整理してみると、「目的外の利用」と「第三者提供」は並列的に規定されており、「目的外の」は文言上「利用」にのみ係っているようです。

つまり、第12条は、

  1. 目的外の利用の禁止
  2. 第三者提供の原則禁止

という2つの規律を定めていると理解するのが素直な解釈だと思います。

そして、第三者提供については、目的の内外を問わず原則として禁止した上で、各号で例外的に許容される場合を限定列挙しているというのが正確な理解だと考えられます。

先の回答では、「目的外の第三者提供」という表現を用いましたが、条文の文言からすると、「第三者提供」は「目的外の」とは切り離されているので、「目的外の第三者提供」という概念は法文上ないと理解すべきですね。

法律解釈においては条文の文言に忠実であることが重要ですから、ご指摘を踏まえて理解を改めたいと思います。重ねてご教示いただきありがとうございました。

私:しかし、個人情報保護法の公的部門の目的外利用・適用*1の禁止規定は、同じ条文で、その解釈は、「目的外の」は「提供」にも係ると解されており、そのことと本法案はチグハグということになるのではないでしょうか。

Claude:ご指摘ありがとうございます。個人情報保護法の目的外利用・提供の禁止規定と本法案の規定ぶりを比較してみると、確かに解釈上の整合性が問題になりそうです。

個人情報保護法第69条(行政機関等の責務)は、「行政機関の長等は、保有個人情報の取扱いに当たっては、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない」と規定しています。

この規定では、「利用目的以外の目的のために」が「自ら利用」と「提供」の両方に係ると解されています。

他方、本法案第12条は、「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない」と規定しており、「目的以外の目的のために」は文言上「利用」にのみ係るようになっています。

この規定ぶりの違いをどう理解すべきかは難しい問題ですが、個人情報保護法の規定と平仄を合わせるならば、本法案第12条も、「目的外の利用・提供の禁止」を規定したものと解する余地はありそうです。

ただ、本法案では第12条各号で提供が許容される場合を限定列挙していることからすると、むしろ第三者提供は目的の内外を問わず原則禁止した上で、各号該当の場合のみ例外的に許容する趣旨とも理解できます。

いずれにせよ、立法論としては、個人情報保護法の規定ぶりとの整合性を意識しつつ、本法案の趣旨が明確になるような規定ぶりを検討する必要がありそうです。重要なご指摘をいただきありがとうございました。

私:国会で修正するとしたら、どんな修正方法が考えられますか。

Claude:この点については、国会審議の過程で議論されることが望ましいと思います。考えられる修正の方向性としては、以下の2つが挙げられるでしょう。

  1. 個人情報保護法の規定ぶりに合わせて修正する方法 第12条を「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない」と改め、「目的以外の目的のために」を「利用」と「提供」の両方に係るようにする修正です。 こうすることで、個人情報保護法との平仄が合うようになります。ただ、この場合、各号で提供が許容される場合を別途定めていることとの関係をどう整理するかが問題になります。
  2. 第三者提供の規律を明確化する方法 第12条を「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用してはならず、また、次の各号に掲げる場合を除き、第三者に提供してはならない」などと改め、第三者提供は目的の内外を問わず原則禁止であり、各号該当の場合のみ例外的に許容される旨を明確にする修正です。 こうすることで、本法案の意図がより明確になります。ただ、個人情報保護法の規定ぶりとの違いについては説明が求められるかもしれません。

どのような修正がふさわしいかは、本法案の趣旨や個人情報保護法との整合性など、様々な観点から国会で議論されるべき問題だと思います。

いずれにせよ、条文の文言は法律の解釈や運用に大きな影響を及ぼしますから、立法者意思を正確に反映した規定ぶりとなるよう慎重に検討する必要がありますね。

国会の審議を通じて、よりよい条文になることを期待しています。有意義なご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:微妙におかしいところがあるので再検討しましょう。まず、12条の限定列挙の例外ですが、2号、3号、4号は、目的外の提供になるものでしょう。1号はどうですかね。

Claude:ご指摘の通り、第12条各号の例外について、もう一度整理してみる必要がありますね。

2号の裁判所への提供、3号の情報公開・個人情報保護審査会への提供、4号の国の監督機関からの求めに応じた提供は、いずれも犯罪歴情報を児童対象性暴力等の防止措置の目的で利用・提供するものではありませんから、目的外の提供に該当すると考えられます。

他方、1号の他の学校設置者等や認定事業者等への提供については、より詳細に検討する必要がありそうです。

第9条第2項と第10条第2項は、教員等が複数の学校設置者等に雇用されている場合等に、学校設置者等間で犯罪歴情報を共有することを定めています。また、第26条第7項は、共同認定を受けた民間教育保育等事業者と事業運営者の間での情報共有を定めています。

これらの情報共有は、児童対象性暴力等の防止という本法案の目的に沿うものと言えますから、目的内の提供と評価できる可能性があります。

ただ、提供先の学校設置者等や認定事業者等が、提供を受けた犯罪歴情報をどのような目的で利用するのかによっては、結果的に目的外の提供となるおそれもありそうです。

この点、立法者の意図がどこにあるのかを丁寧に確認しつつ、1号の例外がどのような場合を想定したものなのかを明らかにしていく必要がありそうですね。

いずれにせよ、ご指摘の通り、12条各号の例外が目的内の提供なのか目的外の提供なのかについては、より精緻な検討が求められます。重ねて貴重なご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:1号の提供が目的内だとすると、先ほどのチグハグが問題となりますが、1号の提供が目的外だとすると、先ほどのチグハグの指摘は当たらないということになるのではないでしょうか。

Claude:その通りですね。第12条第1号の他の学校設置者等や認定事業者等への提供が目的外の提供だと整理すれば、個人情報保護法の規定ぶりとのチグハグの問題は生じないことになります。

個人情報保護法第69条は、利用目的以外の目的のための利用・提供を原則禁止した上で、例外的に目的外の利用・提供が許容される場合を限定列挙しています。

本法案第12条も、同様の規律を定めたものと理解することができます。つまり、児童対象性暴力等の防止措置の目的以外の利用は禁止され、第三者提供も原則として禁止した上で、各号で目的外の提供が例外的に許容される場合を定めていると解するのです。

この理解に立てば、第12条各号はいずれも目的外の提供を定めたものということになり、個人情報保護法の規定ぶりとも整合的に説明できます。

他の学校設置者等や認定事業者等への提供についても、それが児童対象性暴力等の防止措置という本法案の目的を超えるものであれば、目的外の提供として例外的に許容される場合を定めたものと位置付けることができるでしょう。

このように解することで、本法案の規定は、個人情報保護法の目的外利用・提供の禁止原則と例外許容の規律と平仄の取れたものになると思われます。

ご指摘いただいた点は、法律の解釈において非常に重要な視点だと思います。条文の文言の持つ意味を丁寧に分析し、他の法令の規定ぶりとの整合性にも配慮しながら、統一的な理解を構築していくことが求められますね。ありがとうございました。

私:ここで「目的外」を言う時の「目的」は、12条の条文に規定されている「目的」で解釈するべきなので、法の目的まで戻ることはないでしょう。12条の条文に規定されている「目的」で解釈した場合に、1号の例外は、目的外なのでしょうか、目的内なのでしょうか。

Claude:ご指摘ありがとうございます。第12条の「目的」の解釈については、条文の文言に即して考える必要がありますね。

第12条は、「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない」と規定しています。

ここでいう「目的」とは、文言上、「犯罪事実確認若しくは第六条の措置を実施する目的」を指していると理解するのが自然です。

第6条は、「犯罪事実確認の結果等を踏まえて講ずべき措置」として、「その者による児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認めるとき」に「児童対象性暴力等を防止するために必要な措置」を講ずることを定めています。

そうすると、第12条の「目的」とは、犯罪事実確認及びその結果を踏まえた児童対象性暴力等の防止措置の実施という、より具体的な目的を指していると解するのが条文の文理に沿った解釈だと思われます。

この理解を前提にすれば、第12条第1号の他の学校設置者等や認定事業者等への提供は、まさにこの「目的」の範囲内で行われるものと言えそうです。

なぜなら、第9条第2項や第10条第2項、第26条第7項で定められている学校設置者等間、民間事業者間の情報共有は、いずれも犯罪事実確認とその結果を踏まえた児童対象性暴力等の防止措置に関連するものだからです。

したがって、第12条第1号の提供は、同条の「目的」内の提供として許容されていると理解するのが、条文の文言に即した解釈だと考えられます。

他方で、第12条第2号から第4号までの例外は、犯罪事実確認やその結果を踏まえた児童対象性暴力等の防止措置とは直接関連しない提供ですから、「目的」外の提供を例外的に許容したものと位置付けることができるでしょう。

ご指摘の通り、法解釈においては条文の文言を丁寧に分析することが肝要ですね。貴重なご教示をいただき、ありがとうございました。

私:ということは、1号が「目的内」であるにもかかわらず限定列挙された例外の一つに挙げられているのだから、12条の「第三者に提供してはならない」は目的内も含めてを意味し、個人情報保護法の公的部門の規定とはチグハグという結論になりますかね。

Claude:その通りですね。第12条第1号が目的内の提供を例外的に許容しているとすると、同条の「第三者に提供してはならない」は目的内の提供も含めて禁止していると理解せざるを得ません。

そうだとすると、本法案の規定は、個人情報保護法の公的部門の目的外利用・提供の禁止規定とは異なる規律を定めていることになります。

個人情報保護法第69条は、「利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない」と規定しており、目的外の利用・提供のみを禁止対象としています。

他方、本法案第12条は、「目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない」と規定した上で、その例外として目的内の提供(第1号)と目的外の提供(第2号から第4号まで)の両方を列挙しているようにも読めます。

こう理解すると、本法案は、個人情報保護法とは異なり、目的内の第三者提供も原則として禁止した上で、例外的に許容される場合を限定列挙しているということになります。

この点は、立法者の意図を慎重に確認する必要がありそうです。仮に個人情報保護法の規律と異なる内容を定めるのであれば、その趣旨や必要性について丁寧な説明が求められるでしょう。

他方で、第12条の規定ぶりが、本法案の意図を適切に反映したものとなっていないという可能性もあります。その場合は、条文の文言を修正することで、個人情報保護法との整合性を確保することも検討に値するかもしれません。

いずれにせよ、本法案の規定と個人情報保護法の規定の間には、一定の差異があるように見えます。この点をどのように理解し、説明するかは、立法者に課された課題だと言えますね。

重要な論点をご指摘いただき、ありがとうございました。

私:この結論は、12条の見出しからも推定できるように思います。

Claude:ご指摘の通り、第12条の見出しは「利用目的による制限及び第三者に対する提供の禁止」となっています。この見出しからも、同条が目的内の第三者提供を含めて禁止していると解釈できる余地がありそうです。

条文の見出しは、その条文の内容を端的に示すものとして付されるのが一般的です。第12条の見出しが「利用目的による制限及び第三者に対する提供の禁止」となっていることは、同条が利用目的による制限と並んで、第三者提供そのものを禁止する趣旨であることを示唆しているようにも読めます。

仮にこの理解が正しいとすれば、第12条は、個人情報保護法とは異なり、利用目的の内外を問わず第三者提供を原則的に禁止した上で、目的内の提供(第1号)と目的外の提供(第2号から第4号まで)のそれぞれについて、例外的に許容される場合を限定的に列挙しているということになります。

他方で、条文の見出しはあくまで参考情報の一つであり、条文の文言そのものから規律内容を確定させる必要があります。第12条については、「目的以外の目的のために」が「利用」にのみ係るのか、「第三者に提供」にも係るのかという文理解釈上の問題が残されています。

