4本の脚を持つヘビの化石を英ポーツマス大学などのチームが発見した。ヘビはトカゲから進化したと考えられているが、どのように脚を失っていったのかを考える上で貴重という。
「テトラポドフィス」(Tetrapodophis amplectus)と名付けられたこの生物の化石は、ブラジルの1億1000万年前(白亜紀)の地層から見つかった。全長は20センチほどだが、若い個体だったとみられ、成体はさらに大きい可能性があるという。
化石は極めて状態が良く、4本の短い脚がはっきりと分かるという。前脚は長さ1センチほどだが、ひじや手首、手が確認できる。現生のヘビとは異なる姿だが、尾を持たない長い身体やうろこ、長い頭骨、牙状の歯などヘビの特徴を持つことから、研究チームはこの生物がトカゲではなくヘビに属すると判断した。
脚の短さから、移動に使っていたとは考えられず、獲物や交尾相手をつかまえるために使われていた可能性もあるという。
テトラポドフィスは乾燥した低木地帯にある塩湖に暮らしていたようだ。体内からトカゲの骨が見つかっており、は虫類や両生類をえさにしていたらしい。
同大のデイブ・マーティル氏は「ヘビは遠い過去にトカゲから進化したと考えられているが、進化の要因や、もとになったトカゲの種類は不明だった」と、新たな化石がヘビの進化の過程を明らかにするのに大きく貢献すると期待している。
成果は米科学誌「Science」(7月24日付)に発表された。
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