実家はバスもスクールバスくらいしか通ってないし最寄駅にも徒歩だと山超えて1時間以上かかる田舎にあって、車がないと市街地にも学校にもいけない土地なんだけど、中学生のころは平日家族の大人がみんな働きにでてたから送迎できる人がいなくて、放課後塾に通うとかできなかったんだよね。学校と家の間に塾あるわけでもないし。そもそも部活強制で時間もなかったし。
苦手科目はまあまあ危うい感じだったから、2年生の秋ころから受験を見据えて週2でうちに通いの家庭教師をつけてもらえた。
家庭教師は同性の大学生で、仲良くなったから喜んでもらいたかったのと、わからなければ頼れる人がいる安心感でのびのび勉強できるようになって成績はわかりやすく伸びた。ぶっちゃけそんなに教えるの上手くはなかった気がしたけど自分を一対一でじっくり見てくれる大人がいることで気持ちが安定したのがすごく大きかった。それだけで集中力って上がるんだなって知った。
でもその人はバイト色々掛け持ちしてたのと卒論準備や就活でで忙しくなって、親も交えて相談した結果、長期休みはその人がバイトで事務してた隣の大きな市(実家があるのはそのベットタウン的な土地)の塾の講習に通い、学校のある平日は今まで通り家庭教師に来てもらうことになった。教材のテキストがわかりやすいからとおすすめされた。テキスト目当てだった。
家庭教師をつけてもらえただけで恵まれていたけど親曰く家庭教師はツテで比較的安価な料金で雇えていたのに対して、その塾は市内の塾では1番高くて有名だったから反抗期のといえど元をとらなければ申し訳ないというのもプレッシャーになったし、9割以上市内の中学校の子が通う塾だったからわざわざ友達を作ったりつるむ気もなく勉強だけに集中できた。まあその市内の子たちも休み時間もしゃべらず勉強する子たちが殆どだった。授業の後とかはパラパラ会話してるみたいだったけど。あと普通に市内の中学生たちのことは漠然と怖かったから恐怖を振り払うために孤高ぶって静かに闘争心を燃やして強がってた。実際はみんな勉強するために来てていい意味で他人に関心持ってなかったけど。勉強にやる気なかった2年の中盤までのパッとしない内申点の分も本番で点を取れるようならないといけない焦りと、塾代の元を取らねばというプレッシャーと、都会者に囲まれた緊張感と