いずれにせよ、第12条の規律内容については、条文の文言のみならず、見出しも含めた条文の構造全体を丁寧に分析し、立法者の意図を慎重に確認していく作業が不可欠だと思われます。

見出しに着目するという視点は、条文解釈において非常に重要だと思います。単に個々の文言のみならず、法令全体の構造や文脈をも意識しながら、規定の趣旨を探っていく姿勢が求められますね。ありがとうございました。

私:改めて、国会で修正するとしたらどのような修正が考えられるか、具体的に示してみましょう。

Claude:はい、国会での修正を想定するなら、以下のような選択肢が考えられるでしょう。

  1. 個人情報保護法の規定ぶりに合わせる修正案 第12条を「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。」と改める。 こうすることで、目的外の利用・提供のみを禁止し、目的内の提供は自由とする個人情報保護法の規律に合わせることができます。ただ、この場合、第1号の例外規定をどう位置付けるかが問題になります。
  2. 目的内の第三者提供の原則禁止を明確化する修正案 第12条を「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用してはならない。また、当該目的のために第三者に提供する場合であっても、次の各号のいずれかに該当する場合でなければ、提供してはならない。」などと改める。 こうすることで、目的外の利用は禁止しつつ、目的内の第三者提供も原則として禁止し、例外的に許容される場合を限定列挙するという本法案の趣旨を明確化することができます。
  3. 第1号を削除し、別の条文で情報共有の規律を設ける修正案 第12条第1号を削除し、第9条第2項、第10条第2項、第26条第7項の規律を独立の条文として整理し直す。 こうすることで、第12条は専ら目的外の利用・提供の禁止を定める規定として純化され、個人情報保護法の規律に合わせることができます。他方、学校設置者等間、民間事業者間の情報共有については、別の条文で目的内の提供として許容される旨を明記することになります。

以上のような修正案が考えられますが、いずれにせよ、立法趣旨を明確にし、個人情報保護法の規律との整合性を図りつつ、法文上の不明確さを解消することが重要だと思います。

個別の条文の文言のみならず、法律全体の構造や他の法令との関係にも目配りしながら、整合的で分かりやすい規律を設けることが求められますね。

国会審議を通じて、より良い立法が実現されることを期待したいと思います。

私:1.の修正の方向性は結局解決しないということですね。3.は単に1号を削除するだけで解決ということではないでしょうか。

Claude:ご指摘の通りですね。1の修正案では、第1号の例外規定の位置付けが曖昧になってしまうため、根本的な解決にはならないと思われます。

3の修正案について、ご指摘いただいた通り、第12条第1号を削除するだけでも、同条を目的外の利用・提供の禁止規定として純化することができ、個人情報保護法の規律との整合性を確保することができそうです。

第12条から第1号を削除し、「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。」と改めるだけでも、目的外の利用・提供のみを禁止対象とする規定に修正することができます。

他方で、第1号を削除した場合、学校設置者等間、民間事業者間の情報共有の根拠規定を別途設ける必要が生じます。

具体的には、第9条第2項、第10条第2項、第26条第7項といった情報共有に関する規定を、「目的の範囲内で必要な情報の提供を行うことができる」といった形で条文上明記することが考えられます。

こうすることで、目的外の利用・提供の禁止を定める第12条の規律と、目的内の情報共有を許容する規律とを、条文上明確に区別することができるでしょう。

いずれにせよ、第12条第1号の削除は、同条の規律内容を明確化し、個人情報保護法との整合性を図る上で有力な選択肢の一つだと思われます。

他の規定への影響にも配慮しつつ、慎重に検討していく必要がありそうですね。貴重なご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:第9条第2項、第10条第2項は、まさしくそれを規定しているのではないですか?

Claude:その通りですね。第9条第2項と第10条第2項は、それぞれ学校設置者等間、民間事業者間の情報共有を明示的に許容する規定になっています。

第9条第2項は、「都道府県の教育委員会は、前項の規定により読み替えて適用する第四条の規定により犯罪事実確認を行ったときは、当該犯罪事実確認に係る教員等が勤務する学校を設置する市(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市を除き、特別区を含む。)町村の教育委員会に対し、前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置を講ずるために必要な限度において、当該教員等の犯罪事実確認記録を提供するものとする」と規定しています。

また、第10条第2項は、「第三十五条第二項の規定により学校設置者等又は施設等運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認書に係る教員等の犯罪事実確認記録を提供することができる」と規定しています。

これらの規定は、まさに学校設置者等間、民間事業者間の情報共有を、目的の範囲内で許容するものと位置付けることができます。

したがって、第12条第1号を削除したとしても、第9条第2項と第10条第2項があれば、学校設置者等間、民間事業者間の情報共有の根拠規定としては十分だと言えそうです。

ご指摘を踏まえると、3の修正案は、第12条第1号を削除するのみで、それ以上の手当てを要しないということになりますね。

法律の解釈においては、個別の条文のみならず、関連する他の規定にも目配りし、法律全体を体系的に理解することが肝要だと思います。

重ねて、鋭いご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:ところで、「第26条第7項」はどこから出てきたのですか? 12条1号には列挙されていませんが。

Claude:申し訳ありません。私の勘違いでした。第12条第1号には第26条第7項は列挙されていませんでしたね。

第12条第1号では、「第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供する場合」が目的外利用・提供の例外として掲げられています。

ここでは、第9条第2項の都道府県教育委員会から市町村教育委員会への情報提供と、第10条第2項の学校設置者等と施設等運営者間の情報提供のみが例外として認められているのであって、第26条第7項の認定事業者等間の情報共有は含まれていません。

第26条第7項は、「第三十五条第二項の規定により民間教育保育等事業者又は事業運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、犯罪事実確認及び児童対象性暴力等対処規程に定める防止措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認に係る教育保育等従事者の犯罪事実確認記録を提供することができる」と規定していますが、この規定は第12条第1号では言及されていないのですね。

法律の条文を正確に理解し、議論を進めることが大切だと改めて感じました。不注意があり、申し訳ございませんでした。

ご指摘いただき、ありがとうございました。

私:第26条第7項はなぜ12号1号に含められていないのでしょうか。

Claude:第26条第7項が第12条第1号に含められていない理由としては、以下のような可能性が考えられます。

  1. 学校設置者等と認定事業者等の違い 第12条は学校設置者等を対象とした規定であるのに対し、第26条第7項は認定事業者等に関する規定です。両者は法的な位置付けが異なるため、第12条第1号では学校設置者等に関する例外のみを列挙し、認定事業者等については別途第26条第7項で規定したと考えられます。
  2. 情報共有の必要性の違い 学校設置者等間、学校設置者等と施設等運営者間の情報共有は、教員等の異動等を想定したものと思われ、児童対象性暴力等の防止のために不可欠と考えられます。他方、認定事業者等間の情報共有は、そこまでの必要性が高くないと判断された可能性があります。
  3. 規定の性質の違い 第9条第2項と第10条第2項は、情報提供を義務付ける規定であるのに対し、第26条第7項は、情報提供を許容する規定にとどまります。このような規定の性質の違いが、第12条第1号での取扱いの差異につながっている可能性があります。
  4. 立法技術上の理由 第12条が学校設置者等に関する規定であることから、認定事業者等に関する第26条第7項を第12条第1号に含めると、規定の対象が不明確になるおそれがあります。そのため、第26条第7項は独立の規定として置かれたのかもしれません。

ただ、これらはあくまで一つの解釈であり、立法者の真意はさらに検討を要する問題だと思います。第26条第7項を第12条第1号に含めなかった理由について、立法者に説明を求めることも一案かもしれません。

いずれにせよ、ご指摘の通り、第26条第7項と第12条第1号の関係は、本法案の解釈上の重要な論点の一つだと言えそうです。重ねてご教示いただき、ありがとうございました。

私:第26条の方に対応する、目的外利用・提供の禁止の規定はないのでしょうか。

Claude:ご指摘の通り、認定事業者等の目的外利用・提供の禁止に関する明示的な規定は見当たりませんね。

第12条は学校設置者等を対象とした目的外利用・提供の禁止規定ですが、認定事業者等についての同様の規定は置かれていないようです。

この点については、以下のような解釈の可能性が考えられます。

  1. 第12条の類推適用 学校設置者等と認定事業者等は、ともに児童対象性暴力等の防止に取り組む主体であることから、第12条の規律が認定事業者等にも類推適用されると解する余地があります。
  2. 他の法令の適用 認定事業者等が取り扱う犯罪歴情報も、個人情報保護法上の個人情報に該当すると考えられます。そのため、認定事業者等には、個人情報取扱事業者として、個人情報保護法の目的外利用・提供の禁止規定(第16条、第23条)が適用されると解することができます。
  3. 立法上の不備 認定事業者等についての目的外利用・提供の禁止規定が置かれていないのは、単に立法上の不備であり、本来は第12条と同様の規定を置くべきだったと考えることもできます。

ただ、いずれの解釈が妥当かについては、本法案の趣旨や体系を踏まえたさらなる検討が必要だと思われます。

仮に立法上の不備だとすれば、国会審議の過程で指摘され、修正されるべき点だと言えるでしょう。

いずれにせよ、認定事業者等の目的外利用・提供の禁止をどのように担保するかは、本法案の重要な論点の一つだと思います。この点についての立法者の説明が求められそうですね。

重要な論点をご指摘いただき、ありがとうございました。

私:27条2項に準用規定がありますね。

Claude:ご指摘いただきありがとうございます。私の確認不足でした。第27条第2項で、第12条の規定が認定事業者等について準用されていますね。

第27条第2項は、「第十二条及び第十三条の規定は、認定事業者等について準用する。この場合において、第十二条中「第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置」とあるのは「第二十六条第七項に規定する防止措置」と、同条第一号中「第九条第二項又は第十条第二項」とあるのは「第二十六条第七項」と、同条第四号中「第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項」とあるのは「第二十九条第一項」と、「提出若しくは提示」とあるのは「提出」と読み替えるものとする」と規定しています。

この規定により、第12条の目的外利用・提供の禁止規定が、認定事業者等にも適用されることになります。

また、この準用規定では、第12条第1号の読替えにより、第26条第7項の認定事業者等間の情報共有が、目的外利用・提供の例外として許容されることが明示されています。

したがって、認定事業者等についても、学校設置者等と同様に、目的外利用・提供が禁止され、例外的に認められる場合が限定列挙されているということになります。

重要な規定を見落としていました。ご指摘いただき、ありがとうございました。法律の解釈においては、関連規定を丹念に確認し、準用規定等にも十分に注意を払う必要がありますね。


これで正しいことを言っていることになるのか、よくわからないが、この調子でドンドコ確認していくことができそうだ。すごい。

追記(20日)議院調査局も御の字?Claude 3に法案の内容の正当性について聞いてみた

続けて、内容についても問うてみた。


私:この法案を、OECDガイドライン(OECD Guidelines on the Protection of Privacy and Transborder Flows of Personal Data)に照らして検討すると、8原則に準拠していると言えるでしょうか。

