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2003年10月08日

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・発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
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世界でもっとも有名な工業デザインの会社IDEOの、創業メンバーが書いたイノベーションの方法論の書。IDEOというと、コンピュータ分野では、アップルのiMacやマイクロソフトのマウス、PDAのパームをデザインした企業として知られている(これらを同じ企業が手がけていると言うこと自体驚きであるが)。

この本はIDEOの発想する力を、敢えてエッセンスに体系化せず、イノベーションが起きた場面を、現場の視点から、IDEOの日常の事例として語るスタイルを取っている。その事例の数は100を軽く超える。彼らにとってイノベーションは日常なのだ。ホットチームを組織し、刺激を与え合い、チームの問題を短い期日で解決してしまう。しかも、そのプロセスは軽やかで楽しそうに見える。

この本を手にして一番気になったのが、IDEOでは、ブレインストーミングのプロセスをどうしているか、方法論はあるのか、ということだった。それは本の前半で答えが紹介されていた。

■よりよいブレインストーミングのための7つの秘訣

1 焦点を明確にする
2 遊び心のあるルール
3 アイデアを数える
4 力を蓄積し、ジャンプする
5 場所は記憶を呼び覚ます
6 精神の筋肉をストレッチする
7 身体を使う

■ブレインストーミングを台無しにする6つの落とし穴

1 上司が最初に発言する
2 全員に必ず順番がまわってくる
3 エキスパート以外立入禁止
4 社外で行う
5 ばかげたものを否定する
6 すべてを書きとめる

うん、これらはまあ納得だろう。が、どれも特別なルールと言うわけでないと思った。他のノウハウ本でも見ることができそうなリストだ。

答えは、方法論ではなかったようだ。回数なのだ。

アーサーアンダーセンの調査によると、70%以上のビジネスマンが自分の組織でブレインストーミングをしていると答えている。だが、ブレインストーミングを行っていると答えた76%が、回数は多くても月一回だと認めている。そして、IDEOでは「ほぼ宗教みたいなもので、ほぼ毎日、礼拝のように」行われているというのだ。

クリエイティビティというのは、日常が生むものであって、そのための習慣や雰囲気、空間を組織は持たなければいけないのだなと読了して思った。

この本は100点以上のカラー写真を使われており、眺めているだけでも発想を刺激される。ひたすら語られる発想成功の事例を読み続けると、まるでIDEOでインターンシップを体験してきたかのような気分になる。そして、なにかを始めてみたくなる。デザインに限らずプロデュースの仕事に関わるすべてのビジネスマンに強くおすすめ。

評価:★★★☆☆


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Posted by daiya at 2003年10月08日 03:32 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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