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2006年06月07日

科学者という仕事―独創性はどのように生まれるかこのエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加


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・科学者という仕事―独創性はどのように生まれるか
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授業では、本論よりも、余談として語られる偉人のエピソードの方が、強く印象に残ることがある。この本は各章が、偉大な科学者の名言と逸話で始められている。アインシュタイン、ニュートン、チョムスキー、朝永振一郎、寺田寅彦、ラモン・イ・ハカール、ダーウィン、キュリー夫人。

この本は、科学とは何か、研究とは何か、そして科学者とはどのような仕事か、を第一線の研究者である著者が、研究者を志す人たちに向けて講義する内容。科学者としての創造性に焦点があてられている。

研究発表の心構えについて触れた章が、個人的に参考になった。

ビジネスセミナーや授業で何かを話すとき、何を話すかは大抵、あらかじめ決まっている。問題はどう話すかなのだけれど、前提として、どこから話すか、の問題があるよな、と思っていた。あまりに基礎的なレベルから話すと、専門家の聴衆は退屈だろうし、逆に専門外の聴衆はついていけなくなってしまう。話すものはどのような態度でのぞめばいいのか。

この本では発表のコツとして、1に正しく、2に分かりやすく、3に他人本位で話せ、とある。3つ目に関連して、M・デルブリュックによる良い研究発表の条件が紹介されていた。

1 聴衆は完全に無知であると思え
2 聴衆は高度な知性をもつと考えよ

そして、その改良版の「堀田の教え」も大切という。

1 聴衆は完全に無知であると思え
2 聴衆の知性は千差万別であると思え
3 聴衆がおのおの自身より一段上のレベルまで理解できるようにせよ

3について解説を引用。


よく考えてみると、聴衆の中に知性の低い人がいるかもしれないなどと心配する前に、話をする自分より賢く知性の高い人がいることが予想されるのである。その人も講演に触発されて、話をする人よりもさらに高いレベルに達するようにすべきなのである。それでこそ話をする意味があるのである。あとでその人からのフィードバックを受けることによって講演をした自分も新しい理解に到達できれば、真のコミュニケーションが成立したことになるのである。

基本からわかりやすくは当然として、自分よりも上の人にも、新しい発想の材料を提供できるようにせよ、とのこと。なるほどねと深く納得。


ところで研究者向けの”人生ゲーム”を人工知能学会が開発したそうだ。ゲームをしながら研究者の人生をシミュレーションできる。資金やポストの獲得競争のような要素があるらしい。今度、誰かとやってみよう。

・News | 国立情報学研究所
http://www.nii.ac.jp/news_jp/2006/04/it_1.shtml
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「IT研究者のためのゲーム型キャリアデザイン学習教材の紹介」報道発表・プレスリリース資料

・Happy Academic Life 2006ゲーム大会
http://academiclife.jp/

私たち6人は研究者のキャリアを体験できる,Happy Academic Life 2006というボードゲーム型の教材を約一年間にわたる週末集会の場において開発しました.

研究者がアカデミックな世界で生き抜くには,その世界に応じたキャリアデザイン能力が必要です.私たちは,若手研究者がそういった能力を学ぶことを支援するために,(社)人工知能学会の20周年記念事業「AI若手研究者のためのキャリアデザイン能力育成事業:幸福な研究人生に至る道」において,この教材を企画・制作しました.


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Posted by daiya at 2006年06月07日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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