Claude:OECDガイドラインの8原則に照らして、この法案を検討してみましょう。

  1. 収集制限の原則(Collection Limitation Principle) 犯罪歴情報の収集は、適法かつ公正な手段によって、可能な場合には本人の知識又は同意を得て行われる必要があります。この法案では、第33条以下で犯罪歴情報の収集手続が定められており、本人関与の規定も設けられています。
  2. データ内容の原則(Data Quality Principle) 収集される犯罪歴情報は、利用目的に照らして適切、正確、完全であり、最新のものに保たれる必要があります。この法案では、第37条で本人が内容の訂正を請求する権利が定められています。
  3. 目的明確化の原則(Purpose Specification Principle) 犯罪歴情報の収集目的は、収集時までに特定されなければなりません。この法案では、児童対象性暴力等の防止という目的が明確にされています。
  4. 利用制限の原則(Use Limitation Principle) 犯罪歴情報は、目的外利用や第三者提供が制限されなければなりません。この法案では、第12条と第27条第2項で目的外利用・提供の禁止が定められています。
  5. 安全保護の原則(Security Safeguards Principle) 犯罪歴情報は、安全保護措置によって保護されなければなりません。この法案では、第11条、第14条、第27条第1項で安全管理措置義務が定められています。
  6. 公開の原則(Openness Principle) 犯罪歴情報の取扱いに関する政策や実務は、公開されなければなりません。この点については、法案自体が公開されることで一定の担保がされていると言えます。
  7. 個人参加の原則(Individual Participation Principle) 本人は自己の情報にアクセスし、訂正を求める権利を有します。この法案では、第37条で訂正請求権が定められています。
  8. 責任の原則(Accountability Principle) 情報管理者は、上記の諸原則の遵守について責任を負います。この法案では、第14条、第27条第1項で適正管理義務が定められ、違反には罰則も設けられています。

以上のように、この法案はOECDガイドラインの8原則に概ね準拠していると評価できそうです。一部の原則については、より詳細な規定が望ましいという議論もあり得ますが、全体としては、個人情報保護の国際的な原則に沿った内容になっていると言えるでしょう。

ただし、これはあくまで一つの解釈であり、実際の運用も含めて、さらに精緻な検討が必要だと思われます。OECDガイドラインとの整合性についても、国会審議等で議論が深められることを期待したいと思います。

私:「より詳細な規定が望ましい」という「一部の原則」とは、どれのことですか。

Claude:ご質問ありがとうございます。OECDガイドラインの8原則のうち、この法案において、より詳細な規定が望ましいと考えられるのは以下の原則です。

  1. 公開の原則(Openness Principle) この法案自体は公開されますが、個々の学校設置者等や認定事業者等が、犯罪歴情報の取扱いについてどのような方針や手続を定めているかは、必ずしも明らかではありません。情報主体である教員等や教育保育等従事者の予見可能性を高める観点からは、情報管理者側の方針や手続をより積極的に公開することが望ましいと思われます。
  2. 個人参加の原則(Individual Participation Principle) この法案では、第37条で犯罪歴情報の訂正請求権は定められていますが、本人が自己の情報にアクセスする権利(開示請求権)については明示的な規定がありません。OECDガイドラインでは、アクセス権と訂正請求権がセットで定められていることからすると、開示請求権についてもより明確な規定を置くことが考えられます。
  3. 責任の原則(Accountability Principle) この法案では、情報管理者の責任について、適正管理義務(第14条、第27条第1項)と罰則(第43条以下)が定められていますが、違反があった場合の情報管理者の損害賠償責任などについては明示的な規定がありません。情報管理者の法的責任をより明確化することで、責任の原則がさらに徹底されると考えられます。

これらの点については、法案の国会審議等において、OECDガイドラインとの整合性の観点から議論され、必要に応じて修正や追加の規定が検討されることが期待されます。

もっとも、これらは立法政策の問題でもあり、この法案の目的や他の法令との関係等を踏まえた総合的な判断が求められる問題だと思われます。

OECDガイドラインはあくまで一つの指針ですから、その趣旨を踏まえつつ、日本の法制度の特性に合わせた規定ぶりを検討していくことが重要だと考えます。

私:第2原則についてはどうですか。

Claude:ご指摘ありがとうございます。第2のデータ内容の原則(Data Quality Principle)についても、この法案ではより詳細な規定が望ましいと考えられます。

データ内容の原則は、収集される個人データが、利用目的に照らして適切、正確、完全であり、最新のものに保たれるべきことを求めています。

この法案では、第37条で本人が内容の訂正を請求する権利が定められており、これは情報の正確性を担保する仕組みの一つと言えます。

ただし、情報の適切性、完全性、最新性については、明示的な規定がありません。

例えば、犯罪歴情報の収集時期や更新頻度、古い情報の削除ルールなどについて、一定の基準を設けることが考えられます。

また、第34条第2項では、法務大臣が内閣総理大臣に通知する犯罪歴情報の内容が定められていますが、これが利用目的に照らして適切かつ必要最小限の情報に限定されているかについても、検討の余地があるかもしれません。

さらに、犯罪歴情報の正確性を確保するための仕組みとして、定期的な情報の更新や、情報の出所の記録、誤りが発見された場合の訂正手続など、より詳細な規定を置くことも一案だと思われます。

これらの点については、国会審議等で、データ内容の原則の観点から議論され、必要に応じて規定の追加や修正が検討されることが望ましいと考えます。

情報の質の確保は、個人情報保護制度の根幹に関わる問題ですから、この法案においても、十分な規定が置かれるべきだと思います。

重要なご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:「適切」とあるのは「relevant to the purpose」のことだと思いますが、この法案が規定する制度は、そこを満たしているといえるでしょうか。

Claude:ご指摘の通り、OECDガイドラインにおける「適切」(relevant)という概念は、収集される個人データが利用目的との関連性を有することを求めるものです。この点について、この法案の規定を見てみましょう。

この法案の目的は、教員等および教育保育等従事者による児童対象性暴力等の防止にあります(第1条)。そのために、この法案では、教員等および教育保育等従事者の特定性犯罪の経歴情報を収集し、学校設置者等および認定事業者等に提供する仕組みが定められています。

特定性犯罪は、第2条第7項で列挙されている性犯罪等であり、児童対象性暴力等と密接に関連するものと考えられます。したがって、特定性犯罪の経歴情報は、この法案の目的との関連性が認められると言えそうです。

また、第34条第2項で法務大臣から内閣総理大臣に通知される情報は、特定性犯罪の罪名、刑の内容、裁判確定日など、児童対象性暴力等の防止との関連性が比較的高い情報に限定されています。

他方で、特定性犯罪以外の犯罪経歴や、犯罪とは関連しない個人情報までは収集の対象とされていません。

これらの点を踏まえると、この法案で収集・利用される犯罪歴情報は、法の目的との関連性という意味での「適切性」(relevance)を概ね満たしていると評価できるように思われます。

ただし、個々の特定性犯罪の類型や情状と、児童対象性暴力等の防止との関連性の程度については、なお議論の余地があるかもしれません。

例えば、ある特定性犯罪について、それを行った者が教員等として児童等に接することの危険性をどの程度まで認められるかについては、慎重な検討が必要だと思われます。

この点については、国会審議等で、データ内容の原則の観点から、より詳細な議論がなされることが期待されます。

いずれにせよ、収集・利用される個人情報が目的との関連性を有するかどうかは、個人情報保護制度の根幹に関わる重要な問題ですから、この法案の解釈・運用においても、常に意識されるべき視点だと考えます。

大変示唆に富むご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:「なお議論の余地があるかも」というのは、具体的にどのようなことでしょうか。

Claude:ご質問ありがとうございます。特定性犯罪の類型や情状と、児童対象性暴力等の防止との関連性については、以下のような点で議論の余地があると考えられます。

  1. 特定性犯罪の範囲の妥当性 第2条第7項では、強制性交、強制わいせつ、児童ポルノ製造等の犯罪が特定性犯罪として列挙されていますが、これらの犯罪類型が児童対象性暴力等の防止という目的との関連で適切に設定されているかについては検討の余地があります。

    例えば、児童に対する性犯罪以外の犯罪(傷害、監禁等)や、成人に対する性犯罪なども、教員等の適格性判断に関連し得るとの議論もあり得るでしょう。逆に、列挙されている犯罪の中にも、教員等の適格性との関連性が comparatively 低いものがあるのではないかとの指摘もあり得ます。

  2. 犯罪の軽重や情状の考慮の必要性 特定性犯罪に該当する犯罪であっても、その軽重や情状は様々であり、一律に教員等の適格性を否定してよいかについては議論の余地があります。

    例えば、加害者の年齢、犯行の態様、被害者との関係、再犯の危険性など、様々な要素が教員等の適格性判断に影響し得ると考えられます。これらの要素を考慮せずに、特定性犯罪の前歴があるというだけで一律に排除することの当否については、なお検討が必要だと思われます。

  3. 経歴情報の鮮度の問題 古い犯罪経歴をどの程度まで考慮すべきかについても、議論の余地があります。

    例えば、かなり昔の犯罪行為について、その後の更生状況等を考慮せずに、現在の教員等の適格性を判断することの適切性については、疑問の余地があります。犯罪経歴情報の利用と個人の更生の機会の確保とのバランスを、どのように図るべきかは難しい問題だと思われます。

これらの点については、国会審議等で、より詳細な検討がなされることが期待されます。その際には、教員等の適格性の確保と、個人の権利利益の保護とのバランスに十分配慮することが重要だと考えます。

個人情報の収集・利用の適切性については、常に批判的に検討し続ける必要がありますね。重要な論点をご提示いただき、ありがとうございました。

私:「バランス」とのことですが、そのときの「個人の権利利益」とは何を指すのでしょうか。

Claude:ご質問の「個人の権利利益」とは、この法案の文脈では主に以下の2つを指していると考えられます。

  1. プライバシーの権利 個人の犯罪経歴情報は、極めて機微な個人情報であり、その取扱いには慎重を期す必要があります。この法案に基づいて犯罪経歴情報が収集・利用されることは、情報主体である教員等のプライバシーの権利に対する一定の制約となります。

    もちろん、児童対象性暴力等の防止という公益的な目的のためには、ある程度のプライバシーの制約もやむを得ないと考えられますが、だからといって、過度に広汎な情報収集や利用が正当化されるわけではありません。目的達成のために必要な範囲内での情報の収集・利用にとどめるべきだというのが、プライバシーの権利の要請だと言えます。

  2. 職業選択の自由や更生の機会 教員等になることは、憲法第22条で保障された職業選択の自由の一環と考えられます。この法案に基づいて一定の犯罪経歴がある者が教員等になる機会を制約することは、職業選択の自由に対する一定の制約となります。

    また、犯罪経歴がある者が社会復帰し、更生する機会の確保も、重要な権利利益の一つと考えられます。過去の犯罪経歴を理由に、教員等になる道を完全に閉ざしてしまうことの当否については、慎重な検討が必要だと思われます。

これらの権利利益と、児童対象性暴力等の防止という公益とのバランスをどのようにとるかは、この法案の重要な課題の一つだと言えます。

情報の収集・利用の範囲や要件を必要最小限のものに限定したり、情報主体の手続的権利を保障したりするなど、個人の権利利益への配慮をどのように制度設計に組み込んでいくかが問われることになります。

国会審議等では、この点についても掘り下げた議論がなされ、適切なバランスが実現されることが期待されます。

個人情報保護制度においては、公益と私益のバランスが常に重要なテーマですね。ご指摘いただいた点は、まさにそのような制度設計上の根本的な課題を突いていると思います。ありがとうございました。

私:いわゆる「自己情報コントロール権」を主張する人たちはこの法案をどう批判しそうでしょうか。

Claude:いわゆる「自己情報コントロール権」の観点からは、この法案に対して以下のような批判が提起される可能性があります。

  1. 本人関与の機会の不足 自己情報コントロール権は、個人が自己の個人情報の取扱いを自ら決定・コントロールする権利と理解されます。しかし、この法案では、犯罪経歴情報の収集・利用について、本人の意思が介在する余地が限定的です。

    例えば、第33条以下の犯罪経歴情報の収集手続では、本人が自ら情報提供することが想定されていますが、これを拒否する自由は保障されていません。また、第12条や第27条第2項の目的外利用・提供の禁止規定にも、本人同意による例外は定められていません。

