【下山祐治】飛行機を降りた空港で荷物を待っていると、ベルトコンベヤーに大きな食べ物のオブジェ。地元の食材を使った観光PR策だ。全国の空港でじわりと広がっている。
荷物に交じって、エビずし、ウニの軍艦巻きのオブジェが流れてきた。直径75センチ、高さ25〜30センチ、重さ25キロ。大分空港は全国で最も早く2007年5月に始めた。どちらのすしも近海魚を使った地元名産だ。
官民で観光推進策を考える「ツーリズムおおいた」が企画。発案に加わった大分航空ターミナルビルの担当者は「ベルトコンベヤーを回転ずしに見立て、遊び心があるPRをしようと考えた」。制作費は1個20万円。東京、大阪、名古屋線から降りた客の反応は上々だ。まぐろトロずしも2月下旬にデビューする。
富山空港でも昨年暮れから、地魚を使った「富山湾鮨(ずし)」のオブジェが観光客を迎える。ベニズワイガニ、白エビ、ブリといった、新鮮そうなネタ10貫が並ぶ。
宮崎空港は種類の豊富さが際だっている。昨年2月から農畜産物のオブジェを流す。宮崎牛ロース、日向夏、キンカン、マンゴー、ピーマン、黒皮カボチャ、ゴーヤの7種。旬を意識して毎月入れ替えている。
高松空港は11年11月から。「うどん県」の空の窓口らしく、卵をのせた釜玉をベルトコンベヤー脇に置き、天ざる、きつねが流れる。だし汁の試飲コーナーが3月末に改装オープンする。
食材ではないオブジェもある。米子空港では11年9月から、地元出身の水木しげるさんの漫画「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクター・目玉おやじが観光客をなごませる。縦45センチ、横70センチ、高さ60センチの巨大版だ。
回るオブジェは動画投稿サイト・ユーチューブやフェイスブック、ツイッターでも発信されて話題に。観光PRの効果はどれほどあるのか。「元祖」の大分航空ターミナルビルの担当者は「分析はできないが、インパクトがあるPR。笑いで言えば『つかみ』のようなもの」と話している。
200系新幹線や近畿地区の183系、東海地区の117系など、さまざまな国鉄型車両が引退する…
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