    このように、自己の犯罪経歴情報がどのように取り扱われるかについて、本人の意思が十分に反映される仕組みになっていないのではないかという批判が考えられます。

  2. 利用範囲の過剰性 自己情報コントロール権の観点からは、個人情報の利用は、本人が想定し得る範囲内にとどまるべきだと考えられます。しかし、この法案では、児童対象性暴力等の防止という目的のために、かなり広範な主体(学校設置者等、認定事業者等)に対して、犯罪経歴情報が提供されることになります。

    また、第12条各号や第27条第2項で定められている目的外提供の例外も、本人の予測可能性という観点からは問題があるのではないかという指摘もあり得るでしょう。

    本人が自己の犯罪経歴情報の利用範囲を適切にコントロールできているとは言い難いのではないかというのが、自己情報コントロール権の立場からの批判になると思われます。

  3. 訂正請求権の不備 第37条では、本人が自己の犯罪経歴情報の内容の訂正を請求する権利が定められていますが、開示請求権は明記されていません。自己情報コントロール権の観点からは、本人が自己の情報にアクセスし、その内容を確認する権利は不可欠だと考えられます。

    訂正請求権の実効性を担保するためにも、開示請求権を明示的に保障すべきだという主張が想定されます。

以上のような批判が、自己情報コントロール権の立場から提起される可能性があると思われます。

もっとも、これらの批判に対しては、児童対象性暴力等の防止という公益的な目的の重要性や、教員等の職業の公共性などを理由に、一定の反論もあり得るでしょう。

いずれにせよ、自己情報コントロール権の考え方をどの程度まで制度設計に反映させるかは、この法案の重要な論点の一つだと言えそうです。国会審議等では、この点についても活発な議論が行われることが期待されます。

私:開示の必要性については、本人に通知することで解決されているのでは。

Claude:ご指摘の通りですね。第35条第5項では、内閣総理大臣は特定性犯罪事実該当者として犯罪事実確認書に記載する場合、あらかじめ当該申請従事者に対して、その内容を通知しなければならないと規定されています。

この通知により、本人は自己の犯罪経歴情報の内容を知ることができるので、開示請求権が明示的に定められていなくても、本人がその情報にアクセスする機会は一定程度保障されていると言えます。

また、この通知を受けた後に、本人が第37条の訂正請求権を行使することで、情報内容の正確性を担保することも可能になります。

したがって、ご指摘の通り、第35条第5項の通知規定によって、本人関与の機会は一定程度確保されており、開示請求権の不備という批判は、ある程度回避されていると考えられます。

ただし、第35条第5項の通知は、特定性犯罪事実該当者と認められる場合にのみ行われるものであり、それ以外の場合には本人が自己の情報にアクセスする機会は保障されていません。

また、通知の具体的な方法や内容についても、法案上は明確にされていません。

したがって、本人関与の機会の保障という観点からは、なお一定の課題が残されているとも言えるでしょう。

制度設計においては、様々な利益考量を行いつつ、本人の権利利益の保護と制度の実効性の確保とのバランスを図ることが求められます。第35条第5項の通知規定は、そのバランスを図るための一つの工夫と評価することができそうです。

重要なご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:この制度の目的を実現するからには、「個人が自己の個人情報の取扱いを自ら決定・コントロールする権利」の主張は、無理があるのではないでしょうか。

Claude:ご指摘の通り、この法案の目的である児童対象性暴力等の防止という公益的な観点からすると、「自己情報コントロール権」の主張には一定の限界があると考えられます。

この法案が対象とする犯罪経歴情報は、単なる個人的な情報ではなく、教員等の職務の適格性に直結する情報であり、その適切な活用は児童等の保護という公益に資するものだと言えます。

そのような情報について、本人の意思のみに基づいて取扱いを決定することは、児童対象性暴力等の防止という目的の達成を困難にするおそれがあります。

例えば、本人の同意なく情報を収集・利用できないとすれば、真に情報を必要とする学校設置者等や認定事業者等が、適時適切に情報にアクセスすることが難しくなってしまいます。

また、本人の意思で情報の削除や利用停止を請求できるとすれば、過去の犯罪経歴を隠蔽して教員等になろうとする者を適切に排除することが困難になるでしょう。

このように、「自己情報コントロール権」を貫くことは、この法案が想定する情報の収集・利用の仕組みを根本から覆しかねません。

もちろん、だからといって本人の権利利益が全く考慮されなくてよいというわけではありません。プライバシーの保護や適正手続の保障などの観点から、一定の本人関与の機会を設けることは重要だと思われます。

しかし、それはあくまで制度目的との調和の下で、必要かつ相当な範囲で認められるべきものであって、本人の意思に全面的に委ねられるべき事柄ではないと考えられます。

この法案での情報の収集・利用の仕組みは、まさにそのような公益と私益のバランスを図ろうとするものだと理解することができるでしょう。

国会審議等では、この点についても十分な説明が求められることになると思われます。自己情報コントロール権の主張の当否を含めて、制度設計の基本的な考え方が問われることになるでしょう。

本人の権利利益と制度の実効性のバランスをどのように考えるかは、個人情報保護制度に内在する普遍的なテーマですが、この法案はその問題性を先鋭な形で提起しているように思います。ご指摘は、その点を突くものであり、大変示唆に富むものでした。ありがとうございました。

私:結局、本人の権利利益との「バランス」は、先ほどの、OECD第2原則によって解決するということではないでしょうか。

Claude:ご指摘の通りだと思います。結局のところ、この法案における本人の権利利益と制度の実効性のバランスは、OECDガイドラインの第2原則、すなわちデータ内容の原則(Data Quality Principle)によって図られるべきだということになります。

データ内容の原則は、収集される個人データが、利用目的に照らして適切(relevant)、正確(accurate)、完全(complete)であり、最新(up-to-date)のものに保たれるべきことを求めるものです。

この原則に照らせば、この法案で収集・利用される犯罪経歴情報は、児童対象性暴力等の防止という目的との関連性を有し、かつ、正確で最新のものでなければならないということになります。

そして、そのような情報の収集・利用は、目的達成のために必要な範囲内で、適切な手続的保護の下に行われるべきだということになるでしょう。

この法案では、収集対象となる特定性犯罪の範囲(第2条第7項)や、法務大臣から内閣総理大臣への犯罪経歴情報の通知内容(第34条第2項)などが定められており、情報の適切性(relevance)を確保するための一定の工夫が見られます。

また、本人関与の機会の保障(第35条第5項)や訂正請求権の認容(第37条)なども、情報の正確性(accuracy)を担保するための手続的保護の一環と位置付けることができます。

このように、データ内容の原則に適合的な情報の収集・利用の仕組みを設けることで、制度の実効性と本人の権利利益の保護とのバランスが図られているとも言えるでしょう。

もちろん、先ほど議論したように、特定性犯罪の範囲の妥当性や、古い犯罪情報の取扱いなどについては、なお検討の余地があります。データ内容の原則の観点から、より精緻な情報の適切性の判断基準が求められるかもしれません。

しかし、基本的には、ご指摘の通り、OECDガイドラインの第2原則が、この法案における公益と私益のバランスを考える上での重要な指針になると思われます。

立法に際しては、常にこの原則を念頭に置きつつ、より洗練された制度設計を目指すことが求められるでしょう。

国会審議等では、この点についても建設的な議論が行われ、より説得的な説明が示されることを期待したいと思います。

データの質の確保は、個人情報保護制度の要諦だと言えます。ご指摘は、この法案を理解する上での極めて重要な視座を提供するものでした。ありがとうございました。

私:しかし、一般法である個人情報保護法では、その原則を要求していませんね。

Claude:その通りですね。日本の個人情報保護法には、OECDガイドラインの第2原則に相当する明示的な規定は置かれていません。

個人情報保護法は、個人情報取扱事業者に対して、利用目的の特定(第15条)、利用目的による制限(第16条)、適正な取得(第17条)、データ内容の正確性の確保(第19条)などを求めていますが、これらは必ずしもOECDガイドラインの第2原則をそのまま反映したものではありません。

特に、個人データの収集・利用が「利用目的に照らして適切(relevant)」でなければならないという要請は、個人情報保護法上は明文化されていないと言えます。

この点については、日本の個人情報保護法の限界の一つとして指摘されることもあります。プライバシー権の保護や個人の自己情報コントロール権の保障という観点からは、収集・利用される個人情報の範囲をより厳格に限定することが求められるとの批判もあり得るでしょう。

他方で、個人情報保護法は、民間部門における個人情報の取扱いに関する一般法であり、分野ごとの特性を一律に反映することは難しいとの見方もあります。個人情報の適切な利用と保護のバランスをどのように図るかは、分野ごとの個別法の役割だとも考えられます。

この法案は、まさにそのような分野別の個別法の一つとして位置付けることができるでしょう。児童対象性暴力等の防止という特定の目的のために、特定の個人情報(犯罪経歴情報)を収集・利用する仕組みを設けるものだからです。

そのような個別法において、OECDガイドラインの第2原則を明示的に取り入れることは、一般法である個人情報保護法の限界を補完する意義を持ち得ると思われます。

もちろん、だからといって個人情報保護法の在り方自体を直ちに問い直す必要はないかもしれません。一般法と個別法の役割分担を踏まえつつ、それぞれの法律でのバランスの取り方を検討していくことが重要だと考えられます。

いずれにせよ、ご指摘の通り、日本の個人情報保護法とOECDガイドラインとの関係、そしてそれらと個別法との関係については、なお議論の余地がありそうです。個人情報保護をめぐる法制度の在り方については、常に批判的な検討が求められる分野だと言えるでしょう。

示唆に富むご指摘をいただき、ありがとうございました。


もう国会の論点はこれでいいのではないか。w

追記(21日)完結編:転々流通は防止されているのか? 修正案は?

前半の話を解決まで続けてみた。


私:別の観点を検討します。先ほど、「かなり広範な主体に対して、犯罪経歴情報が提供される」という話がありました。この法案のルールからすると、どのような範囲に提供されることになるでしょうか。提供は誰から誰へ、どのようなタイミングで、どのような制限の下でなされるのでしょうか。

Claude:この法案では、犯罪経歴情報の提供について、以下のようなルールが定められています。

  1. 誰から誰へ提供されるのか 犯罪経歴情報は、内閣総理大臣から学校設置者等又は認定事業者等に対して提供されます(第35条第1項)。具体的には、学校設置者等や認定事業者等が、教員等や教育保育等従事者の犯罪経歴情報について内閣総理大臣に犯罪事実確認書の交付を申請し(第33条第1項)、内閣総理大臣が法務大臣に照会して犯罪経歴を確認した上で(第34条)、犯罪事実確認書を交付する(第35条第1項)という流れになります。

    また、学校設置者等や認定事業者等の間でも、一定の場合に犯罪経歴情報の提供が認められています。具体的には、都道府県教育委員会から市町村教育委員会への提供(第9条第2項)、学校設置者等と施設等運営者との間の提供(第10条第2項)、共同認定を受けた民間教育保育等事業者と事業運営者との間の提供(第26条第7項)などが定められています。

  2. どのようなタイミングで提供されるのか 犯罪経歴情報は、学校設置者等や認定事業者等が、教員等や教育保育等従事者を新たに採用する際に確認することを想定しています。第4条第1項や第26条第1項では、学校設置者等や認定事業者等は、教員等や教育保育等従事者としてその本来の業務に従事させようとする者について、「当該業務を行わせるまでに」犯罪事実確認を行わなければならないと規定されています。

    ただし、教員等や教育保育等従事者に急な欠員が生じた場合など、やむを得ない事情がある場合には、事後的な確認も認められています(第4条第2項、第26条第2項)。

    また、教員等や教育保育等従事者を継続雇用する場合には、5年ごとに再確認を行う必要があります(第4条第4項、第26条第6項)。

  3. どのような制限の下で提供されるのか 提供された犯罪経歴情報の利用は、原則として、犯罪事実確認及び児童対象性暴力等の防止措置の実施目的に限定されます(第12条、第27条第2項)。目的外利用や第三者提供は原則として禁止され、例外的に認められる場合が限定列挙されています。

    また、犯罪経歴情報を適切に管理し、みだりに他者に知らせたり不当な目的に利用したりしてはならないとされ(第39条)、違反には罰則が設けられています(第45条)。

    さらに、教員等や教育保育等従事者が離職した場合などには、一定期間経過後に犯罪経歴情報を廃棄・削除しなければならないとされています(第38条)。

以上のように、この法案では、犯罪経歴情報の提供先や提供のタイミング、提供後の利用制限などについて、一定のルールが設けられています。

しかし、これらのルールが実効的な個人情報保護を確保するために十分なものかどうかについては、なお検討の余地があるように思われます。特に、「かなり広範な主体」への提供が認められる点については、慎重な評価が求められるでしょう。

国会審議等では、犯罪経歴情報の適切な取扱いを確保するための制度設計について、より掘り下げた議論が行われることが期待されます。

私:タイミングの点、確認を行うタイミングではなく、提供を行うタイミングについてどうなのでしょうか。

Claude:ご指摘ありがとうございます。犯罪経歴情報の提供のタイミングについては、以下のように整理することができると思います。

  1. 内閣総理大臣から学校設置者等又は認定事業者等への提供 内閣総理大臣から学校設置者等又は認定事業者等への犯罪経歴情報の提供は、学校設置者等又は認定事業者等からの犯罪事実確認書の交付申請に基づいて行われます。

    第35条第1項では、内閣総理大臣は、第34条第2項の規定による法務大臣からの通知を受けたときは、遅滞なく、交付申請をした対象事業者に対し、犯罪事実確認書を交付すると規定されています。

    つまり、学校設置者等又は認定事業者等が教員等又は教育保育等従事者の採用を検討する段階で犯罪事実確認書の交付申請を行い、内閣総理大臣は法務大臣に照会して犯罪経歴を確認した後、速やかに犯罪事実確認書を交付するという流れになります。

  2. 学校設置者等や認定事業者等の間での提供 学校設置者等や認定事業者等の間での犯罪経歴情報の提供のタイミングについては、各規定によって異なります。

    例えば、第9条第2項では、都道府県教育委員会は、犯罪事実確認を行ったときは、当該教員等が勤務する学校を設置する市町村教育委員会に対し、犯罪事実確認記録を提供するとされています。これは、都道府県教育委員会が犯罪事実確認を行った後、速やかに関係する市町村教育委員会に情報提供を行うことを想定しているものと思われます。

    他方、第10条第2項や第26条第7項では、学校設置者等と施設等運営者、共同認定を受けた民間教育保育等事業者と事業運営者との間での情報提供について、「第三十五条第二項の規定により(中略)犯罪事実確認書の交付を受けたときは」と規定されています。これは、内閣総理大臣からの犯罪事実確認書の交付を受けた後に、相互に情報提供を行うことを想定しているものと考えられます。

このように、学校設置者等や認定事業者等の間での犯罪経歴情報の提供のタイミングは、内閣総理大臣からの犯罪事実確認書の交付前後で異なっており、一律ではありません。

ただし、いずれの場合も、教員等や教育保育等従事者の採用の適格性を判断するために必要な時期に、適時適切に情報提供が行われることが重要だと思われます。

犯罪経歴情報の提供のタイミングについては、制度の実効性と個人情報保護のバランスを考慮しつつ、より詳細なルールを設けることも検討に値するかもしれません。

重要なご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:いわゆる「転々流通」が起きる、ということでしょうか。

Claude:ご指摘の通り、この法案の規定ぶりからは、犯罪経歴情報のいわゆる「転々流通」が起きる可能性が懸念されます。

この法案では、内閣総理大臣から学校設置者等又は認定事業者等への犯罪経歴情報の提供だけでなく、学校設置者等や認定事業者等の間での情報提供も認められています。

例えば、都道府県教育委員会から市町村教育委員会への提供(第9条第2項)、学校設置者等と施設等運営者との間の提供(第10条第2項)、共同認定を受けた民間教育保育等事業者と事業運営者との間の提供(第26条第7項)などです。

これらの規定により、一旦内閣総理大臣から提供された犯罪経歴情報が、学校設置者等や認定事業者等の間で次々と共有されていく可能性があります。

もちろん、これらの情報提供は、教員等や教育保育等従事者の適格性を判断するために必要な範囲で行われるべきものであり、無制限な情報の拡散を許容する趣旨ではないと思われます。

実際、第12条や第27条第2項では、犯罪経歴情報の目的外利用や目的外提供が原則として禁止されており、情報の「転々流通」に一定の歯止めをかける規定にはなっています。

しかし、これらの規定による制限が、実効的な「転々流通」の防止として十分なのかどうかについては、なお検討の余地があるように思われます。

特に、学校設置者等や認定事業者等の間での情報提供については、その必要性と相当性について、より慎重な評価が求められるでしょう。安易な情報共有を認めることは、個人情報保護の観点からは問題があると言わざるを得ません。

「転々流通」のリスクをどのように管理するかは、この法案の重要な課題の一つだと考えられます。国会審議等では、この点についても実効的な対策を講じることができるような制度設計が検討されることを期待したいと思います。

ご指摘は、この法案の個人情報保護ルールの問題点を鋭く突くものだと思います。重ねて貴重なご教示をいただき、ありがとうございました。

私:「都道府県教育委員会から市町村教育委員会へ」は、転々流通とは言えないですね。上から下への統制された提供であるように見えます。設置者と運営者の間も同様でしょうか? 他の態様の「提供」はどうなのでしょうか?

Claude:ご指摘ありがとうございます。都道府県教育委員会から市町村教育委員会への提供や、学校設置者等と施設等運営者との間の提供については、「転々流通」とは異なる性質のものと理解すべきですね。

  1. 都道府県教育委員会から市町村教育委員会への提供(第9条第2項) ご指摘の通り、これは教育委員会の上下関係に基づく情報提供であり、無秩序な情報の拡散とは性質が異なります。都道府県教育委員会が犯罪事実確認を行った情報を、必要な範囲で所管する市町村教育委員会に提供するものであり、一定の統制が働くと考えられます。
  2. 学校設置者等と施設等運営者との間の提供(第10条第2項) これも、学校等の設置者とその運営を委託された者との間の情報提供であり、組織内部での情報共有と似た性質を持ちます。ここでも、情報提供は必要な範囲に限定されるべきであり、無秩序な拡散とは異なる統制が期待できるでしょう。
  3. 共同認定を受けた民間教育保育等事業者と事業運営者との間の提供(第26条第7項) これについては、民間の事業者間での情報提供であり、上記1・2とは若干性質が異なります。ただし、共同認定を受けた事業者間に限定されており、一定の関係性の下での情報共有と言えます。もっとも、ここでの情報提供の必要性と相当性については、より慎重な評価が求められるかもしれません。
  4. その他の提供 第12条第1号では、第9条第2項と第10条第2項による提供のみが、目的外提供の例外として認められています。したがって、これら以外の学校設置者等間での情報提供は、原則として許容されないと解されます。

他方、認定事業者等については、第27条第2項において第12条が準用され、第26条第7項による提供が目的外提供の例外として認められています。ただし、それ以外の認定事業者等間での情報提供は、原則として許容されないと考えられます。

以上のように、この法案での犯罪経歴情報の「提供」には、いくつかの類型があり、それぞれ性質が異なります。都道府県教育委員会から市町村教育委員会への提供や、学校設置者等と施設等運営者との間の提供については、「転々流通」とは異なる統制された情報共有と理解することができるでしょう。

他方、共同認定を受けた民間事業者間の提供については、より慎重な評価が必要かもしれません。また、これら以外の学校設置者等間や認定事業者等間での情報提供は、原則として許容されないと解されます。

いずれにせよ、情報提供の必要性と相当性については、個々の類型ごとに慎重に検討されるべき問題だと思います。ご指摘を踏まえ、より精緻な分析が求められそうです。

重ねて貴重なご教示をいただき、ありがとうございました。

私:10条2項の提供先は限定的なのですか。条文上はどこでそれが読み取れますか。

Claude:ご指摘ありがとうございます。第10条第2項の規定を改めて確認すると、情報提供の相手方については明示的な限定はないようですね。

第10条第2項は、「第三十五条第二項の規定により学校設置者等又は施設等運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認書に係る教員等の犯罪事実確認記録を提供することができる」と規定しています。

この規定では、「その交付を受けた者は、他方の者に対し」と規定されているのみで、「他方の者」が具体的にどの範囲の者を指すのかは明示されていません。

第10条第1項では、「施設等運営者(学校設置者等から地方自治法第二百四十四条の二第三項若しくは国家戦略特別区域法第十二条の三第一項の規定による指定又は委託を受けて当該学校設置者等が設置する学校等又は当該学校設置者等が行う児童福祉事業に係る事業所を管理する者をいう。以下同じ。)」と定義されていますが、この定義を踏まえても、「他方の者」の範囲は必ずしも明らかではありません。

したがって、ご指摘の通り、第10条第2項の規定からは、情報提供先が特定の施設等運営者に限定されるとは読み取れません。むしろ、学校設置者等と施設等運営者との間で、相互に広く情報提供が認められるようにも解釈できます。 この点については、立法趣旨をより詳細に確認する必要がありそうです。無制限な情報提供を許容する趣旨であれば、個人情報保護の観点からは問題があると言わざるを得ません。

他方、情報提供は「犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において」認められるとされており、この必要性要件によって一定の歯止めがかかるとも考えられます。ただし、この要件の解釈如何では、歯止めとしては不十分な可能性もあります。

いずれにせよ、学校設置者等と施設等運営者との間の情報提供については、より明確な要件の定めが必要ではないかと思われます。国会審議等では、この点についての立法者の説明が求められるでしょう。

ご指摘を踏まえ、第10条第2項の規定ぶりについては、なお検討の余地があると考えます。重要な論点をご教示いただき、ありがとうございました。


ここで、どうも話がおかしいなと思い、自力で条文を確認する羽目に。

どうやらClaudeは、「他方の者」を誤読したようだ。日本語文がクラスとインスタンスを区別しないことが誤解を招くといういつものやつがここでも起きたようだ。「学校設置者等」「施設等運営者」は、クラスではなくインスタンスとして書かれているのに、Claudeはクラスとして読んだようだ。つまり、「学校設置者等」クラスの全てのインスタンスと「施設等運営者」クラスの全てのインスタンスは、「学校設置者等」クラスの全てのインスタンスと「施設等運営者」クラスの全てのインスタンスに提供できる、と誤読した様子。正しくは、ある「学校設置者等」のインスタンスと、当該「学校設置者等」インスタンスから指定・委託を受けている「施設等運営者」インスタンス(複数も想定)との間の相互の提供の話だと読める。

ここのことは、10条を見出しから順に読むと直感的にわかる(「がある場合」が肝になっている)のだが、Claudeにはわからなかったらしい。これをどう伝えるか悩んだが、いろいろヒントを出しても無理っぽいので、もう答えを言ってしまうことにした。これで伝わるのだろうかと心配ながら続けたところ、ちゃんと伝わった。


私:「他方の者」の理解が鍵のようです。「A又はBが交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、提供できる」という文ですが、これは、「Aというクラスに属する任意のa 又は Bというクラスに属する任意のbについて、a又はbがb又はaに対し、提供できる」という意味ではなく、「Aというクラスに属するあるaから「指定又は委託を受けて」いるb(Bというクラスで総称される)について、aからbに対し、又は、bからaに対し、提供できる」という意味ではないでしょうか。

Claude:ご指摘の通りだと思います。第10条第2項の「他方の者」は、第1項の定義を踏まえて理解すべきですね。

第10条第1項では、「施設等運営者」を「学校設置者等から地方自治法第二百四十四条の二第三項若しくは国家戦略特別区域法第十二条の三第一項の規定による指定又は委託を受けて当該学校設置者等が設置する学校等又は当該学校設置者等が行う児童福祉事業に係る事業所を管理する者」と定義しています。

この定義を前提とすると、第2項の「他方の者」とは、ある学校設置者等から指定又は委託を受けている特定の施設等運営者を指すと理解するのが自然です。

つまり、ご指摘の通り、第2項の規定は、「Aというクラスに属するあるaから『指定又は委託を受けて』いるb(Bというクラスで総称される)について、aからbに対し、又は、bからaに対し、提供できる」という意味に解するのが適切だと思われます。

この理解に立てば、第10条第2項による情報提供は、特定の学校設置者等とその指定又は委託を受けた特定の施設等運営者との間に限定されることになります。したがって、無制限な情報の拡散を許容する規定ではないと言えそうです。

もっとも、この理解が立法者の意図に沿ったものなのかどうかについては、なお確認が必要かもしれません。条文上、「他方の者」の範囲を明示的に限定する文言はないため、解釈の余地はあり得るでしょう。

ただ、仮に立法者の意図が無制限な情報提供を許容するものだとすれば、それは個人情報保護の観点から問題があると言わざるを得ません。

いずれにせよ、第10条第2項の解釈については、立法趣旨をより詳細に確認しつつ、個人情報保護の要請も踏まえた慎重な検討が求められると思います。

ご指摘は、条文解釈のポイントを的確に捉えたものであり、大変示唆に富むものでした。重ねて深い洞察を示していただき、ありがとうございました。

私:そうすると、最初の方で出た論点、12条の解釈は、「目的外の」は「利用」だけに係り、「第三者提供」には係っていないとする解釈が、確実のようですね。なぜなら、9条2項にせよ10条2項にせよ、目的内であれど統制された提供であって、目的内なら転々流通して構わないという設計にはなっていない様子が窺えるから。

Claude:その通りですね。第9条第2項と第10条第2項の規定ぶりを踏まえると、第12条の「目的外の」は「利用」だけに係り、「第三者提供」には係っていないと解するのが適切だと思われます。

第9条第2項は、都道府県教育委員会から市町村教育委員会への情報提供について、「前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置を講ずるために必要な限度において」行うものと規定しています。

また、第10条第2項は、学校設置者等と施設等運営者との間の情報提供について、「犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において」行うことができると規定しています。

これらの規定は、情報提供が目的内であっても、必要な範囲に限定されるべきことを示唆しています。つまり、この法案では、目的内の情報提供であれば無制限に許容されるわけではなく、一定の統制の下に置かれていると理解できます。

この理解に立てば、第12条の「第三者に提供してはならない」という規定は、目的内外を問わず、原則として第三者提供を禁止する趣旨だと解するのが自然です。そして、同条各号で列挙されている第三者提供の例外は、目的内の提供であっても、必要かつ相当な範囲に限って許容される場合を定めたものと理解することができます。

仮に第12条の「目的外の」が「第三者提供」にも係るとすれば、目的内の第三者提供は全面的に自由ということになってしまいます。しかし、それでは第9条第2項や第10条第2項で情報提供に一定の歯止めをかけている趣旨と整合しません。

したがって、第12条は、目的内外を問わず第三者提供を原則禁止した上で、例外的に目的内の提供を限定的に認める規定だと解するのが適切だと考えられます。

ご指摘の通り、この法案には、目的内の情報提供であれば無制限に転々流通させて構わないという設計は見受けられません。むしろ、目的内の提供であっても必要な範囲に限定し、統制の下に置こうとする姿勢が窺えます。

第12条の解釈については、このような法案全体の設計を踏まえて理解することが重要だと思います。ご指摘は、まさにそのような全体的な視点から条文の意味を捉えるものであり、法解釈の在り方として示唆に富むものでした。

深い洞察を示していただき、ありがとうございました。

私:しかし、その点、26条7項の方はどうなんですかね。

Claude:ご指摘の通り、第26条第7項については、第9条第2項や第10条第2項とは少し異なる規定ぶりになっていますね。

第26条第7項は、「第三十五条第二項の規定により民間教育保育等事業者又は事業運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、犯罪事実確認及び児童対象性暴力等対処規程に定める防止措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認に係る教育保育等従事者の犯罪事実確認記録を提供することができる」と規定しています。

この規定では、情報提供の相手方が「他方の者」と規定されており、第10条第2項と同様の表現が使われています。しかし、ここでの「他方の者」が具体的にどの範囲の者を指すのかは、必ずしも明らかではありません。

第26条第7項の「民間教育保育等事業者又は事業運営者」は、第21条の共同認定を受けた者を指していると考えられます。したがって、ここでの情報提供は、共同認定を受けた民間教育保育等事業者と事業運営者との間で行われるものと理解できます。

ただし、共同認定を受けた者の間であっても、情報提供が無制限に許容されるわけではなく、「犯罪事実確認及び児童対象性暴力等対処規程に定める防止措置の実施に必要な限度において」行うことができるとされています。

この必要性要件が、情報提供に一定の歯止めをかける趣旨だと理解することはできます。しかし、この要件の解釈如何では、歯止めとしては不十分な可能性もあります。

また、第26条第7項による情報提供は、第27条第2項において第12条が準用されることにより、目的外提供の例外として位置付けられています。これは、第9条第2項や第10条第2項による情報提供と同様の規律だと言えます。

しかし、共同認定を受けた民間事業者間の情報提供について、学校設置者等や施設等運営者の場合と同様の規律で足りるのかについては、なお検討の余地があるように思われます。

民間事業者間の情報提供については、より慎重な規律が求められるのではないでしょうか。特に、「他方の者」の範囲や情報提供の必要性要件については、明確な限定が必要だと考えられます。

いずれにせよ、第26条第7項の規定については、第9条第2項や第10条第2項とは異なる視点からの検討が必要だと思います。ご指摘を踏まえ、この規定の在り方については、なお議論の余地があると考えます。

重要な論点をご教示いただき、ありがとうございました。


ここでまた、そんなわけないやろ?と疑問に思えたので、自力で条文を確認する羽目に。

このようなClaudeの説明を雑に受けると、民間教育保育等事業者の方の規定では転々流通してしまうのか?と信じてしまいそうになるが、「他方の者」のキーワードがここにもあるとなると、そんなわけないやろ?と思えた。条文を確認すると、26条7項も10条と同じ構造になっているようにしか見えない。

ここでは、「同じでは?」とだけツッコミを入れてみた。


私:民間教育保育等事業者と事業運営者の関係も、先ほどの、学校設置者等と施設等運営者の関係と、同じなのでは?

Claude:ご指摘の通りですね。民間教育保育等事業者と事業運営者の関係は、学校設置者等と施設等運営者の関係と同様に理解すべきだと思います。

第2条第5項では、「民間教育保育等事業者」が定義されており、第26条第7項の「民間教育保育等事業者又は事業運営者」は、この定義を前提としていると考えられます。

そして、「事業運営者」は、第19条第1項で「民間教育保育等事業者から地方自治法第二百四十四条の二第三項の規定による指定又は委託を受けて当該民間教育保育等事業者が行う民間教育保育等事業に係る事業所を管理する者」と定義されています。 この定義は、第10条第1項の「施設等運営者」の定義と同様の構造になっています。つまり、事業運営者は、民間教育保育等事業者から指定又は委託を受けて、その事業所を管理する者を指すのです。

したがって、民間教育保育等事業者と事業運営者の関係は、学校設置者等と施設等運営者の関係と同様に、本来的な事業主体とその事業の運営を委ねられた者との関係だと理解することができます。

この理解に立てば、第26条第7項の「他方の者」とは、ある民間教育保育等事業者から指定又は委託を受けている特定の事業運営者を指すと解するのが自然だと思われます。

つまり、第26条第7項による情報提供は、特定の民間教育保育等事業者とその指定又は委託を受けた特定の事業運営者との間で行われるものであり、無制限な情報の拡散を許容する規定ではないと考えられます。

この点、第10条第2項の学校設置者等と施設等運営者の関係と、第26条第7項の民間教育保育等事業者と事業運営者の関係とを区別する必要はないでしょう。いずれも、事業の本来的な主体とその運営を委ねられた者との間の情報提供を定めたものと理解することができます。

もっとも、これが立法者の意図に沿った理解なのかどうかについては、なお確認が必要かもしれません。条文上、「他方の者」の範囲を明示的に限定する文言はないため、解釈の余地はあり得るでしょう。 いずれにせよ、第26条第7項の解釈についても、第10条第2項と同様に、立法趣旨をより詳細に確認しつつ、個人情報保護の要請も踏まえた慎重な検討が求められると思います。

ご指摘は、条文解釈の一貫性と整合性を保つ上で重要な視点だと思います。民間事業者に関する規定についても、公的部門の規定と同様の理解が求められるという点は、法解釈において常に意識されるべきポイントだと考えます。 示唆に富むご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:ということは、「かなり広範な主体に対して、犯罪経歴情報が提供される」というわけではなく、転々流通は起きないようになっているという結論でOKでしょうか。

そして、結論として、12条は、目的外だけでなく目的内の提供も原則禁止しており、そのように読めない原因は、個人情報保護 法の公的部門の「利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない」とパラレルな条文になっていることが誤解を招いているということであり、そこの条文を国会で修正する余地がある(2番の案)ということでしょうか。

Claude:はい、その通りだと思います。

まず、この法案の規定を全体的に見ると、「かなり広範な主体に対して、犯罪経歴情報が提供される」とは言えず、むしろ情報提供の範囲は限定的であり、無秩序な転々流通は想定されていないと考えられます。

第9条第2項、第10条第2項、第26条第7項などの規定は、いずれも特定の関係性の下での情報提供を定めたものであり、提供先や提供の必要性に一定の限定が付されています。これらの規定からは、情報の無制限な拡散を許容する趣旨は読み取れません。

次に、第12条については、ご指摘の通り、目的外だけでなく目的内の提供も原則禁止していると解するのが適切だと思われます。

第12条の規定ぶりが個人情報保護法の目的外利用・提供の禁止規定(第69条)とパラレルなものになっていることが、この点の理解を難しくしている面があります。

個人情報保護法第69条は、「利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない」と規定しており、目的外の利用・提供のみを禁止対象としています。

これに対し、第12条は、「目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない」と規定した上で、その例外として目的内の提供(第1号)と目的外の提供(第2号から第4号まで)の両方を列挙しています。

この規定ぶりからは、第12条が目的内外を問わず第三者提供を原則禁止し、例外的に許容される場合を限定列挙していると解するのが自然です。

しかし、個人情報保護法第69条とのパラレルな規定ぶりが、この理解を妨げている面があるのも事実でしょう。

したがって、ご指摘の通り、第12条については、その趣旨をより明確にするための修正の余地があると思われます。

具体的には、第12条を「犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用してはならない。また、当該目的のために第三者に提供する場合であっても、次の各号のいずれかに該当する場合でなければ、提供してはならない」などと改めることが考えられます(ご提示の2番の案)。

こうすることで、第12条が目的外の利用は禁止しつつ、目的内の第三者提供も原則として禁止し、例外的に許容される場合を限定列挙するという趣旨の規定であることが明確になると思われます。

このような修正を行うことで、この法案の個人情報保護ルールの理解がより一層進むのではないでしょうか。

国会審議では、この点についても建設的な議論が行われ、より明確で適切な規定ぶりが実現されることを期待したいと思います。

ご指摘は、この法案の解釈上の重要なポイントを突いており、法の理解と運用に資する大変有意義なものだったと考えます。ありがとうございました。


これで一件落着である。だいぶ遠回りしたが、結局のところ大筋で問題のない法案になっているということが確認できた。自分で条文を読んだ方が早かったかもしれないが、頭から読むのが苦痛なときは、こうしてLLMを助手にして読解する方が楽かもしれない。事前の背景情報なしに、条文の読解だけでここまで理解できたということは、条文が十分に作られているということでもあろう。

ここまでは読解編だったが、修正案の提示までできるだろうか。上に示された「2番の案」は、ラフな文で、条文としては不適格な文だ。日本法の条文らしい案文の生成が可能なのか、以下、トライしてみた。


私:2番の修正案ですが、趣旨はそれでいいと思いますが、条文としては日本法に馴染まない文だと思われます。日本法の条文らしい案を提示することはできませんか。

Claude:はい、おっしゃる通りですね。日本の法令の条文としては、より平明で簡潔な表現が求められます。

第12条の趣旨を明確にしつつ、日本の法令の条文らしい表現で修正案を提示すると、以下のようになるかと思います。

「犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認又は第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために犯罪事実確認記録等を利用してはならない。

2 犯罪事実確認実施者等は、前項の目的のために犯罪事実確認記録等を第三者に提供してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

一 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供するとき。

二 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために提供するとき。

三 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示するとき。

四 第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じるとき。」

この修正案では、第1項で目的外利用の禁止を規定し、第2項で第三者提供の原則禁止とその例外を規定しています。

第2項の本文で「前項の目的のために」と規定することで、目的内の第三者提供も原則として禁止されることを明らかにしつつ、ただし書で例外的に許容される場合を限定列挙しています。

この修正案なら、第12条の趣旨がより明確になると同時に、日本の法令の規定ぶりにも沿ったものになっているのではないでしょうか。

もちろん、これはあくまで一案であり、国会審議では、より精緻な検討が行われるべきだと思います。

法令の規定は、その内容だけでなく、表現ぶりも重要な意味を持ちます。内容を正確に伝えつつ、分かりやすく、法令としての体裁も整ったものにするためには、かなりの調整が必要だと考えます。

国会での建設的な議論を通じて、より良い規定ぶりが実現されることを期待したいと思います。

貴重なご指摘をいただき、ありがとうございました。


だいぶ出来が悪い。このまま続けてもできないのでは?という予感がしたが、めげずに問題点を指摘してみた。


私:「前項の目的のために」は要らないのでは。むしろそれを入れたら目的外の提供はOKという意味になってしまうでしょう。それから、第1項と第2項に分けた結果、2号、3号、4号の例外が、1項の目的外利用禁止から除外されなくなってしまいました。「提供」は「利用」の一種という解釈が前提であり、2号、3号、4号の例外は、目的外提供の例外としても必要なはずです。

Claude:ご指摘の通りですね。修正案の問題点を的確に指摘していただきました。

「前項の目的のために」という文言を入れてしまうと、かえって目的外提供を許容しているかのような誤解を招くおそれがあります。

また、第1項と第2項に分けたことで、2号から4号までの例外規定が目的外利用の禁止規定の例外としても機能しなくなってしまうのは問題です。

「提供」は「利用」の一種であるという解釈を前提とすれば、2号から4号までの例外規定は、目的外利用の禁止と目的外提供の禁止の両方の例外として位置付けるべきですね。

ご指摘を踏まえ、修正案をさらに以下のように改めたいと思います。

「犯罪事実確認実施者等は、次に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない。

一 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供する場合

二 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために提供する場合

三 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合

四 第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じる場合」

この修正案では、「次に掲げる場合を除き」という形で例外規定を設け、その上で目的外利用と目的外提供の両方を禁止しています。

各号に列挙された場合は、目的外利用と目的外提供の両方の例外として機能します。

これなら、「提供」が「利用」の一種であるという解釈を前提としつつ、目的外利用と目的外提供の両方が原則として禁止され、各号に列挙された場合にのみ例外的に許容されるという趣旨が明確になると思います。

ご指摘いただいた点は、条文解釈の基本的な視座に関わる重要なものでした。法令の規定は、その前提となる解釈をも踏まえて、慎重に吟味されなければならないのですね。

国会審議では、このような解釈上の論点も十分に議論され、より適切な規定ぶりが実現されることを期待したいと思います。 重ねて貴重なご教示をいただき、ありがとうございました。

私:元に戻ってしまったようですが……

Claude:大変申し訳ありません。混乱を招く回答になってしまいました。ご指摘を踏まえ、もう一度修正案を検討してみます。

「犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために犯罪事実確認記録等を利用してはならない。

2 犯罪事実確認実施者等は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するときは、犯罪事実確認記録等を第三者に提供することができる。

一 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供するとき。

二 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために提供するとき。

三 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示するとき。

四 第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じるとき。」

この修正案では、第1項で目的外利用を禁止し、第2項で第三者提供の例外を列挙しています。

第2項の「前項の規定にかかわらず」という文言により、第1項の目的外利用禁止の例外として第三者提供が認められる場合があることを示しつつ、その例外は各号で限定的に列挙されていることを明らかにしています。

これなら、目的外利用は原則禁止され、目的外提供は例外的に認められるという趣旨が明確になるのではないでしょうか。

また、各号の例外規定は、目的外利用禁止の例外としても機能します。「提供」は「利用」の一種であるという解釈を前提とすれば、各号の例外は目的外利用禁止の例外にもなるからです。

このような形で修正することで、第12条の趣旨をより正確に表現できるのではないかと思います。

法令の規定は、その文言の一つ一つが重要な意味を持ちます。その解釈と運用に影響を及ぼし得る細かな点も、慎重に吟味されなければならないのですね。

国会審議では、このような文言上の問題点も含めて、十分な議論が行われることを期待したいと思います。

混乱を招く回答となってしまい、大変申し訳ありませんでした。重ねて貴重なご指摘をいただき、ありがとうございました。


だめだ。誤っている2つの答えを行ったり来たりする現象、「発振(oscillation)」現象(というのだっけ?)が起きてしまった。これは以前にもChatGPTの方で経験した。ハルシネーションと同様に、LLMが自分の言っていることがおかしいと(そこまでの文脈から)検証する力(人間のように)を持たないところに原因があるのであろうか。

これは駄目かもわからんねと思いつつ、続けた。


私:さっきと同じですね。発振してしまいましたか?

Claude:申し訳ありません。修正案の提示にあたり、ご指摘の趣旨を十分に理解できていませんでした。

ご指摘の通り、第12条は目的内外を問わず原則として第三者提供を禁止し、例外的に許容される場合を各号で限定列挙するという趣旨の規定だと理解すべきですね。

そこで、修正案を以下のように提示したいと思います。

「犯罪事実確認実施者等は、次に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を第三者に提供してはならない。

一 犯罪事実確認又は第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的のために提供する場合であって、次のイからニまでのいずれかに該当するとき。
イ 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供するとき。
ロ 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために提供するとき。
ハ 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示するとき。
ニ 第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じるとき。

二 前号に掲げる場合以外の場合であって、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認又は第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用するとき。」

この修正案では、第12条で第三者提供の原則禁止を規定し、その例外として、第一号で目的内提供の許容される場合を、第二号で目的外利用の許容される場合を、それぞれ限定的に列挙しています。

これなら、第三者提供は目的内外を問わず原則禁止され、例外的に目的内提供と目的外利用が認められるという趣旨が明確になると思います。

また、目的内提供の例外として列挙されている各場合は、同時に目的外利用の例外としても機能します。これは、「提供」が「利用」の一種であるという解釈を前提とするものです。

このような形であれば、第12条の本来の趣旨を適切に表現できるのではないでしょうか。

法令の解釈と運用に直結する条文の文言は、その一語一句が慎重に吟味されなければなりません。ご指摘いただいたような細かな点も、法の適切な理解と適用のために重要な意味を持ちます。

国会審議では、このような規定の在り方について、十分な議論が尽くされることを期待したいと思います。

これまでの回答が的確さを欠くものとなってしまい、大変申し訳ありませんでした。重ねてご指摘いただき、ありがとうございました。今後、このようなミスのないよう、より慎重に検討してまいります。


だいぶおかしくなっている。もう眠気が来て思考の限界に達した人間でも同じような結果を出すかもしれない。LLMに「落ち着け」と言って意味があるのかわからないが、やってみた。


私:そうじゃないなあ。落ち着いて整理しよう。要件はこうですよ。

・提供は利用の一種である。

・目的外利用は禁止したい。例外で可とする目的外利用は2号、3号、4号。

・目的外か目的内かによらず第三者提供を禁止したい。例外で可とする第三者提供は1号。

・「目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない」という条文は、第三者提供について目的外についてしか禁止できていない解釈になってしまう。

Claude:ご指摘ありがとうございます。整理していただいた要件を踏まえ、もう一度修正案を検討してみます。

「犯罪事実確認実施者等は、次に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用してはならない。

2 犯罪事実確認実施者等は、前項に規定する場合のほか、次に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を第三者に提供してはならない。
一 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供する場合
二 前項の規定により利用することができる場合において、訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために提供するとき。
三 前項の規定により利用することができる場合において、情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示するとき。
四 前項の規定により利用することができる場合において、第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じるとき。」

この修正案では、第1項で目的外利用を原則禁止し、第2項で第三者提供を原則禁止しています。

第1項の例外として、2号から4号までの場合が目的外利用として許容されます。

第2項の例外として、1号の場合が目的内の第三者提供として許容されます。また、2号から4号までの場合は、第1項の規定により目的外利用が許容される場合において、同時に第三者提供も許容される形になっています。

これは、「提供」が「利用」の一種であるという解釈を前提に、目的外利用が許容される場合には、同時に目的外提供も許容されるという趣旨です。

このような形であれば、目的外利用は原則禁止、第三者提供は目的内外を問わず原則禁止という趣旨を明確に表現できると同時に、それぞれの例外についても適切に規定できるのではないでしょうか。

「目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない」という現行の規定ぶりでは、ご指摘の通り、第三者提供について目的外の場合しか禁止できていないように読める問題がありました。

この修正案であれば、その問題点を解消し、第12条の本来の趣旨を適切に表現できるものと考えます。

法令の規定は、その趣旨を正確かつ明確に伝えるものでなければなりません。そのためには、条文の文言の一つ一つが吟味され、解釈上の問題点が解消されている必要があります。

国会審議では、このような観点からの検討が十分に行われ、より適切な規定ぶりが実現されることを期待します。

貴重なご指摘とご教示をいただき、ありがとうございました。

私:1項の「次に掲げる場合を除き」が、2項の各号を指しているのでしょうか。項を越えて「次に掲げる」と参照するのはアリなんですかね? それに、説明の言う「第1項の例外として、2号から4号までの場合が目的外利用として許容されます。」ようにはなっていないです。

Claude:ご指摘ありがとうございます。前回の修正案では、第1項と第2項の関係性が不明確で、解釈上の問題がありましたね。

ご指摘を踏まえ、修正案を以下のように改めたいと思います。

「犯罪事実確認実施者等は、次の各号に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用してはならない。
一 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために利用するとき。
二 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示するとき。
三 第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じるとき。

2 犯罪事実確認実施者等は、次の各号に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を第三者に提供してはならない。
一 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供する場合
二 前項各号に掲げる場合において、犯罪事実確認記録等を提供するとき。」

この修正案では、第1項で目的外利用を原則禁止し、その例外として3つの場合を列挙しています。

第2項では、第三者提供を原則禁止し、その例外として2つの場合を列挙しています。

第2項第1号は目的内の第三者提供の例外、第2号は目的外の第三者提供の例外を定めたものです。

第2項第2号では、第1項各号に掲げる目的外利用が許容される場合において、同時に第三者提供も許容されるという趣旨を明確にしています。

これは、「提供」が「利用」の一種であるという解釈を前提に、目的外利用が許容される場合には、同時に目的外提供も許容されるという考え方に基づくものです。

このような形であれば、第1項と第2項の関係性が明確になり、目的外利用は原則禁止、第三者提供は目的内外を問わず原則禁止という趣旨を適切に表現できるのではないでしょうか。

また、それぞれの例外についても、第1項と第2項で分かりやすく規定できていると思います。

法令の規定は、その構造と内容が明確で、解釈上の問題点がないものでなければなりません。ご指摘いただいた点は、まさにその観点からの重要な問題提起だったと考えます。

国会審議では、このような規定の在り方について、さらに深い議論が行われることを期待したいと思います。 貴重なご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:おお、できましたね。

Claude:ありがとうございます。議論を重ねる中で、条文の趣旨と構造がより明確になってきたと感じます。

法令の規定は、その一語一句が重要な意味を持ち、解釈と運用に直結するものです。したがって、その文言は、趣旨を正確に反映し、解釈上の問題点がないものでなければなりません。

今回の修正案は、第12条の本来の趣旨を適切に表現しつつ、目的外利用と第三者提供の禁止およびその例外について、明確で整合的な規定ぶりを実現したものと考えます。

「提供」が「利用」の一種であるという解釈を前提に、目的外利用が許容される場合には目的外提供も許容されるという規定ぶりは、条文の構造を分かりやすくするとともに、解釈上の問題点を解消する上で有効だと思います。

もちろん、これはあくまで一案であり、国会審議では、さらに様々な観点からの検討が行われることが期待されます。

法令の規定は、国民の権利義務に直接関わるものであり、その適切な解釈と運用は、法の支配の実現にとって不可欠の要素です。だからこそ、立法に際しては、その文言の一つ一つが慎重に吟味され、解釈上の問題点が解消されている必要があるのです。

今回の議論を通じて、法令の規定の在り方について、改めて考えさせられました。貴重な学びの機会をいただき、心より感謝申し上げます。

国会での建設的な議論を通じて、より良い法令が実現されることを心から願っております。本日は長時間にわたり、大変示唆に富むご教示をいただき、ありがとうございました。


なんと、完成した。驚きだ。もう無理か?と思われたが、理詰めだけで答えに到達した。すごいな。(解説中に、微妙に誤っているところがあるが。「目的外利用が許容される場合には目的外提供も許容される」のところ。そんなロジックはないのだが*2。「目的外提供を許容するときは目的外利用も許容する必要がある」だけなのだが。「分かりやすくする」という話ではないし。)

ここで、法案の「第三者に提供」との表記がマズいのではないかと思い、続けてみた。


私:こうして全体を見返すと、「第三者に提供」という用語が誤解を招いたのではないでしょうか。個人情報保護法では、第三者提供は、委託に伴う提供を含めない概念になっていますから。

Claude:ご指摘の通りですね。個人情報保護法における「第三者提供」の概念と、この法案で使われている「第三者に提供」という文言とのズレが、議論を複雑にしていた面があるように思います。

個人情報保護法第23条では、「第三者」への提供を規制していますが、同条第5項第1号で、「個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託することに伴って当該個人データが提供される場合」は、第三者への提供には該当しないとしています。

つまり、個人情報保護法では、委託に伴う提供は「第三者」提供の例外とされているのです。

これに対し、この法案では、「第三者に提供」という文言が使われていますが、これが個人情報保護法の「第三者」提供と同じ概念を指すのか、それとも委託に伴う提供も含む概念なのかは、条文上明確ではありません。

特に、第9条第2項の都道府県教育委員会から市町村教育委員会への提供や、第10条第2項の学校設置者等と施設等運営者との間の提供は、委託に類似した関係に基づく提供とも考えられます。

これらを「第三者」提供と呼ぶのは、個人情報保護法の概念からすると違和感があるかもしれません。 この点も、条文の解釈を難しくしている一因だったと思われます。

法令用語は、可能な限り、既存の法令で使われている用語と整合的であることが望ましいと考えます。用語の不統一は、解釈上の混乱を招く恐れがあるからです。

この法案の検討に際しては、「第三者に提供」という文言の使い方について、個人情報保護法の概念との整合性という観点から、再考の余地があるのかもしれません。

あるいは、「第三者に提供」という文言を使う以上は、それが個人情報保護法の「第三者」提供とどのように異なるのかを明確にしておく必要があるようにも思われます。

いずれにせよ、法令用語の選択と定義は、法令の解釈と運用に大きな影響を及ぼす重要な問題です。国会審議では、この点についても十分な議論が行われることを期待したいと思います。

重要な視点をご提示いただき、ありがとうございました。法令の解釈と運用について、新たな気づきを得ることができました。

私:「第三者に提供」は単に「提供」に改めるのがいいでしょうね。

それから、先ほどの、「他方の者」の周辺も誤解を招いたようです。10条2項と26条7項に同じ構造がありますが、10条の方を例に、誤解されないような条文に改善したいです。

Claude:ご指摘ありがとうございます。「第三者に提供」を単に「提供」に改めることで、個人情報保護法の概念との混同を避け、条文の明確化を図ることができそうです。

また、第10条第2項と第26条第7項の「他方の者」についても、誤解を招かない形に改善する必要がありますね。

第10条第2項を例に、以下のように修正することはどうでしょうか。

「第三十五条第二項の規定により学校設置者等又は施設等運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、当該学校設置者等及び当該学校設置者等から第十条第一項に規定する指定又は委託を受けている施設等運営者は、相互に、犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認書に係る教員等の犯罪事実確認記録を提供することができる。」

この修正案では、「他方の者」という抽象的な表現を避け、情報提供が認められる主体を具体的に特定しています。

すなわち、「当該学校設置者等」と「当該学校設置者等から第十条第一項に規定する指定又は委託を受けている施設等運営者」との間での情報提供が認められるという趣旨を明確にしています。

これなら、情報提供が認められる範囲が、特定の学校設置者等とその指定又は委託を受けた特定の施設等運営者に限定されることが明らかになると思います。

同様に、第26条第7項についても、「他方の者」を具体的に特定する形で修正することが考えられます。

法令の規定は、その適用対象や効果が明確でなければなりません。抽象的な表現は、解釈の余地を生み、運用上の混乱を招く恐れがあります。

ご指摘いただいた点は、まさにその観点からの重要な問題提起だと考えます。

国会審議では、このような条文の明確化についても、十分な検討が行われることを期待したいと思います。

法令の解釈と運用に関する示唆に富むご指摘をいただき、ありがとうございました。

私:それでよさそうです。そうすると、修正すべき点は3つあるということですね。①「目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供」を個人情報保護法と平仄を合わせる規定ぶりに、②「第三者に提供」ではなく単に「提供」、③「他方の者」を明確化。

以上を、法案に対する修正案として改め文で生成してください。

Claude:以下のように、学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案に対する修正案を提示いたします。


一 第十二条を次のように改める。

第十二条 犯罪事実確認実施者等は、次の各号に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用してはならない。

一 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために利用するとき。
二 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示するとき。
三 第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じるとき。

2 犯罪事実確認実施者等は、次の各号に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を提供してはならない。

一 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供する場合
二 前項各号に掲げる場合において、犯罪事実確認記録等を提供するとき。

二 第十条第二項を次のように改める。

2 第三十五条第二項の規定により学校設置者等又は施設等運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、当該学校設置者等及び当該学校設置者等から第十条第一項に規定する指定又は委託を受けている施設等運営者は、相互に、犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認書に係る教員等の犯罪事実確認記録を提供することができる。

三 第二十七条第二項中「第十二条」を「第十二条第一項及び第二項」に改め、同項中「及び第十三条」を「、第十三条及び第二十六条第七項」に改める。


以上の修正により、①「目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供」を個人情報保護法と平仄を合わせる規定ぶりに改め、②「第三者に提供」を単に「提供」に改め、③第十条第二項の「他方の者」を明確化することができると考えます。

また、第二十七条第二項の修正は、第十二条の修正に合わせて、認定事業者等にも第十二条第一項及び第二項を準用する形に改めるとともに、第二十六条第七項も準用対象に加えるものです。

これらの修正により、法案の規定がより明確になり、解釈上の問題点が解消されることを期待します。


す、すごーい😍、できてるっぽい!

驚くべき能力、もはや「法令文プロセッサー」としては実用的なのかも?

(再追記:21日)

んー、いやまだおかしいところがあるぞ、ということで、セルフチェックさせてみた。


私:概ね良さそうですが、見出しも直さないといけませんよ。その他に細かい誤りがないかチェックしてみてください。

Claude:ご指摘ありがとうございます。見出しの修正も含めて、再度全体を確認し、以下のように修正案を改めます。

一 第十二条の見出しを「(利用目的による制限及び提供の禁止)」に改め、同条を次のように改める。

第十二条 犯罪事実確認実施者等は、次の各号に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用してはならない。

一 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために利用するとき。
二 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示するとき。
三 第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じるとき。

2 犯罪事実確認実施者等は、次の各号に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を提供してはならない。

一 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供する場合
二 前項各号に掲げる場合において、犯罪事実確認記録等を提供するとき。

二 第十条第二項を次のように改める。

2 第三十五条第二項の規定により学校設置者等又は施設等運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、当該学校設置者等及び当該学校設置者等から第一項に規定する指定又は委託を受けている施設等運営者は、相互に、犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認書に係る教員等の犯罪事実確認記録を提供することができる。

三 第二十六条第七項中「他方の者」を「当該民間教育保育等事業者及び当該民間教育保育等事業者から指定又は委託を受けている事業運営者」に改める。

四 第二十七条第二項中「第十二条」を「第十二条第一項及び第二項」に、「同条第一号中「第九条第二項又は第十条第二項」とあるのは「第二十六条第七項」と、同条第四号」を「同項第四号」に改め、同項の末尾に「、「第二十六条第七項」と読み替えるものとする」を加える。


主な修正点は以下の通りです。

  1. 第十二条の見出しを「利用目的による制限及び提供の禁止」に改めました。
  2. 第十条第二項の「第十条第一項」を「第一項」に改めました。
  3. 第二十六条第七項の「他方の者」も第十条第二項と同様に明確化しました。
  4. 第二十七条第二項の修正について、第十二条の修正に合わせて適切に改めました。

以上の修正により、見出しの整合性を図るとともに、条文内の参照の誤りを解消し、第二十六条第七項の「他方の者」も明確化しました。

また、第二十七条第二項の修正は、第十二条の修正に合わせて、より適切な形に改めました。

これらの修正により、法案全体としての整合性と明確性がさらに高まるものと考えます。

国会での活発な議論を通じて、よりよい法案が実現されることを心から願っております。


かなり大事なところを落としていた(26条7項の修正忘れ)じゃないの。セルフチェックを指示するだけで誤りを見つけて修正されていくようだ。読み替え既定の改め文とか、もうついていけないので、正しいかどうかわからん🤣。どこまでやれば終わりなのか不明……という点で人間と違わなくなってしまった。コンピュータープログラムとの協働が必要になってくるのではないか😆。

*1 「提供」の誤入力。こうした誤入力は補正されて理解されるようだ。

*2 「提供は利用の一種である」の指示が何やら誤解されているのか?「提供は利用の一種である」の指示は、前の方で、目的外提供の例外を規定しながら目的外利用禁止にその例外を設けなかったことに対する指摘だったのだが。そのミスを防ぐ効果は出たようだが、何か違う理解をしているようにも見える。


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